第81回ヘント〜ウェヴェルヘムは序盤から筋書きのないサバイバルレースが展開され、最後は30名によるゴールスプリントに。終盤に動いたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が圧倒的なスプリントを披露してライバルを退けた。



スロバキア国旗にサインするペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)スロバキア国旗にサインするペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVosゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos

ヘントにほど近い街ダインゼをスタートヘントにほど近い街ダインゼをスタート (c)CorVos
ヘント〜ウェヴェルヘム2019 コースプロフィールヘント〜ウェヴェルヘム2019 コースプロフィール (c)www.gent-wevelgem.be
E3・ビンクバンククラシックを2日前に終え、ロンド・ファン・フラーンデレンを1週間後、パリ〜ルーベを2週間後に控える中開催されたのが、モニュメントを除いて最も格式高いフランドルクラシックと呼ばれるヘント〜ウェヴェルヘム(UCIワールドツアー)だ。

1934年にスタートし、今年で開催81回目。ロンドとルーべに比べれば歴史は浅いものの、その格式と重要度は非常に高い。石畳を得意とするクラシックレーサーがフルメンバーで出場し、屈強なアシスト陣がその脇を固める。第1次世界大戦の戦後100周年に合わせ、同大戦の舞台となった地域を通過するため2015年からは「ヘント〜ウェヴェルヘム:イン・フランダースフィールズ・クラシック」という正式名称が採用されている。

コースはヘントにほど近い街ダインゼをスタートし、前半区間は北海からの風が吹き付ける中海岸線を目指して北上する。4日前のドリダース・ブルージュ〜デパンヌのフィニッシュ地点デパンヌを通過してから再び内陸に戻り、合計10箇所の連続急坂をクリアしてウェヴェルヘムへと至る。コース全長251.5kmと、モニュメント以外では最長距離を走るクラシックレースだ。

最後の登坂区間にして最大の勝負どころであるケンメルベルグ(距離502m/平均11.6%/最大22%)から30km区間は平坦路であるため、クラシックレースを得意とするスプリンターにもチャンスがある。近年は単独逃げ切りや小集団スプリントで勝敗が決まることが多く、2018・16・13年優勝者のペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)や2017年覇者のグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)など豪華メンバーが顔を揃えた。

横風と追い風の影響で有力勢ばかりの18名が抜け出した横風と追い風の影響で有力勢ばかりの18名が抜け出した (c)CorVos
18名の先頭グループを率いるマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)やペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)18名の先頭グループを率いるマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)やペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos逃げグループに入ったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)やマッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)逃げグループに入ったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)やマッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード) (c)CorVos

逃げた18名を追いかけるロット・スーダルらメイン集団逃げた18名を追いかけるロット・スーダルらメイン集団 (c)CorVos
この日も気温は17度まで上昇したが、強い追い風と横風に乗じて各チームが序盤から猛烈なペースアップを敢行する。1時間以上も50km/hオーバーで突き進んだ集団から逃げが生まれることはなく、反対に複数のエシュロンが形成。力の無い選手たちが次々と千切れていくサバイバル状態の中、各チームのエース級選手ばかりが乗った、超強力な先頭グループが生まれた。

逃げたのはサガンやドイツ王者パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)、マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)、ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)、マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)、 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)、ニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー)といった合計18名。5名を乗せたユンボ・ヴィズマや、4名を乗せたトレック・セガフレードが中心となって逃げを率い、およそ1分差でロット・スーダルやアージェードゥーゼル・ラモンディアールが牽引するメイン集団から逃げ続けた。

5名を乗せたユンボ・ヴィズマが逃げグループを率いる5名を乗せたユンボ・ヴィズマが逃げグループを率いる (c)CorVos
1度目のケンメルベルグでペースを上げるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)1度目のケンメルベルグでペースを上げるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVosファンアールトを追いかけるマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)やマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)ファンアールトを追いかけるマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)やマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos


130kmを消化して急勾配が連続する区間に入り、最大22%を誇る1度目のケンメルベルグではアベレージ637Wでファンアールトが加速したことでアッカーマンやデゲンコルプが脱落。ドゥクーニンク・クイックステップから唯一逃げに乗ったティム・デクレルク(ベルギー)も集団に戻り、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)とゼネク・スティバル(チェコ)のアシストに回った。

8箇所の急坂モンテベルグを通過した平坦区間ではエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)がアタックし、サガンとトレンティン、そしてマイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が追従。時間を置いて合流したロウを除いて他メンバーはメイン集団に飲み込まれたため、フィニッシュまで45kmを残し、レース状況は先頭5名をメイン集団が1分差で追う展開に切り替わる。

