超マッドコンディションのMTB世界選手権3日目に再びトーマス・ピドコック(イギリス)が勝利。E-MTBに続く今大会2枚目のアルカンシエルを獲得した。



70名が参加したXCO男子U23レース70名が参加したXCO男子U23レース photo:UCI/Michal Cerveny
気温7℃のヘビーマッドコンディションの中開催されたMTB世界選手権のクロスカントリー男子U23レースに出走したのは70名。スタートラップ2周+メインコース4周=合計18.2kmで争われたレースを支配したのは、2日前のE-MTBレースで優勝をさらっていたトーマス・ピドコック(イギリス)だった。

16番手からスタートしたピドコックはすぐに2番手までポジションを上げ、テクニックを武器にするクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)と共に先頭パックを形成する。ブレヴィンスを引き離してもなお、4周回中3周回でベストラップを叩き出す圧倒的なペースを刻み独走でフィニッシュラインにたどり着いた。

圧倒的なペースで独走するトーマス・ピドコック(イギリス)圧倒的なペースで独走するトーマス・ピドコック(イギリス) photo:UCI/MoritzAblinger
2番手を走るクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)2番手を走るクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ) photo:UCI/MoritzAblinger3位銅メダルを獲得したジョエル・ロス(スイス)3位銅メダルを獲得したジョエル・ロス(スイス) photo:UCI/MoritzAblinger

今大会2つ目の金メダルを射止めたトーマス・ピドコック(イギリス)今大会2つ目の金メダルを射止めたトーマス・ピドコック(イギリス) photo:UCI/MoritzAblinger
2021年3月1日からイネオス・グレナディアーズに加入し、ロード選手として本格始動するピドコックにとっては、2016–2017年のジュニアCX世界王者、2017–2018年のU23CX世界王者、2017年ロード個人TTジュニア世界王者、そして2020年E-MTB世界王者に続く6枚目のアルカンシエル獲得だ。

「本当にタフなコースだった。最初の2周で全然調子良く走れなかったが、さらにそこから2周走ってもなお酷かった。全く気持ち良く走ることのできないレースだったと思う。特にダウンヒル区間は超スリッピーかつテクニカルだったのでバイクに乗車できるか否かというレベル。勝負と言えば登りだけだった」とレースを振り返るピドコック。

「もちろん優勝でシーズンを締めくくることができて何より。とてもほっとしたよ。エリートレースに出場できると言われていたけれど、アンダーカテゴリーの最後にアルカンシエルが欲しかったんだ。これで後悔を残すことなくエリートに上がることができるよ」と話している。同じくアンダー最終年度のブレヴィンスが2位銀メダルを獲得し、ジョエル・ロス(スイス)が3位銅メダルを掴んでいる。

大会4日目となる本日10日(土)はXCOのU23女子レースと男女エリートレースが開催される。

DH予選 男子エリートでトップタイムを叩き出したロリス・ヴェルジエ(フランス)DH予選 男子エリートでトップタイムを叩き出したロリス・ヴェルジエ(フランス) photo:UCI/Michal Cerveny
女子DH予選 ヴァレンティナ・ホール(オーストリア)最速タイム女子DH予選 ヴァレンティナ・ホール(オーストリア)最速タイム photo:UCI/MoritzAblinger
MTB世界選手権2020 XCO男子U23結果
1位 トーマス・ピドコック(イギリス) 1:08:15
2位 クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ) 1:52
3位 ジョエル・ロス(スイス) 3:05
4位 シモーネ・アヴォンデット(イタリア) 3:21
5位 ショーン・フィンチャム(カナダ) 3:46
text:So Isobe