22歳の若さでコロンビアにツール初優勝の栄冠をもたらしたベルナル、7回目のポイント賞受賞の偉業を成し遂げたサガン、3回目のステージ優勝をシャンゼリゼで遂げたユアン、フランス全土を熱狂に包んだアラフィリップ。21日間の死闘を終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ1位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)

シャンゼリゼを制したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)シャンゼリゼを制したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) photo:Makoto.AYANO
信じられない。シャンゼリゼを疾走するのはシュールな感じだった。自分にとってのツール・ド・フランスはゆっくりと始まった。勝てそうにないなと思っていたけど、後半は自分にとっては信じられないくらい成功だった。今日は騒然としたスプリントだった。かなり後ろのほうの位置だった。我慢して、あとはひたすらホイールを回しただけだった。右側のほうに行くと、運の良いことに最後まで充分なスピードで走ることができた。8年前に初めてシャンゼリゼを訪れたとき、「いつかはここで勝ちたい」と言った。それが自分の初めてのツールで実現したことに驚いている!

総合1位、新人賞 エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)

コロンビア人のツール・ド・フランス初制覇。マイヨジョーヌのエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) コロンビア人のツール・ド・フランス初制覇。マイヨジョーヌのエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) photo:Makoto.AYANO
本当に信じられない。なんて言っていいかわからない。ツールを優勝してしまったけど、どうやって信じたらいいのか。すべてを理解するには2〜3日ほど必要だ。この優勝は家族に捧げて、ただ彼らを抱きしめたい。喜びの感情に満ちていて、どう表現すればいいかわからない。ぼくたちコロンビア人にとっては初めてのツールでの優勝だ。これまで数多くのコロンビア人選手が挑戦し、過去には偉大な自転車選手もいた。そして、ぼくがツールに勝った初めての選手になった! コロンビアは優勝に値する国だ。(ツール公式)

チームの関係者全員に感謝したい。チャンスを与えてくれたG(ゲラント・トーマス)に、そして自分を支え、信頼してくれたチーム全員に感謝したい。今日の自分は世界で一番幸せな人間だ。ツール・ド・フランスで優勝した。信じられない。(チーム公式)

ポイント賞、ステージ10位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

全身マイヨヴェールに身を包んで走るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)全身マイヨヴェールに身を包んで走るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto.AYANO
この7回目の緑のポイント賞ジャージにとても満足している。自分でも驚いている。毎年、ここにやってきてベストを尽くしている。初めてのポイント賞は大きなサプライズだった。いくつかのステージ優勝を狙っていただけだったけど、結果として勝利ともにポイント賞ジャージも付いてきた。2回目はツール100周年のときで、再び獲得できた。その後からは次第に簡単になってきた。言い換えれば、コントロールできるようになってきた。自分がツール・ド・フランスのポイント賞ジャージの歴史の一部になれたことが喜ばしい。今年の最高の瞬間は第5ステージで勝ったときだ。次に最高だったのは山岳ステージが短縮されたときだ。自分にとっては喜ばしいニュースだった。パリでのゴールを終えたときは、また違った大きな感情がわき上がってきた。

山岳賞 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアル)

山岳賞マイヨアポワのロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)山岳賞マイヨアポワのロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto.AYANO
良い終幕だった。それに自分にとっては、失敗は補えるという良い教訓にもなった。赤い水玉の山岳賞ジャージは、自分が好きな自転車競技の象徴であり、子供の頃から愛していたツール・ド・フランスの象徴でもある。それをシャンゼリゼで着用できて誇らしい。ちょっとした運が必要で、山岳ステージは運が良かったといえる。数年前、終盤に差し掛かったところで山岳賞ジャージを失ったけれども、今回はうまくいった。

総合敢闘賞、総合5位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

総合敢闘賞を獲得したジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)総合敢闘賞を獲得したジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO
今回のツールは素晴らしい体験で、実に独特なものだった。マイヨジョーヌを着るのは夢だった。それを14日間体験できたことは本当に信じられない。チームのみんなは、ぼくのために、そしてぼくを守るために途方もない仕事をしてくれた。自分の役割はマイヨジョーヌを着るという夢を1日でも長く延長するために、毎日戦い続けることだった。

観客からの声援は素晴らしかった。ぼくの名前を一斉に叫ぶ声や、ぼくやチームへの激励と支援は、うまく言葉では説明できないけれど、とても励みになった。ただただ感謝したい! こんなことは想像したことはなかった。本当に自分が総合5位で終わる日が来ることも想像したことがなかった。素晴らしい成績だし、忘れられないツール・ド・フランスというオマケでたっぷりのボーナスまでついてきた。

総合2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)

手を繋いでフィニッシュするエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)とゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)手を繋いでフィニッシュするエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)とゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) photo:Kei Tsuji
2年前、ぼくは鎖骨を骨折して腕を吊りながら、この場にいた。自分のバイクに乗ることができなくて挫折していた。2年たった今はツール2勝を飾れなかったことに失望はしていない!

体調を好調に持ち込めたことを誇らしく思っている。ツールの期間中は順調に走れたとは言えなかった。だけど、チームが素晴らしく、エガン(ベルナル)の初優勝に貢献できたことに満足している。表彰台に総合2位で立てたのも素晴らしい成績だといえる。

帰宅の準備をして、お店のドアを閉めて、スイッチをオフにすることができてうれしい。感情的にも精神的にも肉体的にも疲労困憊だが、楽しかった──これが子供のころに夢見たスポーツを極めるということだ。同時に、本当に大変な仕事だ。今はスイッチをオフにすることを楽しみにしている。

総合3位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)

ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)がゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)と握手ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)がゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)と握手 photo:Makoto.AYANO
格別な思いだ。自分の目標だったし、それが実現してとても満足している。自分にとっては、これが今のベストだ。今日のステージでは、ずっと注意して安全にゴールすることを心がけていた。フィニッシュラインを越えると、ようやく総合3位で終われたという感情がわき起こった。驚くべき感情だった。この成績は、これまでの自分のキャリアの中でも輝かしい成績だ。でも、これからもハングリーでいたい。チームメイトたちにも、この3週間を感謝したい。誰もが重要な役割を演じた。しかも、ステージ4勝もしている。素晴らしいツールだった。

ステージ2位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)

ハンドルを投げ込むカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)ハンドルを投げ込むカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) photo:Kei Tsuji
最後の1kmは本当に騒然としていた。チームの位置取りは完璧とは言えなかった。ぼくは左側からスプリントを仕掛けたが、ユアンがぼくの右側を回り込んでいった。残念だ。だけど、今日は単純に彼が強かった。自分にとっては不思議なツールだった。ブリュッセルで落車したが、ステージ優勝して満足している。チームにとっては、素晴らしいツールだった。ステージ4勝したし、ステフェン(クライスヴァイク)が表彰台に立てた。

総合8位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

総合8位で終えたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)総合8位で終えたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Makoto.AYANO
今日は(コロンビア人選手)全員[訳註:リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト)、セルジオルイス・エナオ(UAEチームエミレーツ)]がエガン・ベルナルを囲んで走った。みんなが実現できると信じていた夢が現実になった。エガン、ありがとう。すべてのコロンビア人を誇りで満たしてくれた。

総合9位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

完走を喜ぶアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)完走を喜ぶアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Makoto.AYANO
(6回目のチーム総合優勝について)もう1勝追加できた。選手全員と表(写真)には出ないチームスタッフ全員とともに、この勝利を誇らしく思う。チームはシーズン終了までベストを尽くして戦い続けるつもりだ。

※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation & text: Seiya.YAMASAKI