10月6日(日)、Jプロツアーの最終戦「秋吉台カルストロードレース」が開催され、マトリックスパワータグのオールイス・アルベルト・アウラールが優勝。個人総合優勝を決めた。チーム総合優勝もマトリックスパワータグとなり、2019年シーズンを完全制覇した。


日本最大のカルスト台地・秋吉台を行く集団日本最大のカルスト台地・秋吉台を行く集団 photo:Satoru Kato
「カルストベルグ」と名付けられたおよそ1kmの激坂区間「カルストベルグ」と名付けられたおよそ1kmの激坂区間 photo:Satoru KatoJプロツアー全22戦の終着点は、山口県美祢市での「秋吉台カルストロードレース」。日本最大のカルスト台地である秋吉台を南北に縦貫する「カルストロード」を往復する1周29.5kmのコースが最終戦の舞台だ。

なだらかなアップダウンが繰り返されるカルスト地形の中を進むコースは、行きが下り基調、帰りが7%や8%の登りが繰り返される。さらに、残り1km付近からコントロールラインまで続く登り坂は「カルストベルグ」と名付けられ、約150mの高低差を一気に登る。そのハードさから、レースグレードは最上位の「プラチナ」に指定される。

例年であれば最終戦を待たずに個人総合優勝もチーム総合優勝も決まっているが、今年はどちらも最終戦までもつれる展開。個人総合は1位のオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)と、2位の岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が118ポイント差、チーム総合は1位のマトリックスパワータグと、2位のチームブリヂストンサイクリングが119ポイント差だ。どちらもこのレースの結果で逆転の可能性があり、レース展開に影響することが予想された。

前日夜からの雨が午前中まで残り、朝一で行われた女子のレースではコースの一部で大雨が降っていた。時間の経過と共に雨雲はなくなり、Jプロツアーのレースがスタートした正午には青空が見え始めた。


アウラールが力で岡を下して総合優勝

Jプロツアー2019年最終戦スタートJプロツアー2019年最終戦スタート photo:Satoru Kato
レース中盤まで逃げ続けた4名レース中盤まで逃げ続けた4名 photo:Satoru Katoレース序盤からメイン集団をコントロールするのはチームブリヂストンサイクリングと宇都宮ブリッツェンレース序盤からメイン集団をコントロールするのはチームブリヂストンサイクリングと宇都宮ブリッツェン photo:Satoru Kato

Jプロツアーのレースは5周147.5km。1周目に6名が抜け出し、その中から木村圭佑(シマノレーシング)、水野恭平(eNShare-エルドラード)、佐藤信哉(VC福岡)が先行する。2周目に石原悠希(Honda栃木)が単独で追走して合流し、先頭集団は4名となる。

メイン集団は岡の個人総合優勝を目指す宇都宮ブリッツェンと、チーム総合優勝を目指すチームブリヂストンサイクリングの利害が一致し、共同でコントロール。一時3分近くまで差が開くものの、3周目から4周目にかけて1分30秒前後まで縮める。

レース終盤 石原悠希(ホンダ栃木)と木村圭佑(シマノレーシング)の2人になった先頭集団レース終盤 石原悠希(ホンダ栃木)と木村圭佑(シマノレーシング)の2人になった先頭集団 photo:Satoru Katoカルストロードをチームブリヂストンサイクリングを先頭に進むメイン集団カルストロードをチームブリヂストンサイクリングを先頭に進むメイン集団 photo:Satoru Kato

4周目のカルストベルグでフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)のアタックに追従する集団4周目のカルストベルグでフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)のアタックに追従する集団 photo:Satoru Kato
先頭集団では、3周目のカルストベルグの登りで水野と佐藤が遅れ、木村と石原の2人が先行。1分前後の差を維持していたが、ペースアップしたメイン集団が4周目の中頃で吸収し、レースを振り出しに戻す。

ひとつになった集団は宇都宮ブリッツェンとチームブリヂストンサイクリングがコントロールを続けていくが、4回目のカルストベルグの登りに入ったところでフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が加速。この動きにアウラールと岡を含む20名前後が追従。さらに後方からの合流が続いて30名ほどの集団となる。

