ベルナルやトーマス、ファンアーヴェルマート、ニバリ、ジルベールらが揃ったエトワール・ド・ベッセージュが開幕。初日の登坂フィニッシュで、クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)がナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)を下し勝利した。



昨年ツール以来の参戦となったエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)昨年ツール以来の参戦となったエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
EFエデュケーションNIPPOのイェンス・クークレール(ベルギー)らEFエデュケーションNIPPOのイェンス・クークレール(ベルギー)ら (c)CorVos逃げグループを率いるトム・パコ(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル)逃げグループを率いるトム・パコ(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル) (c)CorVos


スイスに隣接したフランスの街ベルガルドで開幕したエトワール・ド・ベッセージュ(UCI2.1)は、2月3日(水)から7日(日)までの5日間で開催されるステージレース。GPマルセイエーズ(UCI1.1)に続くフランスの開幕レースであり、今年はコロナ禍における南米、オセアニア、スペインレースの中止に伴い多くの豪華選手が顔を揃えている。

丘陵地帯を駆け巡り、最終日に11kmの個人タイムトライアル(最後は2.5km/平均勾配6%の2級山岳)が控えるレースには11のワールドチームが参加。エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がリタイアに終わったツール・ド・フランス以来初の実戦復帰を果たしたほか、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)、グレッグ・ファンアーヴェルマート&オリヴェル・ナーセン(共にベルギー、AG2Rシトロエン)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)などがスタートラインに並んだ。

感染リスクを避けたスポートフラーンデレン・バロワーズがキャンセルを選ぶ中、ド平坦からの登りフィニッシュが待ち受ける第1ステージはUCIプロチームを中心とした3名の逃げで幕開ける。およそ3分差で逃げた3人を、GPマルセイエーズでの勝利で勢いづくAG2Rシトロエン率いる集団が監視する形で距離を消化していった。

集団内で走るヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)集団内で走るヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
逃げグループが残り10kmで捕らえられると、登りスプリントに向けた位置取り争いがスタートする。エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)率いるトタル・ディレクトエネルジーが、クリストフ・ラポルト(フランス)を従えたコフィディスが、危険回避のためにイネオス・グレナディアーズが先頭を奪い合う中では数度落車が起き、フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)らが路面に投げ出された。

緊張感を高めながら次々と現れるロータリーや市街地の細い道を抜け、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)やデゲンコルプなどが先頭を固めた状態で最後の登坂へ。すると「昨日の下見でスプリンターよりパンチャー向きのレイアウトだと分かったが、自分自身のテストをしてみようと思った」と言うナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)が急勾配区間でサプライズアタックを仕掛けた。

急勾配区間で仕掛けるナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)急勾配区間で仕掛けるナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック) (c)CorVos
ブアニとラポルトを追うマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)ブアニとラポルトを追うマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) (c)CorVosジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)やミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)やミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos

登坂フィニッシュを制したクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)登坂フィニッシュを制したクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) (c)CorVos
爆発的な加速で抜け出したブアニと、唯一追いかけたクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)が抜け出し、マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)らを置き去りにしながらフィニッシュへ。ブアニは一度ラポルトのスリップストリームに入ることを選んだが、力強く踏み続けたラポルトが先頭のままフィニッシュへと飛び込んだ。

フランスの開幕レースで、フランス人スプリンター同士の一騎討ちを制したラポルトは、「最高に嬉しい!困難な2020年を終えてこのオフシーズンはモチベーションを高く保ち、順調にトレーニングを重ねることができたんだ。誰かがアタックするだろうから、先頭に位置取ってついていく作戦だった。ボーナスタイムを得て総合成績で首位にも立つことができた。明日はスプリント予想であり、日曜日の個人TTに向けてボーナスタイムを獲得していきたい」と、総合成績狙いであることも話している。

リーダージャージを受け取ったクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)リーダージャージを受け取ったクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) (c)CorVos
遅れてフィニッシュを目指すエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)とリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO)遅れてフィニッシュを目指すエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)とリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO) (c)CorVos
またこの日、終盤のイネオストレインに乗ることなく、隊列後方で走っていたベルナルは落車分断に遮られ、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO)と共に遅れた状態でフィニッシュ(ラポルトから2秒遅れの集団と同タイム扱い)している。
エトワール・ド・ベッセージュ2021 第1ステージ結果
1位 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) 3:14:32
2位 ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)
3位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) 0:02
4位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)
5位 ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)
6位 ジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)
7位 ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ KTM)
8位 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)
9位 ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマFDJ)
10位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
個人総合成績
1位 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) 3:14:22
2位 ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック) 0:04
3位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) 0:08
4位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス) 0:12
5位 ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)
6位 ジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)
7位 ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ KTM)
8位 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)
9位 ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマFDJ)
10位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
その他の特別賞
ポイント賞 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)
山岳賞 アレクサンドル・ドゥレットル(フランス、デルコ)
ヤングライダー賞 ジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)
チーム総合成績 アルケア・サムシック
text:So Isobe

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