中止されたオランダステージの代役は立てず、2020年ブエルタ・ア・エスパーニャは合計18ステージに。およそ50年ぶりのバスク地方での開幕となる見込みだ。



およそ50年ぶりのブエルタバスク開幕となる見込みおよそ50年ぶりのブエルタバスク開幕となる見込み photo:Kei Tsuji
2020年ブエルタの開幕ステージ。終盤にカテゴリー山岳が詰め込まれている2020年ブエルタの開幕ステージ。終盤にカテゴリー山岳が詰め込まれている ブエルタ・ア・エスパーニャ首脳陣の決断は早かった。ブエルタのオランダ開催キャンセルが決定された翌4月29日、主催者ウニプブリクは第1、第2、第3ステージをキャンセルとし、計18ステージで開催することを発表。自動的にバスクを舞台とする第4ステージ(イルン〜アラテ)での開幕となる。

「現時点、キャンセルとなったオランダの代替ステージを置き換えるのは非常に難しいことを受け入れる必要がある。現在の世界情勢に敏感でなければならない」と、ウニプブリク総合ディレクター、ハビエル・ギレン氏はプレスリリースの中でコメント。すでにブエルタ公式HPのステージリストも変更が行われた(日程は当初のまま)。

ブエルタのバスクスタートは、1961年のサンセバスティアン開幕以来ほぼ50年ぶりで、ブエルタのステージ数が21未満となるのは19ステージで開催された1985年以来35年ぶり。

新しい開幕ステージの後半は3級、3級、2級とカテゴリー山岳が連続し、最後は2級山岳山頂を超えた場所にフィニッシュラインが設けられている。予定通りレースが開催される場合、初日から登坂力に優れるパンチャーや総合陣による激しいマイヨロホ争いが展開されることになる。

ただしこれら決定はすべて、UCI(国際自転車競技連合)の了承を待たねばならない。UCIは29日に男女ワールドツアーカレンダーの発表を予定していたが、28日にフランスのエドゥアール・フィリップ首相が「大規模なスポーツイベントは9月までは開催できない」と発表したことで延期に。29日付のプレスリリースではプロサイクリング評議会(PCC)と会議と行い、5月5日(火)にそれらを踏まえた改定版カレンダーの発表を行う予定だとしている。8月29日開幕予定だったツール・ド・フランスも含め、ここで大きな指標が示される。

「自転車競技熱の高いバスク地方での開幕と思えば、この計画変更は非常にプラスの意味を持つ。何れにしてもこの前例の無い健康危機がすぐに沈静化し、我々のレースを含めて全ての人々が通常の状態に戻ることを願うばかり。2021年のブエルタが21ステージ+休息日という通常フォーマットに戻ることも含めて」とギレン氏は加えている。

text:So.Isobe

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