これまでと異なる、白熱した一騎打ちで勝負がついたデジタル・スイス5第4レース。序盤から逃げ続けたマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)を残り2kmで捉え、持ち前の巡行力で引き離したステファン・キュング(スイス、スイスナショナルチーム)が勝利した。



デジタル・スイス5 第4レースデジタル・スイス5 第4レース (c)VirtualTrainingこれまで実際のツール・ド・スイスのコースの一部を使っていたデジタル・スイス5の4日目は初となるオリジナルレイアウト。バーチャル上で距離36.8km/獲得標高444mを走る第4レースには、下り基調フィニッシュということもあってかスプリンターのアンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)も参戦した。

これまで序盤のアタックが勝敗を左右してきただけに、この日はマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)が9w/kgもの出力を叩き出してシクロクロス並みのホールショットを奪う。「今日は序盤に抜け出して差を維持できるか試してみた」というマシューズが単独先頭に立ったものの、その後方からはスプリンターらしい大パワーを出すグライペルが迫った。

スプリントでマシューズに追いつくアンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)スプリントでマシューズに追いつくアンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) マシューズに追いついたアンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)だったが、すぐに失速マシューズに追いついたアンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)だったが、すぐに失速


マシューズの独走に待ったをかけるべくグライペルが追いついたものの、重量級スプリンターらしく一瞬でバックアタック。見せ場を作った”ゴリラ”だったものの、顔をしかめながら後方へと消えていくことに。こうしてマシューズが再び独走態勢に持ち込んだ。

ルーク・ロウ(イギリス、チームイネオス)がメカ(通信?)トラブルで途中リタイアとなる中、そのチームメイトのイーサン・ヘイター(イギリス)が2番手。その後方にはここまで4レース中3レースに出場しているシルヴァン・ディリエ(アージェードゥーゼル・ラモンディアール)に、ミヒャエル・ゴグル(NTTプロサイクリング)、第2レース勝者ステファン・キュング(今回はスイスナショナルチームでの参戦)といった自国スイス勢が続く。するとこの中から、スイス放送局のスタジオでローラーを回すキュングが抜け出した。

残り2kmを切ってマシューズに追いついたステファン・キュング(スイス、スイスナショナルチーム)が振り切る残り2kmを切ってマシューズに追いついたステファン・キュング(スイス、スイスナショナルチーム)が振り切る
手に汗握る一騎打ちを制したステファン・キュング(スイス、スイスナショナルチーム)手に汗握る一騎打ちを制したステファン・キュング(スイス、スイスナショナルチーム) スイス公共放送局のスタジオでインタビューに答えるステファン・キュング(スイス、スイスナショナルチーム)スイス公共放送局のスタジオでインタビューに答えるステファン・キュング(スイス、スイスナショナルチーム)


TTスイス王者のキュングはヘイターを捉えて2番手に浮上し、逃げるマシューズを視界に捉えて追い上げる。コンスタントにより高い出力で踏むキュングは、遂に残り2kmでマシューズをキャッチ。ここからシッティングで踏むキュングとダンシングで凌ぐマシューズの一騎打ちが繰り広げられ、最後はビッグギアを回し続けたキュングが先着。ズイフトと違ってドラフティング機能の無いROUVY上で、TTスペシャリストがスプリンターを下すというバーチャルレースらしい幕引きとなった。

ここまでの3レースとは異なる激しい一騎打ちを制し、スタジオでガールフレンドが見守る中デジタル・スイス2勝目を飾ったキュング。「死ぬほどキツかった。マシューズ、良いバトルをありがとう」というメッセージを自身のSNSに投稿している。

デジタル・スイス5 第4レース
Text:So.Isobe

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