UCIプロチームであるサーカス・ワンティゴベールがCCCチームを運営するコンティニュアムスポーツ社を買収。同チームが保持するライセンスを承継し、来シーズンはワールドチームとして活動する方針を示した。



昨ツールに出場したワンティ・グループゴベール昨ツールに出場したワンティ・グループゴベール photo:Makoto.AYANO
2011年からプロコンチネンタルチームとして活動してきたサーカス・ワンティゴベール。ワイルドカード枠で昨年のツールに出場するなど大きな存在感を見せてきたチームが来シーズンに向けてステップアップの動きを見せた。

今回、ワンティはCCCチームを運営するコンティニュアムスポーツ社を買収し、同社が保持するライセンスを引き継ぐことでワールドチームへの昇格を狙う。12月のUCIライセンス委員会にて承認されれば正式にワールドツアーへの参戦が叶う見通しだ。

「2020シーズンは誰も予測できなかった1年となってしまったが、CCCチームとしてこのシーズンを最高の状態で終えたい」と、今回の決定に際し、コンティニュアムスポーツのジム・オショウィッツGMは語る。「2021年にはコンティニュアムスポーツの新しい方向性も見えてくるだろう。サーカス・ワンティ・ゴベールにとって重要なマイルストーンとなるワールドツアー昇格への道のりを切り開くことができたのは非常に喜ばしい」。

今年6月、メインスポンサーとなるCCC社がスポンサー降板を表明して以降新たなスポンサー探しに奔走していたCCCチームだが、新たなスポンサーを見つけることは叶わなかったようだ。「2007年に活動を始めてから、BMCレーシング、そしてCCCチームとしてロードレース界に足跡を残してきたが、これからはワンティがワールドツアーへ移行するための支援を行っていくことになる。高い目標と共通のビジョンを持つジャンフランソワ・ブルラールGMのリーダーシップのもとにあるサーカス・ワンティゴベールは私たちのレガシーを受け継ぐのに理想的な存在だと信じている」とオショウィッツGMはコメントしている。

ストラーデビアンケを走るグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム) ストラーデビアンケを走るグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム) (c)CorVos
一方、買収する側となるワンティのジャン・フランソワ・ブルラールGMは来シーズンに向けて野心を見せた。「チームの共同創立者であるブノワ・ソエネン、クリストフ・ワンティ、ロナルド・ゴベール、ダヴィッド・ソーバージュらと共に、いつかはワールドチームとなることを夢見て活動を続けてきた。今回プロジェクトを受け継ぐことでUCIにコンティニュアムスポーツのライセンス継続を提案できることを誇りに思っている。ワールドツアーチームとして活動を続けていくため、彼らの長年の経験を活かし、私たちに出来る最善を尽くしていく。BMCレーシング、そしてCCCチームが収めてきたような大きな成功を新たなチームでも実現できると確信している」と語った。

グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)やミヒャエル・シェアー(スイス)らは既にAG2Rへの移籍を発表しているが、現在CCCチームに所属する選手らの去就に注目が集まる。