岡篤志(宇都宮ブリッツェン)をマークするオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)岡篤志(宇都宮ブリッツェン)をマークするオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
残り10km、木村圭佑(シマノレーシング)がアタック残り10km、木村圭佑(シマノレーシング)がアタック photo:Satoru Kato最終周回のカルストベルグでアタックする織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)最終周回のカルストベルグでアタックする織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru Kato

最終周回に入ってもチームブリヂストンサイクリングが集団コントロールを継続。マンセボやアイラン・フェルナンデス・カサソラ(マトリックスパワータグ)が前に出てくるも、主導権を渡さない。残り10km、前半に先行していた木村が再度飛び出すもほどなく吸収。そして最後のカルストベルグの登りに入ると、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がアタック。一気に差を広げて先行するも、マンセボ、アウラール、岡、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)らが追走して吸収する。

オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が優勝。2位に岡篤志(宇都宮ブリッツェン)オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が優勝。2位に岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato
残り50m、フィニッシュへの最後の登りにアウラールが先頭で姿を現す。すぐ後ろに岡が続くが追いきれず、アウラールが優勝。2019年シーズンのJプロツアー総合優勝を決めた。

チーム総合優勝争では、マンセボが3位、ホセ・ビセンテ・トリビオが6位に入ったマトリックスパワータグがチームブリヂストンサイクリングを圧倒。2017年以来2年ぶりにダブルタイトルを獲得した。

チーム総合優勝はマトリックスパワータグチーム総合優勝はマトリックスパワータグ photo:Satoru Kato
「レースが厳しくなることは予想していたし、特に最後の坂(カルストベルグ)が厳しかった。ずっと岡選手を見ながらレースをしていたが、自分の力で総合優勝出来て良かったと思う」と話すアウラール。「日本のファンの皆さんの応援が力になった。皆さんのことは忘れない。来年東京オリンピックで会いましょう」と、惜別の言葉をファンに贈った。

表彰式表彰式 photo:Satoru KatoU23賞は今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)U23賞は今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato

一方、最後まで挑み続けた岡は「今日は最終戦で真っ向勝負をしたいと思っていた。最後の登りでマンセボ選手とオールイス選手の2対1になって不利に感じたところもあり、ちょっと焦って早駆けしてしまったらオールイス選手は全然足を残していたので簡単に後ろにつかれてしまった。最初からアタックして逃げても潰されるのは分かっているので、自分から先に攻撃するという選択肢はなく、最後の登りで勝負するしか方法は無かった。結果として力負けしてしまったけれど、悔いはない。

元々個人総合を狙っていたわけではないけれど、シーズン後半にその可能性が高くなって、チームでエースを任されて走った。不得意なレースでは苦しみながらも走ったが、良い経験になったと思う」と、最終戦と今シーズンを振り返った。
Jプロツアー第22戦 秋吉台カルストロードレース  結果(147.5km)
1位 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ) 3時間57分21分
2位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +1秒
3位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +6秒
4位 石橋 学(チームブリヂストンサイクリング) +16秒
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +22秒
敢闘賞  水野恭平(eNShare-エルドラード)
中間スプリント賞 水野恭平(eNShare-エルドラード)、石原悠希(Honda栃木)
地元賞 佐藤信哉(VC福岡)、水野恭平(eNShare-エルドラード)


F(女子)、E 結果

大雨の中を走る唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)大雨の中を走る唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
E 持留叶汰郞(Team SHIDO)が優勝E 持留叶汰郞(Team SHIDO)が優勝 photo:Satoru Kato
F(女子) 結果(29.5km)
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) 56分12秒
2位 望月美和子(フィッツ) +39秒
3位 安藤沙弥(フィッツ) +1分36秒
E 結果(59km)
1位 持留叶汰郞(Team SHIDO) 1時間33分29秒
2位 西村 基(VENTOS FRECCIA) +9秒
3位 宮崎泰史(津末レーシング) +16秒
4位 塚本 隼(ZERO) +20秒
5位 池田渓人(VC福岡(エリート)A) +22秒
6位 木原与志寛(Team Kermis Cross) +1分10秒
text&photo:Satoru Kato

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