未舗装区間を逃げるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)ら4名未舗装区間を逃げるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)ら4名 (c)CorVos
終盤に集団から抜け出したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)終盤に集団から抜け出したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) (c)CorVosバーネベルグでメイン集団からマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が抜け出すバーネベルグでメイン集団からマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が抜け出す (c)CorVos


メイン集団からはアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が単独追走に。続くラスト2つ目のバーネベルグで逃げに乗っていたファンデルポールがアタックし、ファンアールトがチェックを行う。シクロクロスで数多くの名勝負を繰り広げてきたライバル同士のランデブーは連続して訪れる2度目のケンメルベルグを前に潰えたものの、続けざまにファンアールトがアタック。今度はスティバルを従えて頂上をクリアし、一人旅を続けていたクリストフに合流。しかしケンメルベルグでメイン集団から生き残った14名がローテーションを回し、30kmを残して危険なファンアールトらを引き戻した。

最後の登坂区間を終え、残りは30km。ケンメルベルグで遅れたヴィヴィアーニやガビリア、デゲンコルプらスプリンター勢が合流したことでメイン集団が再び勢いを取り戻し、ドゥクーニンク・クイックステップとトレック・セガフレードの牽引によって先頭サガングループとの距離を詰めていく。残り17kmで逃げとメイン集団が合流したことで、サガンたちの長い長い逃げが終わりを迎えた。

最終盤に単独アタックしたニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー)最終盤に単独アタックしたニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー) (c)CorVos
テルプストラを吸収し、残り6kmから逃げたセバスティアン・ラングフェルド(オランダ、EFエデュケーションファースト)らテルプストラを吸収し、残り6kmから逃げたセバスティアン・ラングフェルド(オランダ、EFエデュケーションファースト)ら (c)CorVos
テルプストラやペデルセンなどが積極的にアタックを繰り返し、フィニッシュまで6kmを切ってペデルセン、アムントグレンダール・ヤンセン、セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、EFエデュケーションファースト)、ジャック・バウアー(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット)が先行する。勢い良く逃げた4人が先行のままラスト1kmバナーをくぐったものの、スプリント体制に向かう集団が残り300mで最後まで逃げたバウアーをキャッチ。アドリアン・プティ(フランス、ディレクトエネルジー)先頭でスプリントが始まった。

ファンデルポールは囲まれたことで出遅れ、好位置から発進したクリストフが先頭に立つ。サバイバルレース後のスプリントに強いデゲンコルプがクリストフを追撃したものの、17秒間に渡って平均1094W、最大1432W、最高スピード61.9km/hを叩き出した前欧州王者との距離は広がるばかり。2015年のロンド覇者クリストフが初のヘント制覇を成し遂げた。

圧倒的なスプリントで先着したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)圧倒的なスプリントで先着したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos
初のヘント〜ウェヴェルヘム制覇を遂げたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)初のヘント〜ウェヴェルヘム制覇を遂げたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos地面に倒れこむジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)地面に倒れこむジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード) (c)CorVos

ヘント〜ウェヴェルヘム2019表彰台ヘント〜ウェヴェルヘム2019表彰台 (c)CorVos
「残り10kmあたりでガビリアと話し、自分がスプリントを狙うと決めたんだ。もちろん疲れもあったけれど集団全員が厳しいレースを走っていた中では自分が最強だった。春のクラシックの中で重点を置いていたヘントで勝てて本当に嬉しい」と語るクリストフ。現在31歳のクリストフはこれまでよりも短時間高強度のトレーニング方法に切り替えた中での勝利だったという。この後は2度目の制覇を狙うフランドルに照準を合わせる予定だ。

「汚い言葉を使いたくはないけれど、最高に、とんでもなく、信じられないくらいキツかった」と言い、ゴール後に倒れこんだデゲンコルプが2位を確保し、オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)がミラノ〜サンレモに続いて表彰台を獲得。ファンデルポールは4位で、以下ダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、プティと続く。

ヴィヴィアーニが失速したため、ドゥクーニンク・クイックステップ勢の上位入賞は無し。第一集団でフィニッシュしたのはコース変更後の2015年以降最も多い28名だった。

ヘント〜ウェヴェルヘム2019結果
1位アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)5:26:08
2位ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)
3位オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
4位マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)
5位ダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
6位アドリアン・プティ(フランス、ディレクトエネルジー)
7位マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
8位リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
9位マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)
10位イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・スーダル)
text:So.Isobe
photo:CorVos
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