雨と寒さが選手たちを苦しめた山頂フィニッシュのブエルタ第6ステージ。兄弟による戦略的な走りで勝利したヨン・イサギレや、マイヨロホを獲得したカラパス、レインジャケットが原因でタイムを失うことになったログリッチなどのコメントを紹介します。



ステージ優勝 ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)

兄弟のチームプレーで勝利をもぎ取ったヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)兄弟のチームプレーで勝利をもぎ取ったヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) photo:CorVos
とてもタフなステージだった。悪天候に見舞われることは分かっていたし、レース後半は雨が降り寒くなることも知っていた。ここピレネー山脈ではいつも雨が寒さをもたらす。スタートからゴルカ(イサギレ)と一緒に逃げ集団に入ることができた。とても良い瞬間だったよ。(飛び出した)ゴルカのおかげで追走グループの後ろで最後に向けて力を蓄えることができた。

一番急勾配なところでアタックし、すぐに差を広げた。後ろを振り返ったら誰もついてきていなかったのでフィニッシュまで踏み続けた。終始雨が降り注ぐなか頂上までたどり着くのは大変だったが、なんとか先頭を守り、ステージを勝つことができた。

全ての三大グランツールでステージ優勝を挙げた100人目の選手となったヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)全ての三大グランツールでステージ優勝を挙げた100人目の選手となったヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) photo:Unipublic
チームのみんなに、そして兄のゴルカに感謝したい。彼は素晴らしかった。ゴルカは本当に強く、下りで力強いアタックをした。きっと彼でも勝てただろう。でも追走集団が彼に追いついた時、今度は僕の番だと分かっていた。ゴルカは登りでサポートしてくれ、残り3kmでチャンスを見つけ仕掛けたんだ。

個人的にこの勝利の意味は大きく、アスタナに勝利をもたらすことができて嬉しい。ツール・ド・フランスの落車から順調に回復することができ、その間チームは常にそばにいてくれた。そしてブエルタ・ア・エスパーニャに来ることができて嬉しいんだ。すべてのスポンサーに、特にこの困難なシーズンでも素晴らしいサポートをしてくれたサムルク・カズィナに感謝したい。



ステージ2位 マイケル・ウッズ(カナダ、EFプロサイクリング)

今日はカナダの伝統(くらい寒い天候)の中、走らなければならなかった…



ステージ12位&マイヨロホ リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)

リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)とマルク・ソレル(スペイン、モビスター)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)とマルク・ソレル(スペイン、モビスター) photo:CorVos
(このマイヨロホは)1週間の働きを終えたチームへの素晴らしい贈り物だ。



ステージ18位&総合3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)

遅れを喫したダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)遅れを喫したダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) photo:Israel Start-Up Nation
今日の天候を見て、ステージの難易度が上がると思い集中力が高まった。ダウンヒルと寒さでミスをし、タイムを失う可能性が高まるからね。だから良いパフォーマンスで走り終えられたことに満足している。

最後の登りで脚の感触は良かったのだが、登れば登るほど寒くなり、身体が動かなくなってしまった。だからフィニッシュラインの向けて踏み続けるしかなかった。カラパスと(ヒュー)カーシーは本当に良く、僕よりもこの状況に上手く対応していた。以前に寒さでバッドデイがあった時に比べれば、(今日の走りは)自分のコンディションの良さを表している。

信じられないほど厳しくアグレッシブなレースが続いた1週間だったので、この順位に満足している。

チームのみんなは僕のために全力を尽くしてくれ、最後までしっかりとサポートしてくれた。これ以上のことを求めることはできないし、僕への信頼が僕に力を与えてくれる。休息日を楽しみながらも、一日一日を大切に考え集中していきたい。



ステージ20位&総合4位&ポイント賞 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

総合4位に転落したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)総合4位に転落したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
期待していた展開にはならなかった。オービスク峠の下りで服(レインジャケット)にトラブルがあったため、プロトンがバラけた時に集団後方にいたんだ。それを挽回するためにあらゆる手を尽くさなければならなかった。最終的に追いついたが、最後の登りでアタックに反応するための脚は残っていなかった。

僕らは全てを出し切った。それで勝つこともあれば負けることもある。今日は負ける日だった。まだブエルタは終わっていないし、マドリードまで戦い続ける。



ステージ26位&新人賞 エンリク・マス(スペイン、モビスター)

ログリッチと共にフィニッシュするエンリク・マス(スペイン、モビスター)ログリッチと共にフィニッシュするエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos
いまはとにかく寒い。今後何年も忘れることのできないほどハードな一日だった。幸いにもレース中はそれほど寒さを感じなかった。一日中フルガスで、寒さを感じたのはフィニッシュしてからだった。結果に問題はなく、チーム全体としても(レースの動きに)上手く反応できていた。このレースも楽しんで走ることができたよ。

text:Sotaro.Arakawa

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