新型コロナウイルス(COVID-19)の影響はグランツールにも。3月13日、レース主催者RCSスポルトはプレスリリースを出し、5月9日にハンガリーのブダペストで開幕予定だったジロ・デ・イタリアの開催を延期することを発表した。新しい開催日程は4月3日以降に発表される。


ブダペストで開幕する第103回ジロ・デ・イタリアブダペストで開幕する第103回ジロ・デ・イタリア photo:Lounge Design
2018年のイスラエル開幕に続いて、ジロ史上14回目の海外スタートをハンガリーの首都ブダペストで迎える予定だった2020年の第103回大会の開催延期が正式に発表された。

ヨーロッパで拡大を続ける新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、RCSスポルトは5月9日に開幕する予定だったイタリア最大のレースを延期することに。プレスリリースによると、ハンガリー政府が大規模イベントの開催禁止を含めた非常事態宣言を出したことを受け、スケジュール通りの開催が不可能となった。3月12日の時点でハンガリー国内の新型コロナウイルス感染者は16人。なお、イタリア国内の感染者は1万5000人を超え、死者は1016人に達している。

2019年10月に発表されたコース全貌によると、当初はハンガリー国内で第3ステージまでをこなしてから選手たちは空路でイタリア南部のシチリア島に移動する予定だった。ハンガリー国内3ステージをキャンセルする代わりにイタリア国内で開幕を迎えるとの憶測も飛んだが、RCSスポルトは今後もハンガリーの大会組織委員会とともに新しい開催時期を模索していくとしている。

現在イタリアでは新型コロナウイルス感染拡大防止措置として、イベントの開催を禁止するとともに移動を制限する首相令(D.P.C.M)が出されており、RCSスポルトは3月に予定されていたストラーデビアンケやティレーノ〜アドリアティコ、ミラノ〜サンレモの開催を延期している。今後RCSスポルトはイタリア政府や地方自治体、国内外のスポーツ機関との協議を経て、首相令が解かれる4月3日以降に第103回ジロの新しい開催日程を発表予定。しかしすでに延期を発表しているレースとの開催時期の調整は難航すると見られる。

1909年に初開催されたジロ・デ・イタリア。これまで第一次世界大戦の影響で1915年から1918年までと、第二次世界大戦の影響で1941年から1945年までの2回中断しているが、1946年以降は毎年欠かさず開催されている。

text:Kei Tsuji