3月2日、JBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)は、東京都内で記者会見を開き、2021年からスタートさせる予定の新リーグ構想を発表した。カンファレンスの模様とあわせ、新リーグに求められるものは何かを考えてみる。



2019年Jプロツアー出場チームの選手が勢ぞろい2019年Jプロツアー出場チームの選手が勢ぞろい photo:Satoru Kato
2019年シーズンの開幕を2週間後に控え、JBCFは東京の銀座でプレスカンファレンスを開いた。JBCFからは、片山右京理事長をはじめ、新たにJBCFのゼネラルマネージャーに就任した廣瀬佳正氏、JBCF連盟戦略室長の栗村修理事らが出席した。

片山右京 JBCF理事長片山右京 JBCF理事長 photo:Satoru KatoJBCFゼネラルマネージャーに就任した廣瀬佳正氏JBCFゼネラルマネージャーに就任した廣瀬佳正氏 photo:Satoru Kato

最初に廣瀬GMが自身の役割を説明。「JBCFのサイクルロードレースシリーズツアーの総合調整役として、日本の自転車界を今の時代に合った形にチーム・選手と共に変えていくこと」としている。その上で、「自転車ロードレースが単なる競技会ではなく、地域の経済効果に影響をもつように変わらねばならない」と訴えた。

新たなリーダージャージと総合優勝トロフィー新たなリーダージャージと総合優勝トロフィー photo:Satoru Kato
すでにJBCF公式サイトでも発表されている通り、今年からJBCFのロゴやバナーなどのデザインが一新され、従来の白地ベースから黒地ベースのものに変わった。併せて、各カテゴリーのリーダージャージと年間優勝トロフィーのデザインも改められ、お披露目された。

ライブリザルトシステムの導入 ズイフトのバーチャル大会も

レース観戦者向けとしては、これまでも行われてきたYouTube、フェイスブック、ツイッターでのライブ配信に加え、新たにラインとインスタグラムの公式アカウントをスタートさせる。また、ライブリザルトシステムを導入し、逃げと集団とのタイム差など、リアルタイムで各選手の動きがわかる情報が提供される。

さらに、ズイフトを利用したバーチャル大会を実施する。今年はトライアル実施となるが、「JBCF eレーシング・サイクリング・ロードシリーズ」と銘打ち、平日夜にフルタイムワーカーが練習を兼ねてバーチャルレースに参加することを想定し、オフラインでの決勝レース(リアルレース)を行うことも予定している。

2021年にスタートするJBCF新リーグ構想

JBCF戦略室長の栗村修理事JBCF戦略室長の栗村修理事 photo:Satoru Kato「新プロリーグによって新たな選手が集まってレベルが上がることを期待」と増田成幸(宇都宮ブリッツェン)「新プロリーグによって新たな選手が集まってレベルが上がることを期待」と増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato

注目の新リーグについては、まだ決定事項ではないとしつつ、フランスの国内カテゴリー制度を参考に「強い国内リーグ」を作り上げるという「構想」が発表された。

これは、上位3部のカテゴリーを「プロフェッショナルカテゴリー」とし、その下にJエリートツアーに相当する5つの「エリートカテゴリー」、さらにその下に未登録レーサーを含む「オープンカテゴリー」を設定するピラミッド構造を構築し、選手層の底辺拡大を狙う。プロフェッショナルリーグには「クラブライセンス制度」を導入。条件を満たすチームを2020年夏頃をメドに精査し、2021年から新リーグをスタートさせるとしている。

新リーグ構想について、選手を代表してコメントした増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は「たくさんの選手が集まることは必然的にレベルが上がるということ。今からワクワクしている」と語った。

(カンファレンスの模様は、この記事の最下部に動画があります。)



新リーグの先に世界は見えるか?

