ワールドチームの一角を占めるFDJと長きにわたり緊密な協力関係を築くフランスの総合バイクブランド、ラピエール。レーシングバイクのフラッグシップ「XELIUS SL ULTIMATE」に待望のディスクブレーキモデルが登場。最新スペックを手に入れたオールラウンダーをインプレッション。



ラピエール XELIUS SL ULTIMATE Discラピエール XELIUS SL ULTIMATE Disc (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
ツール・ド・フランスを始め、多くの伝統と栄光に満ちたレースの舞台となってきたフランス。ベルギーやオランダ、イタリアと並ぶ自転車大国として、ロードレースに関する長い歴史と熱い情熱を持つフランスを代表するワールドチームがFDJだ。

2002年以来、FDJの活動を支え、その栄光とともにあったのが同郷のバイクブランド・ラピエール。蜜月ともいえるサポート体制を構築し、世界のトップシーンで戦う選手たちのフィードバックを受け続けてきたラピエールの開発するバイクは、レースシーンで確かな存在感を放ってきた。

トップチューブにはフレンチトリコロールが燦然と輝くトップチューブにはフレンチトリコロールが燦然と輝く 専用のヘッドカバーによってエアロダイナミクスの向上を図る専用のヘッドカバーによってエアロダイナミクスの向上を図る ストレート形状のフォークブレードを採用するストレート形状のフォークブレードを採用する


総合バイクブランドとして、ロードレーサーからMTB、シティサイクルからE-BIKEまで、多くのラインアップを手掛けるラピエール。エアロロードのAIRCODE、エンデュランスバイクのPULSIUMと、ロードバイクに限っても多くのモデルを展開しているビッグブランドだ。

そして、そのロードバイクラインアップの中核となるオールラウンドバイクがXELIUSシリーズだ。サポートするFDJの選手らの使用率も高く、勝負所となる山岳ステージにおいて、昨ツールのトゥールマレー頂上フィニッシュを制したティボー・ピノをはじめ多くの戦績を残してきた名機である。

砂時計型のヘッドチューブを採用砂時計型のヘッドチューブを採用 特徴的なシートステー集合部特徴的なシートステー集合部


FDJをスポンサードするブランドのロゴが入るFDJをスポンサードするブランドのロゴが入る ブレーキ台座はもちろんフラットマウントだブレーキ台座はもちろんフラットマウントだ


軽量かつ高剛性であることが求められる山岳系オールラウンドレーサーは、ここ数年どのブランドも似通ったシルエットになってきた。ねじれ剛性を強化するためのボトムライン、快適性を担保する細いシートステー、反応性を高めるためのコンパクトなリアトライアングルetc……。

同工異曲ならぬ、異工同曲のような状況に陥ったオールラウンドレーサーの中で、XELIUS SL ULTIMATEは隔絶したオリジナリティを持った一台だ。ラピエールが3Dチューブラーテクノロジーと呼ぶ、シートステーがトップチューブに接続され、ヘッドチューブへ向けてさながら大きなアーチを描くようなフレームワークはXELIUSを唯一無二たらしめる。

XELIUSのアイデンティティともいえるこのデザインは、フレキシビリティの向上やシートステー接続部の面積増大によるねじれ剛性強化等、多くの目標を実現するための極めて合理的な設計でもある。多くのブランドとは異なるアプローチを選択するのは、フレンチブランドの面目躍如といったところだろうか。

シートクランプが内蔵式になり快適性が向上シートクランプが内蔵式になり快適性が向上 BB86を採用するボリュームあるハンガー周りBB86を採用するボリュームあるハンガー周り


2016年にデビューしたXELIUS SLは、2019モデルにおいて多くのアップデートを施され、さらなる走行性能の向上を果たした。同社のエアロロードであるAIRCODE、そしてエンデュランスバイクのPULSIUMからそれぞれキーとなるテクノロジーを導入し、さらにオールラウンドな性能を持ったバイクへと進化したのだ。

ホイールとのクリアランスを狭める方向へと再設計されたダウンチューブによって、ホイール周りで発生した乱流を整え、空気抵抗を削減。ヘッドチューブはより短いデザインとなり、トップチューブから1段ドロップするようなデザインに。よりアグレッシブなポジションが可能なコックピットを実現し、ライダーとバイクトータルでの空力向上を実現した。

