ブエルタ・ア・エスパーニャ主催者ウニプブリクがオランダ・ユトレヒトをスタートする予定だったブエルタの序盤のオランダ開催3ステージの実施を諦める決定をした。UCIの決めた新日程での調整がつかなかったことが理由だ。すでに2022年のオランダ開催実現の可能性を目指し調整段階に入ったという。

ブエルタ主催者ウニプブリクとブエルタ・オランダ(地元開催団体)調印の模様ブエルタ主催者ウニプブリクとブエルタ・オランダ(地元開催団体)調印の模様 (c)Unipublic
ブエルタ20のオランダスタート予定だった3ステージブエルタ20のオランダスタート予定だった3ステージ (c)Unipublic新型コロナ禍によるレース日程の変更が繰り返される。去る4月15日に発表されたUCIによる新カレンダー案によればツール・ド・フランスが8月29日〜9月20日開催、ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャはその後続いて開催するように調整する(ただし日程は未定)というものだったが、この度ウニプブリクとブエルタ・オランダ(地元開催団体)との話し合いの結果、今年のオランダでのスタートから3日間のステージがキャンセルとなった。オランダ開催は2022年の可能性を探るとして見送られることになった。

決定のキーポイント
・ブエルタ20(2020)のオランダスタート(ユトレヒトスタート、北ブラバント州で開催される3日間)はキャンセル。
・世界じゅうが影響を受けている新型コロナウィルスによるパンデミックによる状況に鑑み、ウニプブリクとブエルタ・オランダ(地元開催団体)による主催委員会はこの決定を下す。
・2つの団体(ウニプブリクとブエルタ・オランダ)はすでにブエルタの公式オランダスタートのプロジェクトを再開させるべく協議に入っている。可能性としては2022年開催を目指す。

(以下声明より)
ブエルタ20は今年オランダをスタートしないことを決めた。COVID-19による危機的な状況により、レース主催者およびブエルタ・オランダスタート主催組織委員会はオランダ・ユトレヒトおよび北ブラバント州でのブエルタのスタートをキャンセルぜざるを得ない。地元団体とウニプブリクはUCIによって4月15日に発表された2020年改定カレンダーに沿ってブエルタ・ア・エスパーニャの開催に向けて再調整に入っていたが、それによるオランダスタートの、両団体が望む新たな日程は見出すことができなかった。

オランダ発のブエルタ20は「盛大なる夏のフィエスタ(祭り)」としてデザインされていたもので、もともとの開催予定日でなければそのコンセプトの再現は難しく、イベントの趣旨などについて約束できるものではなくなる。それがキャンセルする理由だという。

地元主催団体のブエルタ・オランダのディレクター、マールティン・ファン・フルステイン氏は次のように語る。
「開催都市のユトレヒト、ブレダ、スヘルトーヘンボス、そして北ブラバント州にとっては大きな失望だ。もともとの日程の8月14・15・16日の週末には、素晴らしいお祭りが開催できるよう準備が進んでいた。日程の秋への変更をうけて、その可能性を探ってきたが、34の自治体における変更調整を行うこと、さらに秋には多くの工事の予定があることもあり、この新型コロナで会議もできない今の状況では調整できるめどが立たず、開催を断念するよりほかなかった」。

ユトレヒト市長ヤン・ファン・ツァネン氏は次のようにコメント。「スペインのフィエスタ(祭り)の開催を本当に楽しみにしていたが、この先の状況が読めないこのコロナ禍においてはまったく開催は難しいことになってしまい、残念でしかない。しかし健康が第一だ」

ウニプブリク総合ディレクター ハビエル・ギレン氏によれば、2022年に再びオランダスタートを実現させるべく地元団体ブエルタ・オランダとの話し合いに入っているが、2022年スタートは「最も近い将来での第1地候補年」であり、まだ何も確約できる状況では無いという。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2020ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 (c)Unipublic

text:Makoto.AYANO

最新ニュース(全ジャンル)