2ヶ月遅れでパリにやってきた第107回ツール・ド・フランス第21ステージ。マイヨヴェールを着て集団スプリントを制したサム・ベネットや、マイヨジョーヌとマイヨアポワ、マイヨブランを独占したポガチャル、そして悔しくも笑顔を見せたログリッチや、念願の表彰台に立ったポートなどのコメントを紹介します。



ステージ優勝&ポイント賞 サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)

マイヨヴェールを獲得したサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)マイヨヴェールを獲得したサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO
言葉にできないくらいすごく幸せな気分だ。このような結果を得られるなんて思ってもいなかった。僕はこのシャンゼリゼでのスプリントの映像を見て育った。そこをマイヨヴェールを着て走ったなんて信じられない!選手人生で最高の勝利だ。マイヨヴェールを着用しての勝利は一生の思い出であり、宝物となるだろう。夢にも思っていなかったことだからね。

本当に速かったし、少し緊張していた。でもチームのみんながレースを完璧にコントロールしてくれ、大事な局面で僕を前に連れて行ってくれた。最後のストレートは向かい風だったので、他の選手たちを前に行かせたんだ。そして残り150〜200mでスプリントを開始した。前に出てから誰かに抜かれると思ったのだが、そんなことは起こらなかった。まだ自分の勝利を信じることができないよ。

ステージ2位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)

「スプリンターの世界選手権」シャンゼリゼを制したサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)「スプリンターの世界選手権」シャンゼリゼを制したサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
サム・ベネットが最も速い選手の1人だということは分っていた。だから勝利には奇跡を起こす必要があった。

挑戦しなければ勝つことは絶対にない。彼から数人を挟んで前に位置することを願い、実際にそのチャンスが訪れた。最後はジャスパー(ストゥイヴェン)が完璧なリードアウトをしてくれたのだが、(ドゥクーニンク)クイックステップもまた完璧だった。スプリントを開始した時、サムは僕の真後ろにいた。その後はもはやミッション・インポッシブルだった。

もちろんアルカンシェルでの最後のレースを勝利で終えたかったけど、シャンゼリゼで表彰台に上がれて本当に嬉しいよ。

ステージ3位&ポイント賞2位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

ベネットを追いかけるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)ベネットを追いかけるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
予想した通り速い集団スプリントになった。サム(ベネット)の後ろという良い位置にいたのだが、最終的に彼の方が速く、僕は3位だった。すべてが順調だ。ツール・ド・フランスが終わり、パリまで辿り着いたことに満足している。

ステージ6位&ステージ2勝 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)

個人的には2勝をあげた素晴らしいツールだった。だが総合優勝を逃した悔しさは残っている。今日の最終ステージに集中するのは簡単ではなかったが、頭を切り替えもう一度勝利を掴みにいった。3週間にわたって集団の先頭を走ったが、今日もそれを見せることができた。もう一度勝ちたかったが不可能だった。2日間を休息にあて、世界選手権に向けて気持ちを切り替えていきたい。

マイヨジョーヌ&山岳賞、新人賞 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

スロベニア国旗を掲げて表彰台に立つタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)スロベニア国旗を掲げて表彰台に立つタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto.AYANO
ニースの開幕前から始まり、最も美しく終わった長い旅だった。年の始まりからシーズンの目標はツール・ド・フランスだった。準備は完璧で、合宿やロックダウン中のトレーニングプランなど、チームが良い計画を立ててくれた。レースが中断する困難な状況下でも僕は常に集中していた。

このツールに良いコンディションでやってくることができ、途中で2人のチームメイトを失ったものの、チームは素晴らしい雰囲気を絶えることなく作ってくれた。チームメイトとスタッフがそばにいて、ツールという困難に日々挑み続け、常に冷静さと集中を切らすことなくこの経験ができて光栄に思う。これまでの人生の中でも、まだ信じることができないぐらい素晴らしい瞬間だ。

個人総合成績上位トップスリー。ポガチャル、ログリッチ、ポート個人総合成績上位トップスリー。ポガチャル、ログリッチ、ポート photo:Makoto.AYANO
パリで総合2位だったとしても素晴らしい結果だと思っていた。だけどここでマイヨジョーヌを着ることができたのは、これ以上ない最高の出来事だよ。

今日は特別な日で、やっと他の選手たちと落ち着いて話すことができた。集団の中でたくさんの選手が祝福の言葉をかけてくれたのはとても嬉しかった。

自転車ロードレースは、なんて素晴らしいスポーツなんだろうか。

総合2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

3週間に渡り強さを見せたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)3週間に渡り強さを見せたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto.AYANO
当然のことながら失意の底にいる。110%の力を出したが、昨日は何も残っていなかった。最後までやり遂げることができず、チームメイトに申し訳なく思っている。でもわざとやったわけではない。あれ以上速く走れなかっただけだ。がっかりしているが、この2位という結果はとても誇りに思う。表彰台をギリギリで逃すよりは2位や3位がいい。

また、チームを誇りに思う。3週間を毎日僕らは戦い続けすべてを出し切った。僕らの走りは素晴らしかった。それをとても誇りに感じている。チームとしてミスを犯したかはわからない。もっと積極的にレースをしなければならなかったのかもしれない。それらを分析しなければならない。ツールには絶対戻ってくる。僕は常に勝利を欲していて、一番になりたいんだ。チームとしてこの経験から学び、改善すべき点は確実にある。個人的にもだ。モチベーションはなくなっていないし、さらに強くなりたい。

総合3位 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)

総合3位を確定させているリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)総合3位を確定させているリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) photo:Makoto.AYANO
正直、夢が叶ったような気分だよ。パリで表彰台に立つなんて信じられない。2人のチャンピオンと一緒にあそこに上がることができて、本当に嬉しかった。一生の思い出にしたい瞬間だった。

すべてを締めくくる結果となった。ここ何年も不運が続いたが、この3週間を計画通りに進めることができた。ポディウムに上がれると信じ始めたのは(第15ステージ の)グラン・コロンビエールだった。スロベニア勢が明らかに強かったが、そこで僕は3位でフィニッシュした。

そして昨日のタイムトライアルはキャリア最高の走りだった。なんて旅なんだ。グランツールの表彰台に上がれてただただ嬉しいよ。

総合敢闘賞 マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)

総合敢闘賞のマルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)総合敢闘賞のマルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ) photo:Makoto.AYANO
表彰台に上がることができて本当に嬉しい。感動的で、夢が叶ったような気分だ。成功以上とも言えるツール・ド・フランスになった。ここまでうまくいくとは思っていなかった。僕らの目標は逃げに乗ることだった。そしてそれ以上の結果を得ることができた。チームとして多く達成できたと思うし、僕たちにとって本当に成功のツールだった。

text:Sotaro.Arakawa

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