Jプロツアー第2戦となる東日本ロードクラシックDay-2は60kmのレースが行われ、終盤のレースをコントロールした宇都宮ブリッツェンが鈴木龍を筆頭に1位から3位までを独占。優勝した鈴木龍がリーダージャージも獲得した。




60kmの短距離レースがスタート60kmの短距離レースがスタート photo:Satoru Kato
3日連続開催の東日本ロードクラシック2日目は、前日の半分の距離となる60kmのレース。短距離ゆえのハイスピードレースが予想された。

レースの進行と共に天気が回復した初日とは逆に、この日はJプロツアーのスタート前から降り始めた雨が徐々に強くなっていく。大雨というほどにはならなかったものの、濡れた路面でのレースとなった。

序盤に飛び出した5名序盤に飛び出した5名 photo:Satoru Katoメイン集団は宇都宮ブリッツェンを中心にコントロールメイン集団は宇都宮ブリッツェンを中心にコントロール photo:Satoru Kato

ローリングなしでスタートしたレースは、1周目から8分10秒台のハイペースで進行。アタック合戦の中から5名が抜け出す。メンバーは、冨尾大地(ヴィクトワール広島)、米谷隆志、石原悠希(以上ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)、渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)、山本大喜(キナンサイクリングチーム)。

メイン集団は宇都宮ブリッツェンが中心となってコントロール。5名の逃げ集団との差を20秒から30秒に維持して進行する。

新たに構成された逃げ集団に乗ったリーダージャージの山本元喜(キナンサイクリングチーム)新たに構成された逃げ集団に乗ったリーダージャージの山本元喜(キナンサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
レース中盤、逃げ集団とメイン集団との差が10秒台になったところで、レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )が逃げ集団にブリッジをかける。この動きをきっかけに逃げ集団が再構成され、新たに8名が先行する。メンバーは、キンテロ、西村大輝(宇都宮ブリッツェン)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)、西村基(レバンテフジ静岡)、山本元喜、山本大喜(以上キナンサイクリングチーム)、伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)。

レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )が登りでペースアップレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )が登りでペースアップ photo:Satoru Kato
レースが終盤に入ると、キンテロが登り区間でアタックを繰り返す。しかし勝負を決めるアタックにはならず、人数が減りそうで減らない。一方、メイン集団のコントロールをする宇都宮ブリッツェンは、逃げ集団に乗っていた西村を呼び戻してコントロールを継続。9周目に20秒あった逃げ集団との差を、最終周回で一気に詰めて吸収する。

最終周回 増田成幸を先頭に宇都宮ブリッツェンが集団コントロール最終周回 増田成幸を先頭に宇都宮ブリッツェンが集団コントロール photo:Satoru Kato
最後の心臓破りの登り区間に入ると、増田成幸が先頭で強力に牽引。宇都宮ブリッツェンのメンバーが集団先頭を固めたまま最終コーナーをクリアし、残り300mからの集団スプリントへ。チーム右京の横塚浩平、愛三工業レーシングチームの大前翔と岡本隼らが並びかけるも、鈴木龍を先頭に大久保陣、小野寺玲の順にフィニッシュ。3位までを宇都宮ブリッツェンが独占し、優勝した鈴木龍がリーダージャージも獲得した。

鈴木龍を先頭に、大久保陣、小野寺玲が続けてフィニッシュ鈴木龍を先頭に、大久保陣、小野寺玲が続けてフィニッシュ photo:Satoru Kato
表彰台を独占した宇都宮ブリッツェン表彰台を独占した宇都宮ブリッツェン photo:Satoru Kato敢闘賞はレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )敢闘賞はレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ ) photo:Satoru Kato

「全てチームのプラン通りに進んだ」と話す鈴木龍。「逃げを行かせて自分達でコントロールしていこうという作戦でした。もう少し人数が少なくて有力チームが入ってない逃げを行かせたかったのですが、リーダージャージの山本元喜選手や、キンテロ選手ら有力選手が逃げに入り、それでもコントロールの力が上回ることが出来たので勝てたと思っています。

