コロンビアのセルジオ・イギータ(EFエデュケーションファースト)がステージ優勝し、同じくコロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ)の攻撃が光ったブエルタ第18ステージ。4つの1級山岳で戦いを繰り広げた選手たちのコメントを紹介します。


ステージ優勝 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト)

ステージ初優勝を飾ったセルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト)ステージ初優勝を飾ったセルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) photo:Kei Tsuji
昨日の強風ステージで総合トップ10を諦めないといけない状況になったので、集団から脱落してからはまるで休息日のように脚を溜めるようにして走った。スタート地点に向かうチームバスの中で寝落ちしてしまうほど疲れていたけど、そこで気持ちはリフレッシュしたし、体力が回復したんだ。

最後のコトス峠の登坂中も力強さを感じたし、今日はパーフェクトなステージだった。逃げの展開から独走でもスプリントでも勝てるという自信があった。でも後ろから強力な追走グループが近づいてきていたので最後まで気を抜くことができず、残り5km地点まで勝利を確信できなかった。この厳しいブエルタでチームに勝利をもたらしたという一心で踏み続けたよ。

このブエルタは諦めないことの大切さを教えてくれる。どんなに悪いことが起こっても戦い続けないといけない。全てのステージ優勝者にはそれぞれの物語があるんだ。フィニッシュ地点には多くのコロンビア人のファンが詰めかけていたので感情が溢れてきた。

総合1位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)

さらに総合リードを広げたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)さらに総合リードを広げたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) photo:Kei Tsuji
アスタナが早めに攻撃を仕掛けたけど、逃げていたニールソン(ポーレス)のおかげで孤立することはなかった。とてもハードな1日だったけど、今日もチームは強力だった。

3週目に入っても脚の状態は良いし、昨日のステージで得た教訓を生かしながらチームとしてマイヨロホを守るために戦っていく。マドリードが1日近づいたけど、ブエルタは毎日が重要で、1日たりとも気を抜けない。楽観的に、集中力を保ちながらマドリードを目指す。

総合2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

15秒遅れで2位争いのスプリントを繰り広げるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)15秒遅れで2位争いのスプリントを繰り広げるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
誰もがロペスのアタックを予想していた。だからログリッチェが脱落しない場合はロペスのアタックに備える作戦だった。ロペスのアタックは切れ味が鋭くて、反応が一瞬でも遅れると大きなリードを奪われてしまう。でも(残り60km地点の)ロペスの最初のアタックは見送って、彼の力を浪費させる作戦を選んだ。ネルソン(オリヴェイラ)を逃げ集団に、そしてマルク(ソレル)をメイン集団に残していたので問題はなかった。コトス峠で再びアタックした時はすぐに反応したけど、後ろのグループにナイロ(キンタナ)を残した状態だったので協調しなかった。

脚の状態は他の選手と一緒だと思う。良い日もあれば悪い日もある。ログリッチェは変わらず強いけど、モビスターもまだ総合争いの土俵に残っている。まだタフなステージが2つ残っているので、まだまだ総合タイムは動くはず。引き続き全力を尽くすこと以外にできることはない。

総合4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

ヤングライダー賞ジャージを取り返したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)ヤングライダー賞ジャージを取り返したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:Unipublic
誰も協調しようとしなかったけど、とにかく総合表彰台に一歩近づいた。ヤングライダー賞ジャージを取り返すこともできたし、残る2ステージでも攻撃あるのみ。まだ挽回の余地が残されているので、最終的に興味深い結果を残せると確信している。

総合5位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

メイン集団の残れるように最善を尽くしたけど脱落してしまった。残念な結果になったけど、全力は尽くした。もしかすると、いわゆるバッドデーだったのかもしれない。土曜日(第20ステージ)が総合争いを決める重要なステージ。スタートから全開走行のようなステージになると思う。

総合6位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)

総合6位につけるラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)総合6位につけるラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
昨日は先頭集団に入ることができなかったので、挽回する気持ちで今日のステージに挑んだ。チームメイトたちは今日も変わらず自分のために働いてくれたので、何としても結果で報いたかった。とてもハードなステージだったけど、総合上位陣のアタックに加わることで総合順位を一つ上げることに成功した。

山岳賞1位 ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール)

今日は山岳ポイントを取れるだけ取った。ステージ後半にアスタナがメイン集団のペースを上げると確信していたので、捕まるまでに出来るだけ多くのポイントを獲得する作戦だったんだ。最終的にステージ上位(13位)でフィニッシュすることができたので上出来。3週間のステージレースは初めてなので、自分にプレッシャーをかけることなく走っている。毎日新しい気持ちで挑んで、レースを楽しむことを心がけている。今日は山岳賞のライバルたちにポイント差をつけることができたので、山岳賞ジャージはほぼ手中に収めたと言っていい。

山岳賞のリードを広げたジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール)と、タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス)山岳賞のリードを広げたジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール)と、タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス) (c)CorVos
ステージ14位 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス)

昨日のステージで消耗しているのは自分だけじゃない。出力の数字を見ても、昨日は今大会最も厳しいステージだった。間違いなく山岳ステージよりも厳しい1日だった。そして今日は総合争いの様子を見ながらの逃げだった。自分は絶好調とは言えない状態で、アスタナがペースを上げるメイン集団に吸収されてしまったけど、最後の登りに入って突然脚が動き始めたんだ。どうして今ごろ・・・と思った。

ステージ156位 フェルナンド・バルセロ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)

遅れた集団内で最後から2つ目の山岳を下っているときに落車してしまった。そこでブルゴスBHがバイクを貸してくれたおかげでレースを再開できて、ステージ優勝者から29分遅れでフィニッシュすることができた(ありがとう)。もう疲れ切っている。でも悪いことにまた逃げに乗りたいと思っている自分がいる。


text&photo:Kei Tsuji
photo:CorVos

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