マキシス XENITH Pro Light(ゼニス プロライト)は700×20cで160g、23cで180gという超軽量タイヤだ。

マキシス XENITH Pro Lightマキシス XENITH Pro Light

「ヒルクライムやクリテリウムなど路面状況の良いコースでは無類の強さを発揮する超軽量タイヤ」ということで、プロチームが要求する軽さ、スムーズさ、しなやかさが体感できるという。登りでの軽さと平坦での加速を求める際には選択肢に上がるこのタイヤだ。2006年乗鞍ヒルクライム(全日本マウンテンサイクリングin乗鞍)で山本和弘(当時エキップあずみの)がチャンピオンクラスで優勝を飾った際に使用したタイヤでもある。

マキシス XENITH Pro Lightマキシス XENITH Pro Light EQUIPE LEGEREと表記されているサイド部EQUIPE LEGEREと表記されているサイド部


700×20cで160g、23cで180gという重量は、通常のスタンダードなタイヤに比べるとそれぞれ20g~50g程度軽い。ヒルクライムやクリテリウムなど路面状況の良いコースで使用することが推奨されており、トレッドパターンは完全なスリック。メーカーのウェブサイトでは耐パンク性能は★★(五つ星中)となっている。軽量さゆえトレッド下には耐パンク用ブレーカー(保護ベルト)は使用されておらず、「決戦用」という色合いが濃い。

タイヤサイドには「Xenith EQUIPE LEGERE」と表記されているが、国内ではXenith ProLightとい名称で販売されている。(タイヤにはProLightの表記は特にない)

このタイヤを3週間にわたり使用してのインプレをお届けしよう。






しなやかさと軽い走行感を両立しているしなやかさと軽い走行感を両立している インプレッション

テストは23cで行った。まずパッケージから取り外してフォールディングを解いて手のひらに載せると、やはりまず軽さには驚かされる。そして薄い。
タイヤ自体が薄くて柔らかいためリムに装着するのは難なくできた。ポンプアップするとエアが充填されていくのがリアルに判るほどトレッドは薄い。
「ヒルクライムやクリテリウムなど路面状況の良いコースでは無類の強さを発揮する超軽量タイヤ」ということを裏返せば、パンクが心配でもある。そこで少々テスト期間を長くとり、3週間みっちり使うことにした。

チューブは通常の軽め(80g)のチューブを使用してテストした。同社にはフライウェイトチューブという軽量チューブ(66~68g)があるので、それも合わせるとスタンダードな組み合わせと比べさらに-20g、タイヤとチューブの合計で40~80gが軽量化できることになる。両輪合計では150g程度マイナスになる。これはヒルクライムレースなど登りで明らかにメリットになる。

しかしトレッドが薄いので耐パンク性能は低いと考え、チューブにまで冒険することはちょっとためらわれた。もし登りのレースのときだけに使うのであればそれも有効だと思われるが。ただしクリンチャータイヤはパンクの際はチューブラーなどと比べてタイヤが一気に外れるなど危険が高いので、あまり軽さを求めるのはどうかと思う。タイムを狙うレースの時だけにするべきだろう。
薄いチューブとの組み合わせならさらにしなやかさが向上すると思われる。

軽さはもちろん、非常にしなやかなタイヤだ。グリップを確かめるべくコーナーを攻めるとその路面への食付きの良さに感心する。チューブラー系のタイヤに似た横方向へのしなりがある。
トレッドパターンはスリックで、転がり抵抗も低め。トレッド自体の食付きに加えサイドのしなりでグリップするタイプのタイヤだ。クリテリウムに使えるという表記の性能は十分満たしている。

体重60kgの筆者は8気圧程度でベスト圧を探した。他ブランドのものより1気圧は高めの設定だ。これは空気圧が低めだと粘りが増す感じがすることと、パンクが心配だから。しなやか=リム打ちパンクが心配な感触はある。

コーナリンググリップはかなり良い感じだが、スリックトレッドだけにハードブレーキングの際のスリップはしやすい印象がある。やはり通常の路面での使用シーンではやや神経質にならざるを得ない。

1000km走行後。ロゴがかすれてきたがトレッドはまだ十分生きている1000km走行後。ロゴがかすれてきたがトレッドはまだ十分生きている サイクリングイベントを含めて1000km程度は乗り込んだが、未だに一度もパンクはしていない。ただしパンクについては偶発性のものなのでテストだけでは何とも言えず、むしろパンクを恐れて神経質に走った結果であるとも言えそうだ。
摩耗は特別早いという感じはないが、トレッドがもともと薄いので減りが気になる。寿命はやはり短めと言わざるをえないだろう。

結論としてはやはり決戦タイヤ的な使い方で、晴天時のヒルクライムレースやサーキットレースにのみ使用するのがおすすめだろう。

日常のトレーニングを含む使用に向くモデルとしてはXENITH Pro Levelが用意されており、そちらは210g(20c)、230g(23c)となっている。

マキシス XENITH Pro Light
サイズ: 700x20c、23c
カラー : ブラック
ビード : フォルダブル
ケーシング: 120TPI
コンパウンド: 62a
参考重量 : 160g(20c)、180g(23c)
最高空気圧 145psi
価格:¥5,775