一方、BB付近のシートチューブを前後方向に薄い扁平断面に変更。突き上げを緩和する衝撃吸収性を向上させつつ、左右方向へのねじれはしっかりと受け止める形状へと進化した。更に、ワイドタイヤへと対応するためにフロントフォークも新設計に。よりフォークブレード間の距離が広げられ、前方から見ると樽型の形状となっている。ホイールとのクリアランスも広がり、空気抜けも良くなることでエアロダイナミクスにも貢献する設計だ。

細いシートステーがトップチューブにまで到達する細いシートステーがトップチューブにまで到達する シートチューブとシートステーは独立した構造シートチューブとシートステーは独立した構造 フレンチブランドである誇りを示すレターがダウンチューブ裏に入るフレンチブランドである誇りを示すレターがダウンチューブ裏に入る


これらの設計変更は選手たちからのフィードバックによるところも大きいのだという。そして、2020モデルではトップグレードの”ULTIMATE”に待望のディスクブレーキモデルが追加ラインアップ。ここ数年、下りで大きくタイム差を稼ぐステージも増加し、選手らにとっても見逃せないトレンドにXELIUS SLも対応する。

ただ、フラットマウント台座を追加するだけでなく、フレーム各所を再設計することで、ディスクブレーキ仕様として最適化を図っているという。ディスクブレーキに合わせてトータルで設計を見直すことで、リムブレーキと変わらない性能を再現した。高い人気を誇るフレンチレーサーに新たに加わったディスクブレーキモデル。果たして、その実力はどのようなものか。それではインプレッションに移ろう。



― インプレッション

「レースもロングライドも楽しめるオールラウンドで楽しいバイク」遠藤健太(サイクルワークスFin’s)

「ロングライドからレースまで対応する懐の深さが魅力」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)「ロングライドからレースまで対応する懐の深さが魅力」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
個人的な印象なのですが、ラピエールは衝撃吸収性について非常に真摯に考えているブランドだと思っているんです。ステージレースでも脚を残すことはとても重要ですから、ワールドチームを長年サポートしているブランドとしてフレーム開発にあたって大きなウェイトを置いているのでしょう。

その印象はそのままに、このXELIUS SL ULTIMATE Discは非常に軽快なヒルクライムバイクとして完成しています。ディスクロードにありがちな重さを一切感じさせないペダリングフィールはこのバイクの大きな強みだと感じます。

ダンシングよりもシッティングで、トルクをかけるよりも高回転で登ったほうが良いフィーリングでした。路面追従性の高さが、この性能を生み出しているのでしょう。独特な形状のフレームワークによって生みだされているのは、高い振動吸収性だけではありません。長めのシートステーが効果的に働き、ペダリングに対して前へと押し出してくれるような感覚があります。

全体的な剛性レベルはほどほどで、ピュアレーサーでなくとも扱いやすい懐の深さもあります。むしろ、ディスクブレーキロードが主流になり、剛性過多なバイクも増えている中、こういったちょうど良い剛性感のバイクは希少な存在です。硬すぎるバイクは身体へのダメージも大きいですし、ステージレースであれば後半にかけて大きな差となるでしょう。そういった自転車づくりに対するフィロソフィーを感じますね。

その特性は一般ユーザーにとっても恩恵となります。ホビーレーサーにとっては、しっかり踏み切ることができる性能でもあり、ツーリングで使っても疲労が溜まりにくいので、長い距離、長い時間楽しく乗ることができます。

平坦では、エアロロードに対してハンデを負う場面もありますが、登りでの軽快感はそれを補ってあまりあるものですし、快適性は比べるべくもありません。レースでも、山岳を多く含むロングライドでも活躍してくれる、オールラウンドなディスクロードを探している人には、魅力的な選択肢となることでしょう。

ラピエール XELIUS SL ULTIMATE Discラピエール XELIUS SL ULTIMATE Disc (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
ラピエール XELIUS SL ULTIMATE Disc
フレーム&フォーク:XELIUS SL ULTIMATE CARBON
カラー:FDJ
サイズ:46、49、52、55
価格:360,000円(税抜、フレームセット)



インプレッションライダーのプロフィール

遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)遠藤健太(サイクルワークス Fin’s) 遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)

新潟県長岡市に店舗を構えるサイクルワークス Fin’sの店長。学生時代にBMXから始まり、MTBやロードバイクまで幅広く自転車を楽しむバリバリの走れる系店長。2012年には全日本選手権ロードに出場した経験も。お店は完璧なメカニックサービスを提供するべく、クオリティの高い整備が評判だ。ショップ主催のサイクリングやレース活動に積極的で、初めての人から実業団レースで活躍したい人まで手厚いサポートを心がける。

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text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto.AYANO
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