残り1kmで発生した落車が明暗を分けたブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージ。「ここまで11日間全く役立たずだったけど、出番が回ってきたので全力で勝利を狙った」と語るステージ優勝者サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)の他、上位入賞者や総合上位陣のコメントを紹介します。



ステージ優勝 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)

ステージ2勝目を飾ったサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)ステージ2勝目を飾ったサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
後ろで落車の音が聞こえたけど巻き込まれず。今日はドゥクーニンク・クイックステップとUAEチームエミレーツが組織的に動いていたので、彼らについていった。逃げを吸収していたか確証がなかったので、もしかしたらステージ2位なんじゃないかと思いながらフィニッシュラインを切ったんだ。フィニッシュ後にメカニックに勝利を告げられてホッとしたよ。

スプリンターの出番がなかなか回ってこなかった。ここまで11日間全く役立たずだったけど、出番が回ってきたので全力で勝利を狙った。貴重なチャンスだったのでプレッシャーは大きかったけど、同時にそれだけ喜びも大きい。

ステージ2位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ)

終盤にかけてタフなレイアウトだったので、ファビオ(ヤコブセン)のステージ優勝に向けてレースをコントロールした。残念ながら残り500mからの登りの勾配がきつくてファビオが脱落。アタックした選手に反応して付いていき、そのまま先頭を奪ったけど、今日はもう一人の選手(ベネット)が最速だった。マドリードまで残り1週間。これからもステージ優勝を狙っていく。

完全に飛び出した状態でフィニッシュしたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)完全に飛び出した状態でフィニッシュしたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
ステージ3位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル)

残り500mからの登りで仕掛けたいと思っていた。調子は良くて、アタックを決めることが出来たけど、今日はサム・ベネットが最速だった。最も強い選手に負けたので何も言うことはない。出来るだけのことをして負けたので残念な気持ちはないよ。

ステージ4位 マルク・サロー(フランス、グルパマFDJ)

とてもタフなフィニッシュで、とにかくスピードが速かった。アタックして飛び出した数名の選手との差を詰めることが出来なかった。優勝は掴めなかったけど自分の状態には満足している。

ステージ14位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)

とても複雑なスプリントだった。まだ脚は最高の状態とは言えないけど、毎日全力で挑戦していく。

マイヨロホ プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)

マイヨロホを着て第15ステージの山岳に挑むプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)マイヨロホを着て第15ステージの山岳に挑むプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) photo:Kei Tsuji
落車はしていない。辛うじて落車せずに済んだ。総合狙いの選手たちにとってスプリントステージは悩みの種で、ある程度のリスクを負いながら集団前方に位置しないといけない。

明日と明後日の山岳はどれも登ったことがない。特に明日の山岳はとても厳しい。ライバルたちが攻撃を仕掛けてくるのは間違いないし、スタートからずっと全開走行になるかもしれない。明後日の最終山岳はアストゥリアスのガリビエと呼ばれているので楽しみだ。個人的にもチームとしてもライバルたちの攻撃に備えて準備を整えたい。

総合2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

落車に巻き込まれたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)落車に巻き込まれたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:CorVos
落車したけど、スピードが落ちた状態だったので問題ない。手首が少し痛むだけで、落車の影響はほとんどない。今日は登りフィニッシュと言ってもいいようなレイアウトだったので、どのチームも集団分裂を恐れて前に上がってきていた。とてもスピードが速くて、ナーバスで、2人の選手がはすった弾みで大落車が起こった。

落車したことを除けばチームにとって良いステージだったと思う。獲得標高差が2,300mに達する決してイージーなステージではなく、最後の3級山岳も超ハイスピードだった。明日から2日連続で厳しい山岳ステージが続く。その厳しさをアドバンテージにしたい。

総合3位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
突然目の前の選手たちが落車して、避けきれずに自分も落車した。巻き込まれた選手たちが全員無事であることを願う。自分は数カ所だけ切り傷を負ったけど問題はなさそうだ。

逃げに乗ったルカ・ピベルニク(スロベニア、バーレーン・メリダ)

逃げに乗ったルカ・ピベルニク(スロベニア、バーレーン・メリダ)逃げに乗ったルカ・ピベルニク(スロベニア、バーレーン・メリダ) photo:CorVos
チームとして逃げに選手を送り込む作戦だった。今日はスプリンターにとって数少ないチャンスだったけど、スタート直後からアップダウンが続いて、いくつかの登りを含むコースだったので逃げに挑戦することにした。結果的にあと少しだった。全力で逃げ続けたけど残り4kmで吸収。結果には結びつかなかったけど自分のパフォーマンスには満足している。

text:Kei.Tsuji