UAEツアー関係者6名が新たに新型コロナ陽性　伊レース開催にも影響

UAEツアー関係者の中から新たに6名が新型コロナウイルス（COVID-19）に感染していることが発覚。多くのチームはすでに帰国しているが、数チームは依然として宿泊ホテルに隔離状態にある。拡大する新型コロナウイルス感染はイタリア開催レースにも影響を与えそうだ。

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UAEツアー総合優勝に輝いたアダム・イェーツ（イギリス、ミッチェルトン・スコット） photo:LaPresse
UAEチームエミレーツのイタリア人チームスタッフ2名の新型コロナウイルス感染が発覚したことで、2日間前倒しで閉幕したUAEツアー。3月3日、新たに6名の新型コロナウイルス感染が発覚したことを主催者RCSスポルトが明らかにした。

プレスリリースによると、UAE（アラブ首長国連邦）のMoHAP（保健予防省）は声明の中で新たにロシア人2名、イタリア人2名、ドイツ人1名、コロンビア人1名の新型コロナウイルス感染が判明したことを明らかにした。これによりUAE国内の新型コロナウイルス感染者数は27名に。そのうち5名はすでに回復している。今回発表された感染者6名は前述のチームスタッフ2名の濃厚接触者とされ、現在はWHO（世界保健機関）の基準に基づく監視の中で治療を受け、安定した状態にある。

チームスタッフ2名の感染発覚以降、すべての選手と主催者、報道陣を含む大会関係者全員は宿泊先のヤス・ヴァイスロイ・アブダビホテルとヤスアイランド・アブダビ・クラウンプラザホテルの部屋に隔離された。新型コロナウイルス陰性が認められた関係者は、新城幸也（バーレーン・マクラーレン）を含めてすでに全員帰国している。

しかし、陰性が認められながらも自主的な検疫を行うUAEチームエミレーツを始め、クラウンプラザホテル4階に宿泊していたコフィディスとグルパマFDJ、ガスプロム・ルスヴェロの関係者は依然として隔離された状態が続いている。隔離6日目を迎えているが、まだ帰国の見通しは立っておらず、複数回の検査を受けている状態。外出が許されないため、長期間トレーニングをできていない選手たちの心身への影響も心配されている。

選手たちが宿泊していたホテルの一つ、ヤス・ヴァイスロイ・アブダビ photo:Kei Tsuji / TDWsport
また、イタリアの新型コロナウイルスの感染拡大が主催者RCSスポルトを悩ませている。イタリアのコリエーレ・デッラ・セーラ紙によると、3月3日の時点でイタリア国内の感染者は2,263名、死者は79名。特に同国北部での感染拡大が顕著であり、政府はロンバルディア州とヴェネト州、エミリア＝ロマーニャ州の大規模スポーツイベント開催を禁止している。

ストラーデビアンケ（3月7日）やティレーノ〜アドリアティコ（3月11日〜）、ミラノ〜サンレモ（3月21日）の開催も危ぶまれたが、ガゼッタ・デッロ・スポルト紙は主催者RCSスポルトが予定通り3レースを開催予定であると伝えている。しかし、EFプロサイクリングは3レースへの出場辞退をUCI（国際自転車競技連盟）とRCSスポルトに伝えるなど、出場チームが減少する可能性も。いまだに収束の気配を見せない新型コロナウイルス感染拡大は春のクラシックシーズンに影響を与えそうだ。

text:Kei Tsuji