2019年の国内レースシーンを全3回で振り返る「2019年プレーバック 国内レース編」。初回は、オールイス・アルベルト・アウラールと岡篤志が最終戦までタイトルを争ったJプロツアーの総集編。個人総合優勝したアウラールのコメントと併せて振り返る。



2019年Jプロツアー出場チームの選手が勢ぞろいしたプレスカンファレンス2019年Jプロツアー出場チームの選手が勢ぞろいしたプレスカンファレンス photo:Satoru Kato
新たなリーダージャージと総合優勝トロフィー新たなリーダージャージと総合優勝トロフィー photo:Satoru Kato新リーグは2021年スタート(写真左から、栗村修・JBCF戦略室長、片山右京JBCF理事長、増田成幸(宇都宮ブリッツェン))新リーグは2021年スタート(写真左から、栗村修・JBCF戦略室長、片山右京JBCF理事長、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)) photo:Satoru Kato

2019年3月、Jプロツアー開幕前に行われたプレスカンファレンスで、今年から新しくなるリーダージャージと、個人総合優勝者に贈られるトロフィーがお披露目された。あわせて、2021年にスタートする新リーグ構想が発表された。Jプロツアーを主催するJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)理事長の片山右京氏は、新リーグスタートに向けて2019年をキックオフの年と位置づけ、「世界への道筋となることを目指す」と宣言。競技レベルの向上のみならず、運営面においても国内最高峰を目指しての新たなシーズンがスタートした。


マトリックスパワータグ3連勝で開幕ダッシュ

新しいデザインとなったゲートから開幕戦スタート新しいデザインとなったゲートから開幕戦スタート photo:Satoru.Kato
3月16日、2020年東京オリンピックの会場となる日本サイクルスポーツセンターで行われた開幕第1戦は、3年ぶりにJプロツアーに復帰したチーム右京とマトリックスパワータグ(以下マトリックス)がレースをリード。終盤、チーム右京の2人と、マトリックスパワータグがベネズエラから招聘した新人・オールイス・アルベルト・アウラールの3人が抜け出す。2対1の不利な状況にもかかわらず、スプリントでチーム右京の2人を振り切ったアウラールが開幕戦優勝。早速その実力の片鱗を見せた。

オールイス・アルベルトがJプロツアー開幕戦を制するオールイス・アルベルトがJプロツアー開幕戦を制する photo:Satoru.Kato
第2戦 アイラン・フェルナンデスを引き連れてフィニッシュを目指すフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)第2戦 アイラン・フェルナンデスを引き連れてフィニッシュを目指すフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
翌日の第2戦は、初日の倍の距離となる120kmのレース。ここでは2018年シーズン終盤からマトリックスに加入したフランシスコ・マンセボがレースを動かした。序盤のアタック合戦に自ら参戦し、レース中盤に形成された逃げ集団からアイラン・フェルナンデス・カサソラと共に飛び出すと、食らいついたチーム右京の吉岡直哉を振り切って1-2フィニッシュ。マトリックスが開幕2連勝を決めた。

第3戦 序盤にヴィクトワール広島が見せた集団をコントロール第3戦 序盤にヴィクトワール広島が見せた集団をコントロール photo:Satoru Kato第3戦 レース中盤のチームブリヂストンサイクリングの牽引がレースの流れを変えた第3戦 レース中盤のチームブリヂストンサイクリングの牽引がレースの流れを変えた photo:Satoru Kato

第3戦 最終周回 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)と岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の2人に絞られる第3戦 最終周回 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)と岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の2人に絞られる photo:Satoru Kato
4月、第3戦「西日本ロードクラシック広島大会」は、今年のJプロツアーの行方を暗示するレースとなった。広島県中央森林公園の1周12.3kmのコースを12周147.6kmで行われたレースは、中盤に形成された10人ほどの逃げ集団をチームブリヂストンサイクリング(以下ブリヂストン)が追走。再構成された逃げ集団から、アウラールと岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の2人が抜け出した。最終周回、広島の勝負所「三段坂」で岡を振り切ったアウラールは、早くもJプロツアー2勝目。マトリックスは開幕3連勝で幸先の良いシーズンスタートを切った。

レース後、「勝てない相手ではない」と手応えを語った岡は、アウラールと共に2019年のJプロツアーをリードしていくことになった。また、このレースを動かしたブリヂストンが、マトリックス、宇都宮ブリッツェンと並ぶ3大勢力として台頭。チーム総合優勝争いを繰り広げていく。


