2010年4月18日、ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1)の最終第5ステージが行なわれ、上りスプリントでセルジオ・リベイロ(ポルトガル、バルボット)が優勝。アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が3度目の総合優勝に輝いた。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 photo:Vuelta a Castilla y Leon最終ステージは3級山岳が一つ設定された171km。全体的に細かいアップダウンが連続するコースであり、ラスト1kmで高低差30mを駆け上がってゴールに至る。

ハイスピードな進行を見せた集団から、20km地点でアタックを成功させたのは8名。マルケル・イリサール(スペイン、レディオシャック)やグリシャ・ニアマン(ドイツ、ラボバンク)、ホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(スペイン、アンダルシア・カハスール)ら。タイム差は4分まで広がった。

上りスプリントでホセアルベルト・ベニテス(スペイン、フットオン・セルヴェット)を下したセルジオ・リベイロ(ポルトガル、バルボット)上りスプリントでホセアルベルト・ベニテス(スペイン、フットオン・セルヴェット)を下したセルジオ・リベイロ(ポルトガル、バルボット) photo:Vuelta a Castilla y Leonメイン集団は、前日の個人タイムトライアルで優勝してリーダージャージを獲得したコンタドール擁するアスタナがコントロール。しかし先頭が人数を揃えていることもあり、タイム差は思うように縮まらない。

逃げグループは1分リードのままラスト10kmに向かい、人数を減らしながら懸命に逃げを続行。イリサールらが最後まで抵抗したが、ゴールが近づくとともに集団の足音が接近。結局ラスト1kmアーチ通過後に逃げは吸収。それと同時に、上り基調のゴール前でスプリント勝負が始まった。

集団内で両手を広げてゴールするアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)集団内で両手を広げてゴールするアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Vuelta a Castilla y Leonポイント賞ジャージを着るテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)を始めとする有力スプリンターたちは、それまでの上りで後退したためスプリントに絡めず。軽量級の選手たちによるスプリント勝負で、ポルトガル出身の29歳リベイロが勝利した。

ポルトガルのコンチネンタルチーム・バルボットに所属するリベイロは、2006年のヴォルタ・アン・アレンテホで総合優勝しているオールラウンダー。このカスティーリャ・イ・レオンでは2005年にもステージ優勝を飾っている。これがキャリア9勝目だ。

総合表彰台 左から2位イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)、優勝アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)、3位エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)総合表彰台 左から2位イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)、優勝アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)、3位エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) photo:Vuelta a Castilla y Leonリーダージャージを着るコンタドールは集団内でゴールし、自身3度目のカスティーリャ・イ・レオン総合優勝を決めた。コンタドールにとって、パリ〜ニースとヴォルタ・アン・アルガルヴェに次ぐ今シーズン3つ目のステージレース総合優勝だ。

コンタドールはスペイン・マルカ紙のインタビューで「逃げグループが強力で、しかもゴール前は上り。でもチームは状況をコントロール出来ていた。チームの走りはパーフェクトで、自分の調子もかなりいい状態にある。今回は山岳と個人TTでバランスよくリードを広げることが出来た。レースを通して脚の感触はとても良かったよ」と語っている。総合2位にはイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)、総合3位にはエセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)が入った。

エース選手のアシストに携わった別府史之(レディオシャック)は35位で最終ステージを終え、総合46位に。レディオシャックは総合トップ10に3名を送り込む安定した走りでチーム総合優勝に輝いた。もちろんフミも表彰式に出席。なお、アイスランドの火山噴火に伴うフライトキャンセルにより、フミはチームカーでフランスに帰国する予定だ。

レース展開はレース公式サイトより。

ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン2010第5ステージ結果
1位 セルジオ・リベイロ(ポルトガル、バルボット)             3h50'06"
2位 ホセアルベルト・ベニテス(スペイン、フットオン・セルヴェット)
3位 アンヘル・ビシオソ(スペイン、アンダルシア・カハスール)
4位 ハビエル・モレーノ(スペイン、アンダルシア・カハスール)
5位 パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル)
6位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)
7位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ)
8位 ダビド・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
9位 ステファン・デニフル(オーストリア、サーヴェロ・テストチーム)
10位 フィリペ・カルドソ(ポルトガル、ラ・ロタ・ドス・モベイス)
35位 別府史之(日本、レディオシャック)

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)            16h56'01"
2位 イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)               +41"
3位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)          +1'20"
4位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)         +1'30"
5位 ダビド・ベルナベウ(スペイン、バルボット)                +2'30"
6位 ハビエル・モレーノ(スペイン、アンダルシア・カハスール)         +2'51"
7位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)
8位 ステファン・デニフル(オーストリア、サーヴェロ・テストチーム)      +2'58"
9位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)                  +3'06"
10位 ホセルイス・ルビエラ(スペイン、レディオシャック)            +3'17"
46位 別府史之(日本、レディオシャック)                   +18'17"

ポイント賞
テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム) 

山岳賞
イバン・マヨス(スペイン、フットオン・セルヴェット)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:Vuelta a Castilla y Leon