千葉市中心部で開催されたUrban MTB Festival in 千葉公園。MTB全日本選手権XCC(ショートトラック)で山本幸平(DREAM SEEKER)が東京五輪XC代表の力を見せつけて優勝。女子エリートは小林あか里(CMC/Aigle)が勝利し、初代XCC王者の座についた。



千葉公園内の特設コース沿いでは散策に来た多くの市民が観客となった千葉公園内の特設コース沿いでは散策に来た多くの市民が観客となった photo:Makoto AYANO
千葉公園で2日間に渡り開催された「Urban MTB Festival in 千葉公園」。初日のXCE(クロスカントリ・エリミネーター)に続き2日目はXCC(クロスカントリ・エリミネーター/ショートトラック)レースだ。

メインイベントは日本のトップライダーが集うマウンテンバイク全日本選手権XCE/XCC(クロスカントリ・ショートトラック)だ。昨日は雨が一日降り続いた寒い天候だったが、この日は朝から快晴。千葉公園は散歩に訪れた家族連れや子どもたちの姿が多く、道すがらレースの観客となる。

XCCのコースに取り入れられた千葉公園内の林間コースXCCのコースに取り入れられた千葉公園内の林間コース photo:Makoto AYANO
XCCのコースは昨日のXCEより少し延長され、一周800mほど。公園内の遊歩道や舗装路、斜面のオフロードを組み合わせて変化に富んだコースが設定された。競技時間は予選、決勝ともエリートで25分ほど。第1周回のラップタイムを参考にして周回数が決められるシクロクロスと同様の方式がとられ、大きく遅れるとレースから除外される「80%ルール」も採用される。

エリート男子は午前の予選2レースで勝ち上がった10名づつ、合計20名で午後の決勝レースとなる。つまり決勝含めて25分のレースを2本走るスタミナも要求され、そのペース配分とマネジメントも必要になってくる。

Women Eliteスタート ホールショットは川口うらら(FUKAYA RACING)Women Eliteスタート ホールショットは川口うらら(FUKAYA RACING) photo:Makoto AYANO
女子エリートは11名の選手で行われる決勝1レースのみ。スタートから昨日のXCEの覇者・川口うらら(FUKAYA RACING)、小林あか里(CMC/Aigle)、矢吹優夏(BBQ )のXCE上位3人がスピードの違いを見せつけて他をリードし、先頭交代を続けて飛ばし続ける。

川口うらら(FUKAYA RACING)がリードする3人グループが先行川口うらら(FUKAYA RACING)がリードする3人グループが先行 photo:Makoto AYANO
6周目後半に川口がアタックして均衡を破り、2人を引き離しにかかるが、リードを広げようと飛ばす川口はヘアピンコーナーでスリップダウンし、7秒ほどのロス。バイクに再乗車してパスされた2人を追うが、2人とひとりの分の悪さで差を詰められない。80%ルールの適応でレース除外になる選手が続出し、後半にかけてコース上は上位争いをする3人のみという状態に。

小林あか里(CMC/Aigle)と矢吹優夏(BBQ )が2人で先行する小林あか里(CMC/Aigle)と矢吹優夏(BBQ )が2人で先行する photo:Makoto AYANO
川口との差を保ったまま張り合う小林と矢吹だが、最後の上り舗装路で小林がパワーを掛けると矢吹が離れ、少しの差を持って最終コーナーへ。差を詰める矢吹を振り切った小林が0.38秒差で片手で小さくガッツポーズしながらフィニッシュ。初代XCCチャンプに。小林は言う。「川口選手が仕掛けて離さたときは2位争いのために2人で回していこうと考えたけれど、川口選手にアクシデントがあった。今年はコロナで思うようなシーズンにならなけったけれど、最後に日本で初代のXCCチャンピオンになることができて本当に嬉しいです」。

小林あか里(CMC/Aigle)が矢吹優夏(BBQ )を抑えてXCC初代王者に小林あか里(CMC/Aigle)が矢吹優夏(BBQ )を抑えてXCC初代王者に photo:Makoto AYANO
Women Elite表彰 優勝は小林あか里(CMC/Aigle)Women Elite表彰 優勝は小林あか里(CMC/Aigle) photo:Makoto AYANO


XCC Men Elite

男子エリートは予選を勝ち上がった20人での闘い。午後2時を過ぎて気温が上がり、ジャケットの不要な天候になると公園来訪者の観客たちも増え、会場の盛り上がりも大きくなる。

Men Eliteスタート 山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)がホールショットを決めるMen Eliteスタート 山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)がホールショットを決める photo:Makoto AYANO
他のクラスを圧倒するスピードで公園内のコースに飛び出ていく。ホールショットをとったのは山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)。続くチームメイトの北林力、平林安里(TEAM SCOTT JAPAN)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、竹内遼(FUKAYA RACING)、中原義貴(WIAWIS RACING TEAM)ら6人の先頭グループが形成され、少し間をあけて小集団が続く。

山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)がリードして林間を抜ける山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)がリードして林間を抜ける photo:Makoto AYANO
林間のコースを経て舗装路の登り、そしてコーナーの立ち上がりごとにスピードが上がり、ダッシュを繰り返すインターバル。まるでロードのクリテリウムのような走りが要求される。そのスピードと迫力に観客たちもヒートアップ。コンパクトなコースを走る目前のレースとオーロラビジョンに映し出されるスリリングな展開に息を呑む。

山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)がリードして林間を行く山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)がリードして林間を行く photo:Makoto AYANO
平林安里(TEAM SCOTT JAPAN)がリードする6人の先頭グループ平林安里(TEAM SCOTT JAPAN)がリードする6人の先頭グループ photo:Makoto AYANO登りでペースアップを図る竹内遼(FUKAYA RACING)登りでペースアップを図る竹内遼(FUKAYA RACING) photo:Makoto AYANO