4月-6月 今村駿介と中井唯晶の初優勝・小野寺玲の連覇・ブリヂストン連勝

4月末の群馬サイクルスポーツセンター 桜は満開手前4月末の群馬サイクルスポーツセンター 桜は満開手前 photo:Satoru Kato
第4戦 写真判定になるほど僅差の勝負は岡篤志が優勝第4戦 写真判定になるほど僅差の勝負は岡篤志が優勝 photo:©️JBCF第4戦 プロリーダージャージは岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、ネクストリーダージャージは沢田桂太郎(チームチームブリヂストンサイクリング)第4戦 プロリーダージャージは岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、ネクストリーダージャージは沢田桂太郎(チームチームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato

平成最後のレースとなった第4戦「東日本ロードクラシック群馬大会」は、マンセボとアウラールが海外遠征のため不在となり、落ち着いたレース展開に。僅差の集団スプリントに持ち込まれた勝負は、ブリヂストンの「トラック班」が組んだスプリント列車を押しのけた岡が今シーズン初優勝。リーダージャージを着用した。

第5戦 今村駿介(チームチームブリヂストンサイクリング)がJプロツアー初優勝第5戦 今村駿介(チームチームブリヂストンサイクリング)がJプロツアー初優勝 photo:Satoru Kato
第6戦 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が宇都宮クリテリウム2連覇第6戦 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が宇都宮クリテリウム2連覇 Photo:Satoru Kato5月、令和最初のレースは宇都宮市での2連戦。ジャパンカップの会場でもおなじみ宇都宮森林公園で行われた第5戦「宇都宮ロードレース」は、岡泰誠・篤志の兄弟エスケープを吸収したのち抜け出した6人のスプリント勝負となり、ブリヂストンの今村駿介がJプロツアー初優勝。窪木一茂が2位となってブリヂストンの1-2フィニッシュとなった。

翌日の第6戦「宇都宮クリテリウム」では、地元レースに大挙して集まったブリッツェン・サポーターの前で、小野寺玲が前年に続く連覇。新作の「オノデライダーポーズ」も飛び出した。

第7戦 中井唯晶(シマノレーシング)がJプロツアー初優勝第7戦 中井唯晶(シマノレーシング)がJプロツアー初優勝 photo:Satoru Kato
第8戦 チームブリヂストンサイクリング今季2度目の1-2フィニッシュ第8戦 チームブリヂストンサイクリング今季2度目の1-2フィニッシュ photo:Satoru Kato第9戦 3人のスプリント勝負を制した窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が優勝第9戦 3人のスプリント勝負を制した窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が優勝 photo:Satoru Kato

6月、第7戦「那須塩原クリテリウム」では、シマノレーシング加入1年目の中井唯晶がアウラールらを下して初優勝。翌日の第8戦「やいた片岡ロードレース」では、宇都宮ロードレースで初優勝したばかりの今村駿介が2勝目を挙げ、2位に窪木一茂が入ってブリヂストンが2度目の1-2フィニッシュを達成した。

窪木は、翌週の第9戦「群馬CSC交流戦6月大会」で優勝。石橋学が強力なアシストを見せたブリヂストンは上位6位までに4人を送り込んだ。一方、このレースにはE1の選手が出走出来るレースでもあったが、7人が完走。うち2人が10位以内に入る健闘を見せた。


7月 夏の連戦で岡篤志が首位の足場固め

第10戦 東広島サイクルロードレースの会場となった広島大学東広島キャンパス第10戦 東広島サイクルロードレースの会場となった広島大学東広島キャンパス photo:Kensaku.Sakai
第10戦 独走で優勝した岡篤志(宇都宮ブリッツェン)第10戦 独走で優勝した岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Kensaku.Sakai
シーズン中盤の7月、Jプロツアーは5戦が予定される過密月間を迎えた。

第10戦「東広島サイクルロードレース」は、広島大学の東広島キャンパス周辺の公道を使用して初めて開催されたレース。1周5.5kmと短めながら、最大斜度15%の登りや、コーナーが連続する下り区間など変化に富むコースレイアウトだ。レースは最後までアタックと吸収が繰り返される展開となったが、終盤に抜け出した岡が逃げ切って優勝した。

第11戦 僅差での勝利を手にしたのは黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング・写真右から4人目)第11戦 僅差での勝利を手にしたのは黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング・写真右から4人目) photo:Kensaku SAKAI
翌日の第11戦「広島クリテリウム」は2回目の開催。広島市内からほど近い会場に多くの観客が集まった。勝負は、ブリヂストンの黒枝士揮と沢田桂太郎、シマノレーシングの黒枝咲哉、宇都宮ブリッツェンの小野寺と、国内トップスプリンター同士の勝負となり、黒枝士揮が優勝。沢田が2位となり、ブリヂストンが今季3度目の1-2フィニッシュを達成した。

