第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは休息日を挟んでフランスのポーで再開。バスクやカンタブリア、アストゥリアスの山岳が連続し、マドリード近郊の山岳地帯でマイヨロホ争いが決する大会後半のステージを紹介します。



9月3日(火)第10ステージ → コースマップ
ジュランソン〜ポー 36.2km(個人TT)


9月3日(火)第10ステージ ジュランソン〜ポー 36.2km(個人TT)9月3日(火)第10ステージ ジュランソン〜ポー 36.2km(個人TT) photo:Unipublicスペインを抜け出してフランスのポーで大会1回目の休息日を迎えたブエルタ。1ヶ月半前の7月19日にアラフィリップの個人TT勝利に沸いたポーで、再びTTバイクによる戦いが繰り広げられる。距離36.2km、時間にして46分ほどのコースは(ブエルタならではのプロフィールでは平坦に見えるが)アップダウンの連続で、細かいコーナーも多く含まれている。

フィニッシュ地点はツール第13ステージと同じマキルベアルン通りだが、1ヶ月半前に登場した最大勾配17%のミュロ通りの急坂は省かれ、代わりに勾配4%ほどの第18歩兵連隊通りの登りが残り1km地点に組み込まれている。この難しい36.2kmコースで総合上位陣の間に1分以上の差がつくことも。山岳でタイムを失ったTT系オールラウンダーたちが挽回してくるだろう。



9月4日(水)第11ステージ → コースマップ
サン=パレ〜ウルダクス 180km


9月4日(水)第11ステージ サン=パレ〜ウルダクス 180km9月4日(水)第11ステージ サン=パレ〜ウルダクス 180km photo:Unipublicフランス国内のサン=パレをスタートしてピレネー山脈の北側をかすめ、3級山岳と2級山岳を経てスペインに入国し、再びフランスを走ってからスペインのウルダクスにフィニッシュする第11ステージ。終盤にかけてフランスとスペインを行ったり来たりするが文化的には同じバスク。二カ国にまたがるバスク地方をブエルタは走る。

合計3つのカテゴリー山岳が登場する中級山岳ステージは逃げ向き。数少ないチャンスをものにするためにスプリンターチームがレースを支配しない限り、序盤に飛び出したアタッカーたちが逃げ切るだろう。フランスとスペインのバスク地方を行き来する似通った周回コースが設定された2016年大会第13ステージでは逃げ切りが決まっている。



9月5日(木)第12ステージ → コースマップ
シルクイト・デ・ナバーラ〜ビルバオ 171.4km


9月5日(木)第12ステージ シルクイト・デ・ナバーラ〜ビルバオ 171.4km9月5日(木)第12ステージ シルクイト・デ・ナバーラ〜ビルバオ 171.4km photo:Unipublic第12ステージのスタート地点はナバラ州のナバラ・サーキット。過去にFIA GT1世界選手権などのモータースポーツレースが開催されたサーキットでスタートを迎えるのは2017年大会第16ステージに続く2回目。スタート後すぐ18km地点でレースは再びバスク州に入り、州都ビトリア=ガステイスを経由して同州最大の都市ビルバオを目指す。

ビルバオのフィニッシュ手前に立ちはだかるのが3つの3級山岳。登坂距離こそ短いものの、急勾配のパンチの効いた登りが3つ寄り添っている。しかも最終山岳の3級山岳アライス峠は全長2.2kmで平均勾配が12.2%に達する激坂。最大勾配が20%を超える急峻な山道はバスクファンで埋め尽くされるだろう。ビルバオのフィニッシュに飛び込んでくるのは単独もしくは少人数のグループのはずだ。



9月6日(金)第13ステージ → コースマップ
ビルバオ〜ロス・マチュコス 166.4km


9月6日(金)第13ステージ ビルバオ〜ロス・マチュコス 166.4km9月6日(金)第13ステージ ビルバオ〜ロス・マチュコス 166.4km photo:Unipublic3級山岳が4つと2級山岳が2つ、そして最後に超級山岳が1つ。バスク州のビルバオをスタートする第13ステージはカンタブリア州に広がるピコス・デ・エウロパ山脈(カンタブリア山脈)を走る。登りと下りしかないようなコースが徐々に選手たちの脚を削っていく。最後の超級山岳ロス・マチュコスの麓に到着する頃にはすでにメイン集団の人数は絞り込まれているだろう。

「バカパシエガ(パシエガ牛)」のモニュメントがある標高880mの超級山岳ロス・マチュコスは登坂距離6.8kmで平均勾配9.2%。道は細く、その路面は荒れ気味だ。最大勾配が25%に達する激坂であり、しかも後半にかけて延々と12%オーバーの急勾配が続く。残り1km地点で頂上を迎えてからフィニッシュまでは下り&平坦路。何カ所かの平坦区間を含んで平均勾配が9.2%なので、実質的な登り区間の勾配は確実に12%以上ある。マイヨロホ候補たちによる逃げも隠れもできない登坂勝負が繰り広げられる。



