ブリュッセル自由大学のキャンパスを利用したDVVフェルゼクリンゲン・トロフェー第7戦で、この日もアルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルポールとセイリン・デルカルメンアルバラードが勝利。男子U23レースに参加した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)はマイナス2ラップの39位だった。



序盤、先頭グループで展開するマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)やジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ)序盤、先頭グループで展開するマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)やジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ) (c)CorVos
クリスマスから続いた年末年始の過密レーススケジュールも最終盤。新年最初の日曜日に開催されたDVVフェルゼクリンゲン・トロフェー第7戦の舞台は、昨シーズン初登場したブリュッセル自由大学。1834年に設立された歴史ある名門校のキャンパス内に敷設されたコースは、2001年、2006年、2007年のシクロクロス世界チャンピオンであるエルウィン・フェルヴェッケン(ベルギー)の監修によってキャンバーを多用した、担ぎの多いテクニカルコースに生まれ変わった。

男子レースを圧倒したのはこの日も世界王者のマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)だった。序盤こそ「ペースがかなり速かったのでまだ自分で仕掛けるべきではないと思っていた」と静観していたが、2周目からペースアップを開始する。途中ネットに引っかかって前転したことで後続グループと合流したものの、少々時間を置いて再び攻撃に打って出る。

乗り降りの多いコースで独走するマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)乗り降りの多いコースで独走するマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス) (c)CorVos
2位グループで展開するエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)2位グループで展開するエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) (c)CorVos3位に入ったコルヌ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・シクロクロスチーム)3位に入ったコルヌ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・シクロクロスチーム) (c)CorVos

ハイタッチしながらフィニッシュするマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)ハイタッチしながらフィニッシュするマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス) (c)CorVos
2位エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、1位マチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)、3位コルヌ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・シクロクロスチーム)2位エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、1位マチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)、3位コルヌ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・シクロクロスチーム) (c)CorVos
担ぎや細かな切り返しが連続するコースですぐさまリードを稼ぎ出し、「マチューがアタックしてからは2位狙いに切り替えた」と言うマイケル・ファントーレンハウトやエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、「(新チームとなったことで乗り換えた)新しいバイクのハンドリングに慣れていなかったのでミスしてしまった」というコルヌ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・シクロクロスチーム)が2番手争いを繰り広げた。

ベルギー王者トーン・アールツ(テレネット・バロワーズ)不在のレースで、安定した走りを続けたファンデルポールが圧勝。元旦開催のGPスヴェンネイス、前日のシクロクロス・グルレーゲムに続く2020年負けなしの3連勝を飾った。激しい2番手争いでは最終周回にファントーレンハウトが遅れ、登りでアタックしたイゼルビッドが2位。コルヌ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・シクロクロスチーム)が3位に入っている。



2020年負け無しの3勝目を掴んだセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)2020年負け無しの3勝目を掴んだセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) (c)CorVos
徐々にコンディションを上げつつあるサンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)は3位徐々にコンディションを上げつつあるサンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)は3位 (c)CorVos
41名が出場した女子レースでは、1周目から現在シクロクロス界を席巻しているセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)とアンマリー・ワースト(オランダ、777)が先行。3番手パックでは徐々にコンディションを上げつつある世界王者サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)と21歳のアンナ・カイ(イギリス、エクスペルサ・プロCX)が続いた。

アルバラードとワーストは違いに激しくアタックを繰り返しながらも決定打にはつながらず、肩を並べながら最終周回へ。すると階段のような下り区間でバランスを崩したワーストが落車し、その間にリードを築いたアルバラードがフィニッシュへ。ファンデルポールと同じアルペシン・フェニックスに所属するアルバラードも2020年負け無しの3連勝を飾った。

花束を受け取ったセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)花束を受け取ったセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) (c)CorVos
また、男子U23レースに参加した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は、序盤の混戦に巻き込まれて遅れ、先頭からマイナス2ラップの39位で終える結果に。「まさかの最前列スタート。スタート後ゴタゴタしてしまい一気に後ろまで下がってしまいました。コースは苦手盛り合わせでセクションセクションで遅れてしまいマイナス2ラップ。今日でレースウィークは終了。少し休んでトレーニングします。たくさんの応援、サポートありがとうございました」と自身のSNSに語っている。
男子エリート結果
1位 マチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス) 1:01:23
2位 エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) 0:30
3位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・シクロクロスチーム) 0:38
4位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) 0:42
5位 イェンス・アダムス(ベルギー、ハレビークフーヴ/アダムススポーツコーチング) 1:29
6位 トム・メーウセン(ベルギー、グループヘンス・マースコンテナーズ) 1:43
7位 ティム・メルリエ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ) 1:56
8位 ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ) 2:05
9位 ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ) 2:16
10位 ヴィンセント・バスタンス(ベルギー、グループヘンス・マースコンテナーズ) 2:46
女子レース結果
1位 セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) 44:10
2位 アンマリー・ワースト(オランダ、777) 0:09
3位 サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン) 1:12
4位 アンナ・カイ(イギリス、エクスペルサ・プロCX) 1:21
5位 キャサリン・コンプトン(アメリカ、トレック・ナイトコンポジット) 1:35
6位 マノン・バッカー(オランダ、エクスペルサ・プロCX) 2:21
7位 マリオン・ノーブルリブロール(フランス、エクスペルサ・プロCX) 2:31
8位 エヴァ・リヒナー(イタリア、クレアフィン・フリスタッズ) 2:38
9位 エレン・ファンロイ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) 2:41
10位 アリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777) 3:02
男子U23結果
1位 ライアン・カンプ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) 56:32
2位 アントワン・ブノワ(フランス、アルペシン・フェニックス) 0:09
3位 ティモ・キーリッヒ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ) 0:22
39位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) LAP
text:So.Isobe
photo:CorVos