男子レースに先立って行われたウィメンズ・ツアー・ダウンアンダー第4ステージでシモーナ・フラッポルティ(イタリア、ビーピンク)が優勝。ミッチェルトン・スコットやサンウェブの攻撃を押さえ込んだルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)が総合優勝に輝いた。


リーダージャージを着て周回を重ねるルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)リーダージャージを着て周回を重ねるルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
リーダージャージを着て最終日を迎えたルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)リーダージャージを着て最終日を迎えたルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji午後4時45分、まずは女子レースの最終ステージがスタート午後4時45分、まずは女子レースの最終ステージがスタート photo:Kei Tsuji

ウィメンズ・ツアー・ダウンアンダー2020第4ステージウィメンズ・ツアー・ダウンアンダー2020第4ステージ photo:Santos Women's Tour Down Under男子レースのシュワルベクラシックに先立ち、同じフリンダース通りの市街地周回コースで行われたウィメンズ・ツアー・ダウンアンダー最終ステージ。

前日の第3ステージを終えた時点で、総合1位ルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)から総合2位リアン・リペット(ドイツ、サンウェブ)と総合3位アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)までタイム差は7秒。それぞれ1位3秒、2位2秒、3位1秒のボーナスタイムが与えられる中間スプリントが6周ごとに登場し、さらにフィニッシュ地点では1位10秒、2位6秒、2位4秒のボーナスタイムが設定。つまり、計算上は最大で19秒のボーナスタイム獲得が可能となる。

まだ総合の行方がわからない僅差の状態で迎えた最終ステージは午後4時45分という遅めのスタート。ボーナスタイムを狙うビッグチームがメイン集団をコントロールしたため逃げグループは形成されず、1回目の中間スプリントでは総合2位リペットが3秒獲得に成功する。2回目の中間スプリントも集団のまま突入し、総合3位スプラットが2秒、総合1位ウィンダーが1秒を稼ぎ出した。

チームメイトにリードアウトされて中間スプリントに向かうルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)チームメイトにリードアウトされて中間スプリントに向かうルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
ステージ優勝候補の筆頭、クロエ・ホスキング(オーストラリア、ラリーサイクリング)ステージ優勝候補の筆頭、クロエ・ホスキング(オーストラリア、ラリーサイクリング) photo:Kei Tsuji
総合2位のリアン・リペット(ドイツ、サンウェブ)が1回目の中間スプリントを先頭通過総合2位のリアン・リペット(ドイツ、サンウェブ)が1回目の中間スプリントを先頭通過 photo:Kei Tsuji
2回目の中間スプリントに向けてポジションを上げるアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)2回目の中間スプリントに向けてポジションを上げるアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji
2回目の中間スプリントを総合3位アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が2番手通過2回目の中間スプリントを総合3位アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が2番手通過 photo:Kei Tsuji

ブローディー・チャプマン(オーストラリア、FDJ)らのアタックをきっかけに12名の逃げグループが15周目に形成されたところでレースは一旦落ち着いたが、総合7位/34秒遅れのローレン・スティーブンス(アメリカ、ティブコSVB)が逃げに乗ったためメイン集団はペースを落とさない。トレック・セガフレードやミッチェルトン・スコットの集団牽引によってタイム差は30秒以内におさまった。

トラック世界選手権の団体追い抜きとオムニアムで合計4つのメダルを獲得しているラシュリー・ブキャナン(ニュージーランド、ニュージーランドナショナル)が独走に持ち込む展開となったが、最後は12名の逃げグループによるスプリントに。2020年にアンドローニジョカトリからヴィーニザブKTMに移籍したマルコ・フラッポルティ(イタリア)の妹であるシモーナ・フラッポルティ(イタリア、ビーピンク)が先着した。