新リーグは2021年スタート(写真左から、栗村修JBCF戦略室長、片山右京JBCF理事長、増田成幸(宇都宮ブリッツェン))新リーグは2021年スタート(写真左から、栗村修JBCF戦略室長、片山右京JBCF理事長、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)) photo:Satoru KatoJBCFの今回の発表を、雲をつかむような話と感じる方も少なくないだろう。片山理事長も「新リーグ構想は現時点では絵に描いたモチ」と語るとおり、具体的な内容は今後検討していくと明言している。ではなぜこのタイミングなのかと言えば、2020年東京オリンピック後を見据えてのことだ。「オリンピックに向けて全てのスポーツに吹いていた追い風がやみつつある。オリンピック後に生き残るためには今が始める時」と、栗村理事は説明する。

昨年50周年を迎えたJBCF。JプロツアーとJエリートツアーを合わせれば、日本国内で年間40レースものシリーズ戦を開催できるノウハウを持つ団体は他にない。昨年のJプロツアー最終戦に出場したフランシスコ・マンセボは「チャンピオンシップなのに120kmしかないのか?」と何度も聞いたと言う昨年のJプロツアー最終戦に出場したフランシスコ・マンセボは「チャンピオンシップなのに120kmしかないのか?」と何度も聞いたと言う photo:Satoru Kato

それはこれまで半世紀の積み重ねがあってのことで、一朝一夕に真似できることではない。一方で、レース距離の短さや、参加料に頼った収益構造など、これまで問題点として指摘されてきた部分があるのも確かだ。昨年3月、片山右京新理事長が就任して新体制となったが、自転車をメジャースポーツとするなら現状を変えていかねばならないという危機感が今回の発表の根底にある。

ここ数年、日本で自転車はブームになっており、世界的にも新しい活用法が検討されている。しかしスポーツとしての自転車はどうかと言うと、決して良い状況とは言えない。

例えば、JプロツアーやUCIレースが日本各地で開催され、地元新聞やテレビが取材して記事やニュースにしてくれる。しかしそれらは「スポーツ」として取り上げていると言うよりも「行事」としての取り上げ方に近い。国内トップ選手が集まって日本一を決める全日本選手権でさえ、サイクリングイベントと同等な扱いだったりする。ジャパンカップもスポーツニュースで取り上げられるのはまれだ。そのような状況では興味を持ってくれる人は増えず、新たなスポンサーも集まりづらい。世界トップレベルの選手が集まるジャパンカップでさえ、スポーツとして捉えられていないのが現状世界トップレベルの選手が集まるジャパンカップでさえ、スポーツとして捉えられていないのが現状 photo:Kei Tsuji

選手強化の観点からすれば、国内リーグなど作らず、欧州に選手を送り込めば良いという考えもあるだろう。しかし、その原資を生み出す構造のない日本の現状では、選手を含め現場の人間が持ち出しで活動することになる。栗村理事が、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏の「片手間な人間に本気のものは作り出せない」という言葉を引用したとおり、それでは世界との差はいつまでも縮まらないだろう。

新リーグは、スポーツとしての自転車を広く認識してもらうことと、魅力あるスポーツにするためのプラットフォームだ。魅力とは「見て面白い」というだけでなく、選手を目指す人やチームスタッフや主催関係者など、ロードレースに関わる人達にとっても魅力あるものにする必要がある。それは、片山理事長が力説する「雇用を生む」ということ。そのためには自転車界がひとつにまとまる必要性を訴えるが、「新リーグがそのための器になれば良い」と片山理事長は言う。

とは言え、環境を整えれば選手が強くなるワケではない。どんなに長距離のレースにしても、どんなに厳しいコースを設定しても、グランツールの二番煎じのようなレースを続けていたら、いつまで経ってもレベルは上がらないだろう。片山理事長は、新プロリーグでトップになった選手にマイヨ・ジョーヌを着せたいと言うが、それが実現するか否かは最終的にはレースを走る選手次第でもある。

まずは2週間後に始まる今シーズンのJプロツアーで「激アツ」なレースを期待したい。



動画:JBCF 2019シーズンプレスカンファレンス


動画:JBCF 2021年新リーグ構想発表


text&photo:Satoru Kato
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