第12戦 スプリント勝負を制して岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が今季3勝目第12戦 スプリント勝負を制して岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が今季3勝目 photo:Satoru Kato
翌週の第12戦「石川サイクルロードレース」は、雨中のレースとなったこともあって異例の集団スプリントでの勝負に。勝ったのはリーダージャージを着る岡。これで今季3勝目となり、南米選手権などのため不在のアウラールに1000ポイント以上の差をつけた。

第14戦「トラック班」を揃えたチームブリヂストンサイクリングが優勝第14戦「トラック班」を揃えたチームブリヂストンサイクリングが優勝 photo:Satoru Kato
7月末、シーズンの折り返しとなる第13戦・第14戦は、渡良瀬遊水地を舞台に行われるタイムトライアル2連戦。しかし台風接近のため、第14戦の「個人タイムトライアルチャンピオンシップ」は中止となり、第13戦の「チームタイムトライアルチャンピオンシップ」のみが開催された。

台風による強風が吹き続ける悪条件の中、平均時速50kmオーバーで駆け抜けたブリヂストンが優勝。トラック種目のチームパーシュート日本代表メンバーを揃えるブリヂストンだが、その中核となる窪木と今村が不在にも関わらず、他チームを圧倒するタイムで優勝して見せた。ブリヂストンはチーム総合優勝争いでシーズン後半をリードしていく。


9月 アウラールとマトリックスパワータグの逆襲

第15戦 スタートに先立ち、事故で急逝した栃木車連の小口英之氏に黙祷を捧げる第15戦 スタートに先立ち、事故で急逝した栃木車連の小口英之氏に黙祷を捧げる photo:Kensaku Sakai
約1ヶ月の休止期間を経て9月に再開したJプロツアーは、再び5戦が開催される過密月間となる。

第15戦と第16戦は、「群馬CSC交流戦9月大会」。ここに日本に戻ってきたアウラールが、同日開催のUCIレース「ツール・ド・北海道」をパスして出場。Jプロツアーの個人総合優勝を目指し、総合首位の岡とのポイント差を縮めるためだ。

第15戦 優勝した谷順成(ヴィクトワール広島)は自転車競技人生で初勝利となった第15戦 優勝した谷順成(ヴィクトワール広島)は自転車競技人生で初勝利となった photo:Kensaku Sakai
第15戦 表彰式第15戦 表彰式 photo:Kensaku Sakai第16戦 心臓破りの坂でアタックしたオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)がフィニッシュを目指す第16戦 心臓破りの坂でアタックしたオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)がフィニッシュを目指す photo:Kensaku Sakai

初日のDay-1は78km。レース終盤の一瞬の隙をついたヴィクトワール広島の谷順成が初優勝。自身だけでなく、結成5年目のチームにJプロツアー初優勝を献上した。翌日のDay-2は、台風接近のため150kmを78kmに短縮して行われた。初日は2位に甘んじたアウラールだったが、この日は勝負所を見逃さずに優勝を決めた。

第17戦 声援をうけて独走を続けるフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)第17戦 声援をうけて独走を続けるフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
第17戦「南魚沼ロードレース」の11周132kmのレースは、事実上2周目に決まった。3人の飛び出しから独走に持ちこんだマンセボが、フィニッシュまで120kmを逃げ切った。昨年の南魚沼でもマンセボが段違いの強さを見せたが、今年も世界のトップクラスで戦った強さを見せつけて連覇した。

第18戦 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)がオールイス・アルベルト・アウラールを引き連れて前を追う第18戦 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)がオールイス・アルベルト・アウラールを引き連れて前を追う photo:Satoru Kato第18戦 パンクで遅れた岡篤志(宇都宮ブリッツェン)はこのレースでリーダージャージを脱ぐことに第18戦 パンクで遅れた岡篤志(宇都宮ブリッツェン)はこのレースでリーダージャージを脱ぐことに photo:Satoru Kato

第18戦 オールイス・アルベルト・アウラールを先頭にマトリックスパワータグが3位までを独占第18戦 オールイス・アルベルト・アウラールを先頭にマトリックスパワータグが3位までを独占 photo:Satoru Kato
輪翔旗は今年もマトリックスパワータグへ輪翔旗は今年もマトリックスパワータグへ photo:Satoru Kato第18戦はJプロツアーの中で最もステータースの高いレース「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」。広島県中央森林公園を会場に172.2kmで予定されていたレースは、台風接近により159.9kmに短縮されたものの、Jプロツアー最長距離で争われた。