ラストレースとなる中原義貴(WIAWIS RACING TEAM)が積極的に牽引するラストレースとなる中原義貴(WIAWIS RACING TEAM)が積極的に牽引する photo:Makoto AYANO
最終盤まで6人の走行が続いたが、残り1周+のバックストレートで山本が踏みを入れるとたちまち差が生まれる。追いすがる北林、平林、少し空いて前田の順で残り1周へ。後続グループもペースアップしてバラバラに。

残り1周でペースアップした山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)残り1周でペースアップした山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM) photo:Makoto AYANO
山本はそのまま約4秒の差をもって、何度も大きなガッツポーズを繰り出しながらフィニッシュ。その圧倒的な力を誇示し、今年最後のレースを締めくくった。2位北林、3位平林。そして4位の前田はラストレースに感謝を示しながらフィニッシュした。

何度もガッツポーズを繰り出して勝利をアピールする山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)何度もガッツポーズを繰り出して勝利をアピールする山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM) photo:Makoto AYANO
山本は言う。「ラスト5周ぐらいからどこでペースをあげようかを考えていて、できればリキ君(北林)とスプリント争いをして勝利しようと考えていた。リキがあがって来てくれると思っていたけど、少し差が開いたままになってしまった。アタックとしては最高のタイミングだったと思うけれど、チームで勝ちたいと思っていたんです」。

2位でフィニッシュした北林力に声をかける山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM),2位でフィニッシュした北林力に声をかける山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM), photo:Makoto AYANOXCEと王者の澤木紀雄が引退レースの前田公平と中原義貴に花束を渡す。弱虫ペダル作者・渡辺航先生も駆けつけたXCEと王者の澤木紀雄が引退レースの前田公平と中原義貴に花束を渡す。弱虫ペダル作者・渡辺航先生も駆けつけた photo:Makoto AYANO


圧倒的な力で勝利してなお、チームメイトの北林に課題を突きつけた山本。北林も2位ながら喜びの表情は控えめだ。「昨日のレースといい(XCEでも2位)、もう少し戦略的に巧く走れるようにならないと」と、北林は自戒を込めて言う。

XCC初代王者に輝いた山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)XCC初代王者に輝いた山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM) photo:Makoto AYANO
「初の都市型MTBイベント」として盛況だったこの大会。東京五輪期待のオリンピアンの走りを目に焼き付けた観客を前にして山本は言う。「こんなにたくさんの観客の前で走れて気持ちが上がりましたね。日本でここまで観客が集まったレースは他にないでしょう。都市型のレースが行われたのは第一歩、新たなページがめくられたのかな、と思います。今後もこうしたレースが増えて欲しい」とコメント。新たな試みとしてショー的要素を盛り込んで開催されたMTB全日本選手権XCE/XCEだが、大きなインパクトを残した。

山本幸平、平林安里、北林力によるトークショーも行われた山本幸平、平林安里、北林力によるトークショーも行われた photo:Makoto AYANO
そして来年はオリンピアンとして集大成を迎える山本。「東京五輪を迎える来年の7月26日が僕にとっていちばん大事な日になる。その日にそこで、自分自身のもっともキレの良い走りができるようにと決めています。この冬は例年行っていたタイでの合宿も現実的ではないので、長野であえて雪の中を走って鍛えたり、zwiftを活用して鍛えたいと思っています」。

岡本紘幸(インパルス)がマスターズXCEとXCCの2冠に輝く岡本紘幸(インパルス)がマスターズXCEとXCCの2冠に輝く photo:Makoto AYANOMen Masters表彰 優勝は岡本紘幸(インパルス)がXCEとの2冠を達成Men Masters表彰 優勝は岡本紘幸(インパルス)がXCEとの2冠を達成 photo:Makoto AYANO


落合康生(TEAM GRM)がMen Youthを制する落合康生(TEAM GRM)がMen Youthを制する photo:Makoto AYANOMen AdvanceスタートMen Advanceスタート photo:Makoto AYANO


Urban MTB Festival in 千葉公園 全日本選手権XCCリザルト
Men Elite
1位山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)24:48.87
2位北林力(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM )+3.51
3位平林安里(TEAM SCOTT JAPAN)+5.12
4位前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)+9.93
5位竹内遼(FUKAYA RACING)+21.49
6位竹之内悠(ToyoFrame)+21.87
7位鈴木来人(BonneChance Asia Cycling Academy)+22.55
8位高本亮太(Limited Team 846)+22.92
9位小森亮平(ToyoFrame)+26.32
10位中原義貴(WIAWIS RACING TEAM)+28.03
Women Elite
1位小林あか里(CMC/Aigle)20:38.60
2位矢吹優夏(BBQ )+0.38
3位川口うらら(FUKAYA RACING)+11.63
4位金子尚代(Rapha Cycling Club )-3Laps
5位川崎路子(PAXPROJECT)-3Laps
6位早瀬久美(日本ろう自転車競技協会)-4Laps
Men Masters
1位岡本紘幸(インパルス)19:36.06
2位疇地利哉(名岐Vend)+1.88
3位山崎 雅典(Power sports SICK)+7.25
4位叶英樹 (Saturday Early Morning)+54.74
5位浅井秀樹(SNEL)+1:19.74 2 
6位柳堀伸(042 SYNDICATE)+1:20.28
Men Advance
1位森下奏(Rise-Ride)20:25.87
2位山田太士(名岐Vend )+0.34
3位岩崎基規(AX MTB team)+3.35
Men Youth
1位落合康生(TEAM GRM)22:46.80
2位山田愛太(ProRide)+5.03
3位綾野尋(cycleclub3UP)+11.79
text&photo:Makoto AYANO
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