独走に持ち込むラシュリー・ブキャナン(ニュージーランド、ニュージーランドナショナル)独走に持ち込むラシュリー・ブキャナン(ニュージーランド、ニュージーランドナショナル) photo:Kei Tsuji
ミッチェルトン・スコットが率いるメイン集団ミッチェルトン・スコットが率いるメイン集団 photo:Kei Tsuji
逃げグループ内のスプリントでシモーナ・フラッポルティ(イタリア、ビーピンク)が勝利逃げグループ内のスプリントでシモーナ・フラッポルティ(イタリア、ビーピンク)が勝利 photo:Kei Tsuji
総合優勝を喜ぶルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)総合優勝を喜ぶルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
逃げ切った12名から遅れること10秒でメイン集団がフィニッシュ。逃げグループがボーナスタイムを消化したため、最終的にウィンダーがリペットに5秒差、スプラットに6秒差をつけて総合優勝した。

「ダウンアンダーで総合優勝するなんて」と、ミッチェルトン・スコットの大会5連覇にストップをかけ、シーズン開幕戦を制したアメリカナショナルチャンピオンは語る。「今日はサンウェブとミッチェルトン・スコットのプレッシャーは大きく、彼女たちの攻撃を押さえ込むことができて本当によかった。昨日のステージ優勝の余韻が残る中での総合優勝。個人競技と言われるロードレースだけどこの勝利は完全にチームワークの賜物だった」。

総合2位に甘んじたリペットは山岳賞とヤングライダー賞を獲得。さらにチームメイトのリア・キルシュマン(カナダ)がポイント賞を獲得するなど、チーム総合成績トップのサンウェブの力が光る大会でもあった。

最終ステージを制したシモーナ・フラッポルティ(イタリア、ビーピンク)最終ステージを制したシモーナ・フラッポルティ(イタリア、ビーピンク) photo:Kei Tsujiヤングライダー賞を獲得したリアン・リペット(ドイツ、サンウェブ)ヤングライダー賞を獲得したリアン・リペット(ドイツ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji
ポイント賞を獲得したリア・キルシュマン(カナダ、サンウェブ)ポイント賞を獲得したリア・キルシュマン(カナダ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji山岳賞を獲得したリアン・リペット(ドイツ、サンウェブ)山岳賞を獲得したリアン・リペット(ドイツ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji
チーム総合成績トップに立ったサンウェブチーム総合成績トップに立ったサンウェブ photo:Kei Tsuji
総合優勝に輝いたルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)総合優勝に輝いたルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
ウィメンズ・ツアー・ダウンアンダー2020第4ステージ結果
1位 シモーナ・フラッポルティ(イタリア、ビーピンク) 0:58:32
2位 ローレン・スティーブンス(アメリカ、ティブコSVB)
3位 ラシュリー・ブキャナン(ニュージーランド、ニュージーランドナショナル)
4位 リーアン・ガンザー(アメリカ、ラリーサイクリング)
5位 ジェイム・ガンニング(オーストラリア、スペシャライズド・ウィメンズ)
6位 カティア・ラグーザ(イタリア、アスタナ)
7位 ブローディー・チャプマン(オーストラリア、FDJ)
8位 ジェシカ・プラット(オーストラリア、キャニオン・スラム)
9位 ジョージャ・ウィリアムズ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
10位 タティアナ・グデルツォ(イタリア、アレBTCリュブリャナ)
個人総合成績
1位 ルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) 10:11:07
2位 リアン・リペット(ドイツ、サンウェブ) 0:00:05
3位 アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 0:00:06
4位 ローレン・スティーブンス(アメリカ、ティブコSVB) 0:00:17
5位 クロエ・ホスキング(オーストラリア、ラリーサイクリング) 0:00:30
6位 リア・キルシュマン(カナダ、サンウェブ) 0:00:32
7位 アンドレア・ラミレス(メキシコ、アゴリコBMC) 0:00:33
8位 カティア・ラグーザ(イタリア、アスタナ) 0:00:34
9位 ジェシカ・プラット(オーストラリア、キャニオン・スラム)
10位 ペタ・ミュレンス(オーストラリア、ロックスソルト・アタッカー) 0:00:35
その他の特別賞
ポイント賞 リア・キルシュマン(カナダ、サンウェブ)
山岳賞 リアン・リペット(ドイツ、サンウェブ)
ヤングライダー賞 リアン・リペット(ドイツ、サンウェブ)
チーム総合成績 サンウェブ
photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia

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