Jプロツアーを走るレースバイクを紹介していく第3弾。今回は昨年Jプロツアー個人総合優勝とチーム総合優勝を達成したマトリックスパワータグと、開幕戦で優勝した山本元喜を擁するキナンサイクリングチームにフォーカスを当てる。



マトリックスパワータグ
フォーカス IZALCO MAX DISC 9


安原大貴(マトリックスパワータグ)のフォーカス IZALCO MAX DISC 9安原大貴(マトリックスパワータグ)のフォーカス IZALCO MAX DISC 9 photo:Satoru Kato
2019年のJプロツアー22戦のうち8勝を挙げ、Jプロツアー個人総合優勝とチーム総合優勝を果たしたマトリックスパワータグは、今年もフォーカスの軽量オールラウンドバイク、IZALCOを駆る。昨シーズンまではリムブレーキモデルの先代IZALCO MAXを使用していたが、シーズン中盤から新型のIZALCO MAX DISC 9を徐々に導入。今シーズンでは全選手のバイクが新型へと切り替わっていた。

コンポーネントはDI2変速/油圧ディスクブレーキのDURA-ACE R9170で、ディスクローターはSM-RT800(ULTEGRAグレード)。クランクは昨年に引き続きパイオニアのペダリングモニターを使用し続けている。

ハンドルはFSA ENERGY COMPACTで、ステムとシートポストはフォーカスの専用品。サドルはサンマルコがサポートされており、選手の好みに応じてそれぞれ違うモデルが装着されていた。バーテープやボトルケージはチームスポンサーであるカブトの製品をアセンブル。薄手タイプのBT-06バーテープや、現在はラインアップにないRC-11カーボンボトルケージを使用していた。

FSA ENERGY COMPACTハンドルとフォーカス専用ステムの組み合わせFSA ENERGY COMPACTハンドルとフォーカス専用ステムの組み合わせ photo:Satoru Katoマトリックスオリジナルのネームステッカーマトリックスオリジナルのネームステッカー photo:Satoru Kato

使いこまれた様子のクランクにはパイオニアのペダリングモニターが装着される使いこまれた様子のクランクにはパイオニアのペダリングモニターが装着される photo:Satoru Katoタイヤはパナレーサー RACE A EVO4の25cチューブレスを使用するタイヤはパナレーサー RACE A EVO4の25cチューブレスを使用する photo:Satoru Kato

ホイールはマヴィック COSMIC PRO CARBON SL UST DISCホイールはマヴィック COSMIC PRO CARBON SL UST DISC photo:Satoru Kato
大きな変更点と言えば、ホイールブランドがヴィジョンからマヴィックに戻ったことだろう。開幕戦の群馬ではCOSMIC PRO CARBON SL UST DISCの使用率が高く、組み合わせるタイヤはパナレーサーのRACE A EVO4 25cチューブレス。また、IZALCO MAX DISC 9の専用ステムに取り付け可能なサイクルコンピューターマウントを装着していた。



キナンサイクリングチーム
ヨネックス CARBONEX HR


 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)のヨネックス CARBONEX HR トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)のヨネックス CARBONEX HR photo:Kensaku SAKAI
Jプロツアー開幕戦、東日本ロードクラシックDay-1で山本元喜が優勝し、第5戦の宇都宮ロードレースではトマ・ルバ(フランス)が逃げ切り優勝を挙げるなど好調な滑り出しを見せたキナンサイクリングチーム。メインバイクは今シーズンもヨネックスのCARBONEX HRだ。

ヨネックスはエアロモデルの「AEROFLIGHT」やディスクブレーキモデルも投入してきたが、現在のところリムブレーキのCARBONEX HRを継続使用中。ヨネックスのコーポレートカラーであるグリーンとブルーの塗り分けが特徴で、山本元喜は元全日本チャンピオンを示すホワイト/レッドカラーを駆る。

コンポーネントは12速/機械式変速のカンパニョーロ RECORD。チーム単位でカンパを使用するのは国内トップチーム中で唯一の存在だ。ホイールは基本的にフルクラム SPEEDシリーズの40Tと55Tをコースに合わせて使い分けているという。

耐久性があるアルミ製のR3シリーズで揃えていた耐久性があるアルミ製のR3シリーズで揃えていた photo:Kensaku SAKAIカンパ RECORDのカーボンクランクカンパ RECORDのカーボンクランク photo:Kensaku SAKAI

コンポーネントは12速のカンパニョーロ RECORDコンポーネントは12速のカンパニョーロ RECORD photo:Kensaku SAKAIルック KEO BLADE カーボンペダルを使用するルック KEO BLADE カーボンペダルを使用する photo:Kensaku SAKAI


フルクラム SPEED 55TにIRC Formula PRO RACE TEAM チューブラータイヤの組み合わせフルクラム SPEED 55TにIRC Formula PRO RACE TEAM チューブラータイヤの組み合わせ photo:Kensaku SAKAI
ホイールに組み合わせているのは2年前に数量限定で一般発売も行われたIRCのFormula PRO RACE TEAM チューブラータイヤ。ハンドルやステム、シートポスト、サドル、バーテープは全てフィジークで統一され、国内外の遠征に備え、耐久性の高いアルミ製のR3シリーズで揃えられていた。

ペダルはルック KEO BLADE カーボン、ボトルケージはエリート Custom Race PLUS。サイクルコンピューターはブライトン Rider 420を使用する。

text:Michinari TAKAGI
photo:Satoru Kato、Kensaku SAKAI