9月7日(土)第14ステージ → コースマップ
サンビセンテ・デラ・バルケラ〜オビエド 188km


9月7日(土)第14ステージ サンビセンテ・デラ・バルケラ〜オビエド 188km9月7日(土)第14ステージ サンビセンテ・デラ・バルケラ〜オビエド 188km photo:Unipublicスプリンターにチャンスが回ってくるのはいつぶりだろうか。カンタブリア州からアストゥリアス州に向かって大西洋の海岸線を西に向かう188kmコースは平坦基調。スプリントポイントが置かれたヒホンの街を通過すると内陸に向かい、3級山岳ラ・マデーラ峠(全長8km/平均3.5%)を越えてオビエドでフィニッシュを迎える。

最後の3級山岳からフィニッシュまでは23km。勾配が緩いため、ここまで厳しい山岳ステージを乗り越えてきたスプリンターたちは難なく集団内でクリアできるはず。この第14ステージがブエルタ第2週の唯一の平坦ステージ。スプリンターチームがメイン集団を率い、早めに逃げグループを捉える光景が見られるだろう。



9月8日(日)第15ステージ → コースマップ
ティネオ〜サントゥアリオ・デル・アセボ 154.4km


9月8日(日)第15ステージ ティネオ〜サントゥアリオ・デル・アセボ 154.4km9月8日(日)第15ステージ ティネオ〜サントゥアリオ・デル・アセボ 154.4km photo:Unipublicカンタブリア山脈の西の端、アストゥリアス州の深い山岳地帯を走る1日。第15ステージは実に4つの1級山岳が組み込まれた。獲得標高差3,500m前後のステージは1級山岳アセボ峠(全長8.2km/平均7.1%)の登坂からスタート。続く1級山岳コンニオ峠(全長11.7km/平均6.2%)と1級山岳ポソ・デ・ラス・ムヘレスムエルタス(全長11.3km/平均6.8%)を越える頃にはメイン集団は大きく人数を減らしているだろう。

そして最後はブエルタ初登場となる1級山岳サントゥアリオ・デル・アセボ(全長7.9km/平均9.7%)の山頂フィニッシュ。麓から延々と11%オーバーの勾配が続く登りをこなすと、広大な山岳風景を望む山の上のアセボ教会にたどり着く。8つある山頂フィニッシュのうちこの第15ステージが6つ目。つまりこれだけ山岳をこなしてもなお、まだ2つの山頂フィニッシュが残されている。



9月9日(月)第16ステージ → コースマップ
プラビア〜アルト・デラ・クビーリャ 144.4km


9月9日(月)第16ステージ プラビア〜アルト・デラ・クビーリャ 144.4km9月9日(月)第16ステージ プラビア〜アルト・デラ・クビーリャ 144.4km photo:Unipublicグランツールでは月曜日に休息日を迎えるのが通例だが、7月のツール同様、月曜日も走り続けて火曜日に休息日を迎える変則的なスケジュール。引き続きアストゥリアスの山岳地帯を走る第16ステージも破壊力は抜群だ。地理的にはあの悪名高いアングリル峠に近い1級山岳サンロレンソ峠(全長10km/平均8.5%)と1級山岳ラ・コベルトリア峠(全長8.3km/平均8.2%)を立て続けに越え、最後はカスティーリャ・イ・レオン州との州境に位置する超級山岳ラ・クビーリャ峠を駆け上がる。

登坂距離が17.8kmに達する平均勾配6.2%の山頂フィニッシュが大会2週目のクライマックス。決して急勾配ではないが、標高1,690mの峠道が今一度マイヨロホ候補たちの脚を試す。獲得標高差が4,000m近いこの難関山岳ステージでマイヨロホを獲得した選手は総合優勝に大きく前進したと言えるだろう。



9月10日(火)休息日



9月11日(水)第17ステージ → コースマップ
アランダ・デ・デュエロ〜グアダラハラ 219.6km


9月11日(水)第17ステージ アランダ・デ・デュエロ〜グアダラハラ 219.6km9月11日(水)第17ステージ アランダ・デ・デュエロ〜グアダラハラ 219.6km photo:Unipublicブルゴスで最後の休息日を過ごした選手たちは首都マドリード近くまで南下。アランダ・デ・デュエロからグアダラハラまで、標高1,000m前後の高地を行く219.6kmコースはスプリンター向き。カテゴリー山岳が設定されていないのは、個人TT&チームTTと最終ステージを除くとこの今大会最長ステージだけだ。

とは言え、86km地点に登場する標高1,380mのカラスコサ峠を含めてカテゴリーの付いていない峠をいくつも越えるため、十中八九の確率で集団スプリントに持ち込まれるとは限らない。スプリンターがおらず、まだステージ優勝を手にしていないチームは全力で逃げ切りを狙ってくるだろう。



