ツール・ド・台湾の第2ステージ118.88kmのレースが行われ、終盤に抜け出したセントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチームのライアン・カバナが優勝。中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)が3位、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が5位に入った。


地元チームのチャイニーズタイペイのチームプレゼンテーションに多くの観客が集まる地元チームのチャイニーズタイペイのチームプレゼンテーションに多くの観客が集まる photo:Satoru KatoNIPPO・デルコ・プロヴァンスの岡篤志が古巣のメンバーと談笑NIPPO・デルコ・プロヴァンスの岡篤志が古巣のメンバーと談笑 photo:Satoru Kato

桃園市役所前をパレードスタート桃園市役所前をパレードスタート photo:Satoru Kato
ツール・ド・台湾2日目は、台北市に近い桃園市でのステージ。桃園市役所前をスタートし、海岸に近い平坦道路を走ったのち、2級山岳ふたつをクリアして1級山岳に指定される角坂山公園にフィニッシュする。登りの距離はそれほど長くなく、単独逃げ切りとはなりづらいコースだ。

夏物で十分だった第1ステージから一転、秋冬物が必要な寒さを感じるほどになった。日中は晴れて暖かくなったものの、それでも長袖の上着を着ていてちょうど良いくらいだ。

台湾らしい街並みの中を行く集団台湾らしい街並みの中を行く集団 photo:Sonoko TANAKA
風が強い1日。風力発電のプロペラを背に進む集団風が強い1日。風力発電のプロペラを背に進む集団 photo:Sonoko TANAKA
先行する2名に4名が合流した先頭集団先行する2名に4名が合流した先頭集団 photo:Sonoko TANAKAリーダーチームのエレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリングが集団を牽引リーダーチームのエレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリングが集団を牽引 photo:Sonoko TANAKA

リアルスタート後、ムハンマド・アミン・モハドザリフ(マレーシア、チームサプラ・サイクリング)、クリストファー・ハッツ(イギリス、リンコウ・アドヴァリクス・サイクリングチーム)の2人の逃げが容認される。30kmを経過する頃にはメイン集団との差は5分近くまで広がる一方、ジャマル・ヒバチュラー(インドネシア、PGNロードサイクリングチーム)、レイナード・バトラー(南アフリカ、プロタッチ)、オレクサンドル・ポリボダ(ウクライナ、SSOISミオジ・サイクリングチーム)、フロリアン・デュモリエ(フランス、カンボジアサイクリングアカデミー)の4名が追走集団を形成。残り50km付近で先行する2人に追いつき、6名の先頭集団が形成される。

メイン集団は、リーダージャージを着るエリック・ヤンのエレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリングが牽引。2分差まで詰めてコース後半の登り区間に入っていく。

登り区間でペースアップしたメイン集団が先行する選手を飲み込んで行く登り区間でペースアップしたメイン集団が先行する選手を飲み込んで行く photo:Sonoko TANAKA
登り区間に入った先頭集団では山岳賞をめぐる争いが勃発し、6名の協調が崩れていく。最初の2級山岳はデュモリエが先頭通過、続く2回目の2級山岳はポリボダが先頭通過。その間に差を詰めてきたメイン集団が2回目の2級山岳通過後に先行するメンバーを全て吸収する。

単独先頭でフィニッシュラインに姿を現したライアン・カバナ(セントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチーム)単独先頭でフィニッシュラインに姿を現したライアン・カバナ(セントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチーム) photo:Satoru Kato2位フェン・チュン・カイ(チャイニーズタイペイ)2位フェン・チュン・カイ(チャイニーズタイペイ) photo:Satoru Kato

3位中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)は悔しさを露わにしてフィニッシュ3位中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)は悔しさを露わにしてフィニッシュ photo:Satoru Kato
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は5位増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は5位 photo:Satoru Kato
残り20kmを切り、各チームのエース級選手がアタックを繰り出すが、どれも決定打とならない。残り2km付近に差しかかり、ライアン・カバナ(セントジョージ・コンチネンタルサイクリングチーム)がアタック。遅れながらもフェン・チュン・カイ(チャイニーズタイペイ)と、中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)が追走するが届かず、カバナが先頭のままフィニッシュした。フェンと競り合った中根が3位に入り、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が5位に入った。この結果、個人総合順位も入れ替わり、第2ステージ上位3名が個人総合上位3位までを占めた。

第2ステージ優勝のライアン・カバナ(セントジョージ・コンチネンタルサイクリングチーム)が総合首位に、2位のフェン・チュン・カイ(チャイニーズタイペイ)がアジアンリーダーになった第2ステージ優勝のライアン・カバナ(セントジョージ・コンチネンタルサイクリングチーム)が総合首位に、2位のフェン・チュン・カイ(チャイニーズタイペイ)がアジアンリーダーになった photo:Satoru Kato
明日の第3ステージも1級山岳と2級山岳がひとつずつ設定される山岳コース。秒差の総合優勝争いが再び動くのか?注目したい。
ツール・ド・台湾 第2ステージ 結果(118.88km)
1位 ライアン・カバナ(オーストラリア、セントジョージ・プロサイクリングチーム) 2時間50分26秒
2位 フェン・チュン・カイ(台湾、チャイニーズタイペイ) +7秒
3位 中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)
4位 ジョージ・シンプソン(アメリカ、エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング) +12秒
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6位 ロマン・マイキン(RUS、カンボジア・サイクリング・アカデミー)
個人総合時間順位(第2ステージ終了時)
1位 ライアン・カバナ(オーストラリア、セントジョージ・プロサイクリングチーム) 4時間28分15秒
2位 フェン・チュン・カイ(台湾、チャイニーズタイペイ) +11秒
3位 中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス) +13秒
4位 ベンジャミン・ヒル(チームブリッジレーン) +17秒
5位 ジョージ・シンプソン(アメリカ、エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング) +19秒
6位 ロビー・ハッカー(オーストラリア、チーム右京) +20秒
ポイント賞(第2ステージ終了時)
1位 サミュエル・バセッティ(アメリカ、エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング) 21p
2位 エリック・ヤング(アメリカ、エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング) 15p
3位 エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス) 14p
山岳賞(第3ステージ終了時)
1位 ライアン・カバナ(オーストラリア、セントジョージ・プロサイクリングチーム) 15p
2位 オレクサンドル・ポリボダ(ウクライナ、SSOISミオジ・サイクリングチーム) 15p
3位 フロリアン・デュモリエ(フランス、カンボジアサイクリングチーム) 15p
チーム総合成績(第2ステージ終了時)
1位 セントジョージ・コンチネンタルサイクリングチーム 13時間25分39秒
2位 チーム右京 +12秒
3位 ブルゴスBH
text:Satoru Kato
photo:Sonoko TANAKA, Satoru Kato

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