4度ツール・ド・フランスを制したクリストファー・フルーム(イギリス)が、今年限りで11年間所属したチームイネオスを去る。チームが2021年の契約を行わない旨を発表した。



観客とハイタッチするクリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス)観客とハイタッチするクリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス) photo:Kei Tsuji
「チームと共に驚くべき10年間を過ごしてきた。(その中で)共に多くを成し遂げ、その思い出をずっと大切にしていきたいと思っている」7月9日にチームイネオスが発表したリリースの中で、来季別の道を歩みこととなったクリストファー・フルーム(イギリス)はそのように語っている。

「キャリアの中で新しいフェーズに入るというチャレンジに対してワクワクしている。しかしそれまでに、チームイネオスとして5度目のツール・ド・フランス制覇を遂げることが大きな目標だ」。35歳となったフルームは昨年クリテリウム・ドーフィネで重傷を負ったため、ツールはもちろんグランツール出場は2018年ツール以来2年ぶり。現時点で今ツールには昨年覇者エガン・ベルナル(コロンビア)、一昨年覇者ゲラント・トーマス(イギリス)とトリプルエース体制で臨むこととなる。

2017年ツールを制し、ブレイルスフォードGMと乾杯するクリストファー・フルーム(イギリス、当時チームスカイ)2017年ツールを制し、ブレイルスフォードGMと乾杯するクリストファー・フルーム(イギリス、当時チームスカイ) photo:Tim de Waele / TDWsport
チーム代表のデイブ・ブレイルスフォード卿はプレスリリースで「クリスとの契約は12月で終了し、契約更新しないことを決定した。この発表でここ最近の憶測に終止符を打ち、チームに今後のシーズンに焦点を当てる」とコメント。6月中旬頃から大手メディアがシーズン途中での移籍情報を報じたことで様々な憶測が飛び交っていたが、結果的に今日の発表に繋がった。

ブレイルスフォードは移籍の理由について、「クリスはチーム発足時から共に過ごしてきたメンバー。彼は素晴らしいチャンピオンであり、私たちは長年にわたりたくさんの思い出に残る瞬間を共有してきた。しかしこの判断はチーム、そしてクリスにとっても正しい決断だと思っている。クリスは彼のキャリアの次章で唯一のチームリーダーになることを望んでおり、これは我々チームが現時点で保証できるものではない。彼が移籍することで、彼が望むことが確実になる。それと同時に、チームイネオスの他の選手たちも、彼らが培ってきたリーダーシップを発揮する場所を求めている。今我々が取り組んでいることは、これから再始動するシーズンに備えること。私たちは皆、来月のレーススタートを心待ちにしている」とコメントしている。

フルームの移籍先は未だ発表されていないものの、イスラエル・スタートアップネイションやバーレーン・メリダといった豊富な資金力を誇るチームの名前が上がっている。移籍情報解禁日となる8月1日に何らかの発表があると思われる。

text:So.Isobe

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