9月12日(木)第18ステージ → コースマップ
コムニダ・デ・マドリード〜ベセリル・デラ・シエラ 177.5km


9月12日(木)第18ステージ コムニダ・デ・マドリード〜ベセリル・デラ・シエラ 177.5km9月12日(木)第18ステージ コムニダ・デ・マドリード〜ベセリル・デラ・シエラ 177.5km photo:Unipublic首都マドリードの北部には標高2,000m級のグアダラマ山脈が広がっている。第18ステージはそんな山岳地帯を登る峠道を4つ繋げた177.5kmの本格的な山岳ステージ。まずは1級山岳ナバセラダ峠(全長11.8km/平均6.3%)と1級山岳ラ・モルケラ峠(全長13.2km/平均5%)をクリアし、補給地点通過後にUターンする形で来た道を登り返す。

復路は1級山岳ラ・モルケラ峠(全長10.4km/平均6.7%)と1級山岳コトス峠(全長13.9km/平均4.8%)が登場。7kmの平坦区間と15kmの下り区間を経て、残り4kmから緩斜面を駆け上がってベセリル・デラ・シエラにフィニッシュする。山頂フィニッシュではないが、非常に似たコースで行われた2015年大会第20ステージではトム・デュムラン(オランダ)を脱落させたファビオ・アル(イタリア)が逆転総合首位に立っている。



9月13日(金)第19ステージ → コースマップ
アビラ〜トレド 165.2km


9月13日(金)第19ステージ アビラ〜トレド 165.2km9月13日(金)第19ステージ アビラ〜トレド 165.2km photo:Unipublicアビラとトレドという歴史的な都市を結ぶ165.2kmコースはスプリンター向き。スタート後すぐに登場する3級山岳ラ・パラメラ峠(全長12km/平均2.5%)を除いてコースの大部分は平坦だ。しかしこの時点でどれだけのスプリンターがプロトンの中に残っているかは不明。戦力が低下しているスプリンターチームがレースをまとめ上げるのは難しいかもしれない。

最後はトレドの街を見下ろすタホ川対岸の展望台を通過し、世界遺産に登録された旧市街に向かってフィニッシュする。残り1kmから登り基調で、石畳が敷かれたレイアウトはピュアスプリンターというよりもパンチャー系選手に有利だ。終盤にかけてテクニカルコーナーが続くステージは総合上位陣にとっても神経をすり減らすものになるだろう。



9月14日(土)第20ステージ → コースマップ
アレナス・デ・サンペドロ〜プラタフォルマ・デ・グレドス 190.4km


9月14日(土)第20ステージ アレナス・デ・サンペドロ〜プラタフォルマ・デ・グレドス 190.4km9月14日(土)第20ステージ アレナス・デ・サンペドロ〜プラタフォルマ・デ・グレドス 190.4km photo:Unipublic第74代ブエルタ総合優勝者を決めるのはマドリードの西側に位置するグレドス山脈。山岳地帯の入り口に位置するアレナス・デ・サンペドロから190.4kmにわたる山岳レースが始まる。1級山岳ペドロベルナルド(全長18.4km/平均4.4%)に始まり、2級、2級、3級、そして1級山岳ペーニャネグラ(全長14.2km/平均5.9%)を立て続けにクリアする。

フィニッシュ地点は標高1,750mの3級山岳プラタフォルマ・デ・グレドス。登坂距離9.4kmの平均勾配は3.8%だが、残り4kmから先は勾配7%ほどの斜面が続く。その山道の行き止まり、ハイキングの起点となる登山者用駐車場の表彰台でマイヨロホを受け取った選手が、翌日、総合優勝者としてマドリードに凱旋する。最後の3級山岳の難易度が高くないだけに、逆転狙いの選手たちは残り34km地点の1級山岳ペーニャネグラでレースを動かしてくるだろう。



9月15日(日)第21ステージ → コースマップ
フエンラブラダ〜マドリード 106.6km


9月15日(日)第21ステージ フエンラブラダ〜マドリード 106.6km9月15日(日)第21ステージ フエンラブラダ〜マドリード 106.6km photo:Unipublic3週間の長い戦いを終えんとする選手たちがマドリード郊外のフエンラブラダをスタート。互いの健闘を祝福しながらパレード走行し、総合優勝チームを先頭にマドリード中心部の周回コースに凱旋する。午後5時10分にスタートしたレースは午後8時前後にフィニッシュする予定(日の入りは午後8時24分)。

マイヨロホを含む選手たちはシベレス広場を中心にした5.8kmのT字型周回コースを9周。ツールのシャンゼリゼ同様に、最後はスプリンターたちによるバトルで締めくくられる。今年も夕闇に包まれたコムニカシオネス宮殿を背景にした表彰台に大会の主役たちが登壇する。


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