スペインのバレンシア地方で開催された5日間のステージレース「ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ」。鮮烈な登坂力で区間2勝を挙げたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が総合優勝を射止めた。



第1ステージ ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が集団スプリントを制す第1ステージ ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が集団スプリントを制す (c)CorVos
2月5日(水)から2月9日(日)までの5日間スペイン・バレンシア地方で開催された「ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)」は、各チームのウインターキャンプ地としても知られる当地方を舞台にした、厳しい山岳込みのステージレース。今年は個人TTが無くなったものの、平坦ステージ3、登坂フィニッシュ1、1級山岳フィニッシュ1というバランスの取れたステージ構成は変わらない。

それゆえ12のワールドチームを筆頭に、7のプロコンチネンタルチーム、2の地元コンチネンタルチームからは、クライマーからスプリンターまでバリエーションに富んだ選手たちが出場。アレハンドロ・バルベルデやマルク・ソレル(共にスペイン、モビスター)などマヨルカからの連戦組のほか、ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、チームイネオス)、ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン)、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)、ジャンニ・モスコン(イタリア、チームイネオス)といったビッグネームが新シーズン幕開けの舞台に選んだ。

第2ステージ リーダージャージのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)第2ステージ リーダージャージのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos第2ステージ バルベルデを捉えたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が仕掛ける第2ステージ バルベルデを捉えたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が仕掛ける (c)CorVos

第2ステージ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が登りフィニッシュで勝利第2ステージ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が登りフィニッシュで勝利 (c)CorVos
オープニングステージでは集団スプリントでクリストフやヤコブセンを下したフルーネウェーヘンが幸先好く1勝目。続く第2ステージでは海抜0mからバレアス海に突き出した標高181mのクリェラ岬を目指す登りフィニッシュが用意され、クライマーやパンチャーが短時間高強度の戦いを繰り広げた。

チームイネオスが先導するメイン集団からはヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が先行し、カウンターアタックで発進したモスコンもバルベルデによって捉えられ、続けざまにスプリントを開始したポガチャルが優勝。39歳のバルベルデを撃ち落とした21歳ポガチャルが、今季初勝利を飾るとともに総合首位に立った。

第3ステージ ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が区間2勝目第3ステージ ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が区間2勝目 (c)CorVos
中盤に2級山岳を越える第3ステージは集団スプリントで決着し、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・マクラーレン)の背後からスプリントしたフルーネウェーヘンが再びヤコブセンを抑え2勝目。ボーナスタイムが設定されないバレンシアナでは総合同タイムの場合ステージ成績で総合順位がつけられるため、前日にポガチャルと同タイムフィニッシュし、なおかつステージ12位(ポガチャルは18位)でフィニッシュしたジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が総合首位浮上に成功している。

第4ステージ 残り3km地点で仕掛けたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が独走に持ち込む第4ステージ 残り3km地点で仕掛けたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が独走に持ち込む (c)CorVos第4ステージ ポガチャルを追走するダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)ら第4ステージ ポガチャルを追走するダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)ら (c)CorVos

第4ステージ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が1級山岳フィニッシュを制す第4ステージ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が1級山岳フィニッシュを制す (c)CorVos
しかしヘイグのリーダージャージ着用はたった1日に留まった。石灰岩で作られた内陸の山岳地帯を駆け巡り、最後は急勾配の1級山岳シエラ・ベルニア(距離5.1km/平均勾配12%)を目指すフィニッシュでポガチャルが飛ぶように走る。ヤングライダー賞ジャージを着るポガチャルは序盤から逃げたファンアーヴェルマートを残り3kmで吸収すると共にアタックし、プールスやテイオ・ゲイガンハート(イギリス、チームイネオス)、ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)、そしてリーダージャージのヘイグを6秒上回って区間2勝目。翌日が平坦ステージであるため、ボーナスタイムの無いバレンシアナの総合優勝に王手をかけた。

バレンシア市街地にフィニッシュする最終日は大会3度目の集団スプリントに持ち込まれ、絶好のポジションから加速したオランダ王者のヤコブセンがフルーネヴェーヘンを退けて初優勝。集団前方でフィニッシュしたポガチャルがバレンシアナの第71代総合覇者に輝いた。

第5ステージ ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)がフルーネヴェーヘンを下して勝利第5ステージ ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)がフルーネヴェーヘンを下して勝利 (c)CorVos
今季初ステージレースで区間2勝と総合優勝を納めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)今季初ステージレースで区間2勝と総合優勝を納めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos
「冬に厳しいトレーニングを重ねてきてから総合優勝には大きい意味がある。シーズン初レースで勝利できるなんて信じられない気分だ。まだシーズン序盤なので去年のブエルタほどではないものの、今身体は良い状態だ」と言うポガチャル。今シーズンは初のツール・ド・フランス出場を予定しており、その準備レースとしてチームスポンサーのアラブ首長国連邦で開催されるUAEツアーを重要視するという。

総合トップ8がタイム差1分以内にひしめき合う接戦で、山岳で粘りを見せたヘイグが2位、ゲイガンハートが3位。得意としている春先のスペインレースでまだ勝利の無いバルベルデは例年通り地元ムルシアで開催されるワンデーレース「ブエルタ・シクリスタ・ア・ラ・レジオン・デ・ムルシア」に出場予定だ。
2月5日(水)第1ステージ カステリョ・デ・ラ・プラナ〜ビラ・レアル(180km)
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 4:07:40
2位 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
4位 ベン・スウィフト(イギリス、チームイネオス)
5位 フアンホセ・ロバト(スペイン、フンダシオン・オルベア)
2月6日(木)第2ステージ トレント〜クリェラ(181km)
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 4:14:26
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン)
4位 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)
5位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
2月7日(金)第3ステージ オリウェラ〜トレビエハ(174.5km)
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 3:54:16
2位 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・マクラーレン)
4位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)
5位 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
2月8日(土)第4ステージ カルペ〜アルテア(167km)
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 4:22:03
2位 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン) 0:06
3位 テイオ・ゲイガンハート(イギリス、チームイネオス)
4位 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)
5位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
2月9日(日)第5ステージ パテルナ〜ヴァレンシア(97.7km)
1位 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) 2:04:32
2位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
3位 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)
4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
5位 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン)
個人総合成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 18:43:00
2位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 0:06
3位 テイオ・ゲイガンハート(イギリス、チームイネオス)
4位 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) 0:13
5位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン) 0:23
text:So.Isobe
photo:CorVos

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