今日はスプリントで勝つことを考えてレースをしましたが、明日はまた距離が長くなって(132km)違う展開になることは見えていますので、自分達に有利に進めていくことが重要なので、攻めるところは攻めて臨機応変に戦っていこうと思います」と、コメントした。
Jプロツアー第2戦 東日本ロードクラシックDay-2  結果(60km)
1位 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン) 1時間24分39秒
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4位 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
5位 横塚浩平(チーム右京)
6位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
敢闘賞  レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )
中間スプリント賞 山本大喜(キナンサイクリングチーム)

プロリーダージャージ 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダージャージ 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)



女子は樫木祥子が優勝

女子 リーダージャージの森本保乃花(ZERO)を先頭に行く集団女子 リーダージャージの森本保乃花(ZERO)を先頭に行く集団 photo:Satoru Kato女子 登り区間でアタックする樫木祥子(株式会社オーエンス)女子 登り区間でアタックする樫木祥子(株式会社オーエンス) photo:Satoru Kato

女子 樫木祥子(株式会社オーエンス)が優勝女子 樫木祥子(株式会社オーエンス)が優勝 photo:Satoru Kato
女子は12周72km。レース序盤から中盤にかけて、植竹海貴(Y's Road)が単独で先行。メイン集団は人数を減らしながらも、20秒前後の差を維持していく。植竹を吸収すると先頭集団は5名まで絞られてレース終盤へ。残り2周からは樫木祥子(株式会社オーエンス)が登りでアタックを繰り返し、最終周回に残ったのは樫木、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、大堀博美(MOPS)。最後はこの3名でのスプリント勝負となり、樫木が優勝した。

女子 表彰式女子 表彰式 photo:Satoru Kato
「久々のレースなので、周りの様子をみながら進めました」と言う樫木。「距離が長いし明日もレースがあるので、後半に動いて人数を絞っていければいいなと思っていました。私自身も抜け出せるほどパワーがないし、頑張ってみたけれどみんなついて来たので、スプリント力のある植竹さんは連れて行きたくないと思っていました。最後は大堀さんと唐見さんの3人になれたので、理想の形になりました。」とレースを振り返る。

チームイルミネートの女子チームに所属して海外レースに参戦する樫木だが、今年はチームの活動が休止されることになってしまったという。「そうなると出られるレースが無くなってしまうので、トレーニングも兼ねてJBCFのレースに出ることにしました。レースがない期間はずっと練習していました。逆にいつも以上に順調に練習出来ていて、レースが無い分余裕はありましたね。今日走ってみても余裕があって仕上がってる感じなのですが、今年はシーズンが短いのでこの調子が3ヶ月くらいは持って欲しいなと思ってます」
F(女子) 結果(72km)
1位 樫木祥子(株式会社オーエンス) 2時間8分20秒
2位 大堀博美(MOPS) +0秒
3位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)


その他レース

E1 及川一総(作新学院大学)が優勝E1 及川一総(作新学院大学)が優勝 photo:Satoru Kato
ユース 神村泰輝(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)が2日連続で優勝ユース 神村泰輝(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)が2日連続で優勝 photo:Satoru Katoマスターズ 序盤から逃げ切った松井大悟(イナーメ信濃山形-EFT)マスターズ 序盤から逃げ切った松井大悟(イナーメ信濃山形-EFT) photo:Satoru Kato

E1 結果(102km)
1位 及川一総(作新学院大学) 2時間36分23秒
2位 天野壮悠(VC VELOCE) +0秒
3位 雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)
4位 石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)
5位 小村悠樹(Kochel V.C. Sputnik)
6位 池川辰哉(VC VELOCE)
Jユースツアー 結果(72km)
1位 神村泰輝(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) 1時間53分51秒
2位 大城 奨(フィッツ) +0秒
3位 鈴木来人(ボンシャンスACA) +14秒
マスターズ 結果(60km)
1位 松井大悟(イナーメ信濃山形-EFT) 1時間34分10秒
2位 栗山和之(ALL OUT reric) +3分48秒
3位 石塚将人(湾岸サイクリング・ユナイテッド) +4分44秒

text&photo:Satoru Kato