レースの主導権を握ったのはマトリックスパワータグ。終盤、アウラール、マンセボ、ホセ・ビセンテ・トリビオの3名を逃げ集団に送り込むと、同じ逃げ集団に乗った徳田優(ブリヂストン)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗(シマノレーシング)らを物ともせず、アウラールを先頭に1位から3位を独占。パンクで遅れた岡をアウラールが逆転して総合首位に立った。

第19戦 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)がガッツポーズ第19戦 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)がガッツポーズ photo:Satoru Kato第20戦 フランシスコ・マンセボとホセ・ビセンテ・トリビオが席巻した赤城山ヒルクライム第20戦 フランシスコ・マンセボとホセ・ビセンテ・トリビオが席巻した赤城山ヒルクライム ©️JBCF

アウラールは翌週の第19戦「まえばしクリテリウム」でも優勝。しかし翌日の第20戦「赤城山ヒルクライム」では岡がアウラールに先着。アウラールは首位を守ったものの、逆転可能な118ポイント差で最終戦を迎えることとなった。


10月 個人・チーム共に総合優勝決定の場となった山口ラウンド

第21戦 全員がTTバイクでスタートしたチームブリヂストンサイクリングが優勝第21戦 全員がTTバイクでスタートしたチームブリヂストンサイクリングが優勝 photo:Satoru Kato
10月5日、初開催となる第21戦「維新やまぐちタイムトライアル」は、山口市の山口きらら博記念公園でのチームタイムトライアル。1周2.6kmという短周回コースでのタイムトライアルでも、ブリヂストンがチーム力を見せて他を圧倒して優勝。チーム総合優勝逆転に望みをつなげた。

第22戦 日本最大のカルスト台地・秋吉台を行く集団第22戦 日本最大のカルスト台地・秋吉台を行く集団 photo:Satoru Kato
第22戦 4周目のカルストベルグでフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)のアタックに追従する集団第22戦 4周目のカルストベルグでフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)のアタックに追従する集団 photo:Satoru Kato第22戦 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)をマークするオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)第22戦 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)をマークするオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato

オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が優勝。2位に岡篤志(宇都宮ブリッツェン)オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が優勝。2位に岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato
最終戦となる第22戦は「秋吉台カルストロードレース」。Jプロツアー屈指の難コースが、チャンピオンシップ決定の場となった。2019年シーズンをリードしてきたマトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、チームブリヂストンサイクリングの3チームが三つ巴の争いを繰り広げ、最後は個人総合優勝を争うアウラールと岡の一騎打ちに。アウラールは岡を下して優勝し、個人総合優勝を自ら決めた。マトリックスはチーム総合優勝も決め、2年ぶりにJプロツアーダブルタイトルを獲得した。


◾️Jプロツアー2019チャンピオン オールイス・アルベルト・アウラール コメント

Jプロツアー2019年個人総合優勝のオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックス)Jプロツアー2019年個人総合優勝のオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックス) photo:Satoru Kato「日本でとてもすばらしい経験をしました。異文化を知るチャンスもあってとても良かったと思います。安原監督には感謝の気持ちでいっぱいです。監督のおかげで日本で活躍することが出来ました。ヨーロッパでは2017年と18年に走っていて、ヨーロッパでの経験も好きだが、アジアもレベルが高く、とても良い経験になりました。アジアで活躍したおかげで次に行くスペインのチームに関心を持ってもらえました。

日本に来る前は文化がかなり違うので、早く慣れることが出来るか不安でした。良いシーズンにしたいと思い日本に来たが、その目標も達成出来ました。たぶん、自分は異文化に早く慣れることができるのだと思いますが、それもチームのみなさんが親切にしてくれたおかげです。

オールイス・アルベルト・アウラールとマトリックスパワータグのメンバーオールイス・アルベルト・アウラールとマトリックスパワータグのメンバー photo:Satoru Kato来年は大きな変化になると思います。ヨーロッパではまた違う自転車のスタイルがあるし、アジアより強いところもあるので今から全力を尽くして準備しないといけないと思っています。

東京オリンピックでベネズエラを代表できる自転車選手は1人だけ。私の今までのUCIポイントを考えれば私が選ばれる可能性が高いと思います。東京オリンピックに向けてモチベーションが上がるし、オリンピックは自転車選手の夢でもあるので、それに向けて頑張ります。来年東京で会いましょう」


次回はツール・ド・とちぎからツール・ド・おきなわまで国内UCIレースを振り返ります。

text:Satoru Kato