中級の山岳が連続するツール第8ステージは、序盤から最後まで190kmの長距離を逃げ切ったデヘントが制した。革命記念日でのマイヨジョーヌ着用を狙ったふたりのフランス人アラフィリップとピノ、ポイント賞のサガン、新人賞のチッコーネらのコメントを紹介します。



ステージ1位&敢闘賞 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)

喜びを爆発させたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)喜びを爆発させたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos
ステージ勝利を喜ぶトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)ステージ勝利を喜ぶトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) photo:Makoto.AYANO
残り70kmから最後の登りまで全力で走り続けた。集団が迫ってきていたけど、ひとりで逃げ続けなければならなかった。今日は一日を通してずっと調子が良かった。5分あったタイム差はすぐに3分30秒差まで縮められたけど、登りでの補給地点までは差を広げようとはしていなかった。あそこがもう一度タイム差を大きく広げるチャンスだった。

いくつかのカーブでは落車しかけたけど、なんとか切り抜けた。全身が痛いけど、最高の気分だ。チームにとってのミッションも達成できた。チームの目標は、まずはツールのステージで1勝することだった。昨日はカレブ・ユアンがあと少しで達成できそうだったんだけど。今回のツールはずっと好調だと感じてきたけど、今日の自分の脚には驚いている。

総合1位&ステージ3位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

終盤にアタックを成功させたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)終盤にアタックを成功させたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO
理想的なシナリオだった。だけど、こんなふうにうまく行くなんて確信はなかった。失うものはなにもなかった。総合成績での差は6秒だったけど、同時に大仕事だということはわかっていた。逃げが報われたのは喜ばしい。アタックして全力で走らなければならなかった。ゴールのことは知らなかった。最後の数kmはひたすら集中して速く走った。残り500mは、今しかないと考えて全力を出した。ティボー・ピノと一緒という絶好のシチュエーションじゃなければ難しかった。単独だったら失敗に終わっていたはずだ。でも、彼と一緒だったので、何回かは回復することができた。明日の革命記念日にマイヨジョーヌを着て走るなんて夢にも思わなかった。(レース公式)

失うものはなにもなかった。好調だったのでアタックした。目的はマイヨジョーヌを取り戻し、大きな満足を得ることだった。マイヨジョーヌを着た3日間は素晴らしかった。でも、革命記念日にマイヨジョーヌを身につけるのは、本当に特別で、素晴らしい体験になりそうだ。

とても素晴らしい結果だった。一日中ずっと集中して、集団の前方に位置取りしていて、チャンスだと感じたときにアタックした。ティボー(ピノ)がついてきて、彼がこの位置についてくれたのは良かった。ふたりとも、このアタックにメリットがあったからだ。なにも訊ねることすらなく、ふたりでただペダルを踏んで全力で走った。フランスの国民なら、このアタックをきっと喜んでくれたと思う。このジャージ(マイヨジョーヌ)を日曜日に誇らしげに着て、その栄誉に預かるのが楽しみだ!(チーム公式)

総合3位&ステージ2位 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)

総合順位を3位まで上げたティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)総合順位を3位まで上げたティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) (c)CorVos
昨晩から彼(アラフィリップ)のアタックの対策を立てていた。幸運なことに脚が充分に残っていたので、彼についていけた。厳しいステージが続いていて、誰もがギリギリのところで頑張っている。自分はかなり調子が良くて、まだ2週間以上残っている。少しずつだけど結果は残せると思う。

ポイント賞&ステージ5位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

メイン集団の先頭を引くペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)メイン集団の先頭を引くペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto.AYANO
今日はかなり体力を使ってしまった。グルペットにいたら、まだマシだったと思う。でも、ポイント賞のためには、グルペットじゃない選手たちと一緒にいる必要があった。今日の過酷なステージでの疲れからの回復を試みたい。

今日は勝つチャンスがまったくなかった。最後の登りが相当ハードだとわかっていたので、おそらくジュリアン(アラフィリップ)がアタックするだろうと思っていた。彼が優勝したとき(第3ステージ)と同様に、完全に彼向けの登りだった。彼はマイヨジョーヌに挑戦する大きなチャンスを手に入れ、そしてやり遂げた。おめでとう。

総合2位&新人賞 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

マイヨブランを着るジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)マイヨブランを着るジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Makoto.AYANO
本当に過酷なステージだった。全力は尽くした。チームメイトたちに感謝したい。アラフィリップのためのステージだった。彼がマイヨジョーヌを獲得したのに文句はない。彼の判断は効果的だった。彼がアタックしたときは限界だった。一日中ずっとついていくので精一杯だった。

調子には満足している。今日のようなステージで、集団前方で走れているのは順調な証拠だ。今日のような状況を対応できたことに満足している。この2日間マイヨジョーヌを着る機会を得られたのは、本当に格別な経験だった。近いうちに、いつかはわからないけど、新たなサプライズを起こしたい。

ステージ4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)

メイン集団の先頭を取ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)メイン集団の先頭を取ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) (c)CorVos
ステージの早い段階で大きな逃げが決まった。チームとしては、自分がステージを狙うことになっていた。良い仕事はできたと思う。総合系のチームは、ずっと真ん中くらいに位置取りして、逃げを助けたり、引き戻す動きをしていた。自分とチームメイト3名は最後の山岳の後で、前を走る3人を引き戻そうと全力で走ったが、残念ながら追いつけなかった。自分に挑戦する機会をくれたチームに全面的に感謝したい。今日の走りには満足している。

総合5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)

集団内でレースをこなすゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)集団内でレースをこなすゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) (c)CorVos
好調だ。でも、レースの重要なポイントでの落車が悔やまれる。

マイケル・ウッズの落車(コースアウト)につられて、ジャンニ(モスコン)と自分が落車した。ジャンニの自転車と絡んだだけだったが、かなり時間を浪費してしまった。だけど、チームメイトたちの素晴らしい働きで、集団に戻ることができた。

最後の登りで追いついて、少し前に出て上位の15〜20人くらいのところまできたときに、アラフィリップとピノが山頂に向けてアタックしてボーナスタイムを獲得したが、自分は動くだけの体力はなかった。

前方で走って、誰かを牽くことはしたくなかった。サンウェブの選手が大勢いて、それ以外の選手の数名が走ろうとしていたので、誰もが「勘弁してくれ」と思いながら、その場に留まっていた。

(落車について)じれったくて、もどかしい。同時に集団に復帰できたのは脚が好調な証拠だ。これ以上は不必要にタイムを失いたくないし、あのとき落車せずに集団についていけていたら、まったく違った展開になっていたかもしれない。だけど、なるようになるしかない。まだまだレースは数多く残っている。

総合7位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)

サインに向かうステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)サインに向かうステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
タフな一日だった。序盤からゴールまでのスピードが速かった。ツールには毎年、こんな慌ただしいステージがある。アップダウンが連続し、カーブが終わったらまたカーブになる。集団の前方で注意しながら走らなければならない。ジョージ(ベネット)やワウト(ファンアールト)、ローレンス(デプルス)らのおかげで、うまく走れた。

ステージの序盤では、誰もが前のほうでレースをしようとしていたけど、ある時点でそれが止んだ。だから、前のほうに出やすくなった。ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ(第6ステージ)のときより好調だと思う。今日のような日はステージを安全にゴールして、静かにしてタイムを失わないことのほうが肝心だ。チーム全体としてもうまく走れた。



※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation & text: Seiya.YAMASAKI

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