レース後半に先頭集団が何度も再構成されたオープンレース男子。最終周回に7名となった集団でのスプリント勝負を花田聖誠(チームユーラシア-IRCタイヤ)が制して優勝した。女子はハイアンビション・ウィメンがレースを主導。アラナ・フォースターが残り1周半を独走して逃げ切った。


オープンレースのスタートオープンレースのスタート photo:Makoto.AYANO
日曜日のジャパンカップ本戦と同じコースを使用して行われるオープンレース。男子は高校生や大学生、JBCFのE1クラスタの選手やJプロツアーチームなども走る「無差別級」レース。若手選手の登竜門的レースとしても知られ、過去にはこのレースでの勝利を足がかりにステップアップした選手も多い。

前夜から降り続いた雨がレース直前まで残っていたこともあり、大きな水たまりがあちこちの残るコースコンディション。スタート直後は肌寒さを感じるほどだったものの、レース途中には日差しが戻り、一転して蒸し暑さを感じる中でのレースとなった。


男子 僅差のスプリントを制した花田聖誠が優勝

オープン男子 5周目、古賀志林道でペースアップする福田圭晃(Yamanakako Cyclisme Formation)オープン男子 5周目、古賀志林道でペースアップする福田圭晃(Yamanakako Cyclisme Formation) photo:Satoru Katoオープン男子 明星大学の2人を先頭に先行する2人を追走する集団オープン男子 明星大学の2人を先頭に先行する2人を追走する集団 photo:Satoru Kato

男子は7周72.1km。逃げと吸収を何度か繰り返して迎えた3周目、阿部航大(Honda栃木)、小口達矢(日本大学)、佐野千尋(イナーメ信濃山形)の3名が先行する。この周回終了時のスプリントポイントを阿部が先頭通過。4周目に入ると3名は吸収され、新たに福田圭晃(Yamanakako Cyclisme Formation)、宇佐美颯基(明治大学)ら4名が先行する。5周目の古賀志林道を下り切ると先頭は福田と宇佐美の2人となり、20名ほどのメイン集団が30秒前後の差で追従する。

オープン男子 先行する2人に追いついてそのまま前に出る花田聖誠(チームユーラシアIRCタイヤ)オープン男子 先行する2人に追いついてそのまま前に出る花田聖誠(チームユーラシアIRCタイヤ) photo:Satoru Kato

オープンレースのゴールスプリントを制した花田聖誠(チームユーラシアIRCタイヤ)オープンレースのゴールスプリントを制した花田聖誠(チームユーラシアIRCタイヤ) photo:Makoto.AYANO
6周目に入ると先行する2人とメイン集団との差が縮まり始め、25秒差となって最終周回の7周目へ。古賀志林道の登りに入ると花田聖誠(チームユーラシア-IRCタイヤ)と平井光介(EQADS)の2人が集団から飛び出し、福田と宇佐美に追いつく。花田は追いついた勢いのまま加速し、古賀志林道を単独先頭で下りきる。これを福田と平井ら3人が追走。さらに佐野、宇佐美ら3人も追走し、残り2kmまでに相次いで花田に追いつく。7名となった先頭集団はアタックと牽制が繰り返されるも決定打となる動きがないまま、スプリント勝負へ。「小集団のスプリントなら勝てる自信があった」と言う花田が、僅差で福田を下して優勝した。

オープン男子 表彰式オープン男子 表彰式 photo:Satoru Kato花田聖誠コメント
「最後のスプリントは最終コーナーに入る手前からしかけた。踏み出しでは福田選手に負けると思っていたので、ロングスプリントを先に仕掛けて粘ろうと考えていた。それでも福田選手にまくられないかヒヤヒヤしながらなんとか10cm逃げ切った。今日は大町健斗選手と2人での出場だったが、アシストしてくれて助けられた。来年は今年は欧州のレースで思うような成績が出せずにいたけれど、全日本でU23の4位に入ったあたりから調子が上向いてきた。来年はU23最後の年になるので、この調子で良い成績を出してステップアップしたい」
オープンレース男子 結果(72.1km)
1位 花田聖誠(チームユーラシア-IRCタイヤ) 1時間58分53秒
2位 福田圭晃(Yamanakako Cyclisme Formation) +0秒
3位 床井亮太(作新学院大学)
4位 平井光介(EQADS)
5位 小林弘幸(信州大学自転車部)
6位 佐野千尋(イナーメ信濃山形)
7位 宇佐美颯基(明治大学)
8位 佐野大志(明星大学) +3秒
9位 阿部航大(Honda栃木) +15秒
10位 留目夕陽(Project Athleture)


女子 アラナ・フォースターが逃げ切り勝ち

オープン女子 ハイアンビション・ウィメンのペースアップで10名ほどまで絞られた先頭集団オープン女子 ハイアンビション・ウィメンのペースアップで10名ほどまで絞られた先頭集団 photo:Satoru Katoオープン女子 2周目にアラナ・フォースターが単独先行を開始オープン女子 2周目にアラナ・フォースターが単独先行を開始 photo:Satoru Kato

オープンレース女子優勝は独走を決めたアラナ・フォースター(ハイアンビション2020)オープンレース女子優勝は独走を決めたアラナ・フォースター(ハイアンビション2020) photo:Makoto.AYANO
女子は3周30.9km。1周目からハイアンビション・ウィメンの3名が先頭に集まってペースアップしてレースを主導。2周目の古賀志林道を下りきったところで残ったのは、ハイアンビション・ウィメンの3名と、西加南子(LUMINARIA)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)の5名に絞られる。その中から、アラナ・フォースター(ハイアンビション・ウィメン)がアタックし、約40秒の差をつけて最終周回に入る。フォースターはそのまま最後まで独走してフィニッシュ。2位にはブレアンナ・ハルグレーブが入り、ハイアンビション・ウィメンが1-2フィニッシュ。唐見が3位に入った。
オープンレース女子 結果(30.9km)
text:Satoru Kato
photo:Makoto AYANO, Satoru Kato

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