イタリア、トスカーナ地方でGPインダストリア&アルティジアナート(UCI1.HC)が行われた。残り11km地点から抜け出した2人による勝負に持ち込まれ、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が移籍後初勝利を飾った。



GPインダストリア&アルティジアナート2019 コースプロフィールGPインダストリア&アルティジアナート2019 コースプロフィール (c)www.ciclismolarcianese.itストラーデ・ビアンケの翌日、同じイタリア・トスカーナ地方にてGPインダストリア&アルティジアナート(UCI1.1)が開催された。

レースの拠点となる街の名から「GPラルチアーノ」とも呼ばれるレースは2つの周回コースをそれぞれ4周回する199.2km。後半の周回では300mの登坂「サン・バロント」が組み込まれる。最後のKOM頂上からゴールまではほぼダウンヒルのみであり、登坂力のあるアタッカーに有利だ。

今年はボーラ・ハンスグローエやモビスターなど7のワールドチームに加え、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ(初山翔が出場)など合計25チームが参加。イタリア籍のジョッティ・ヴィクトリア・パロマールに移籍した小林海も顔を揃えた。

序盤からの7名エスケープは早々に捕らえられ、サン・バロントが組み込まれた周回コースに入ると集団は一つに。雨に濡れたツイスティなアップダウンコース上でアタック合戦が続き、マヌエーレ・モーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ)やエドゥアルド・プラデスとホセ・ロハス(共にスペイン、モビスター)、チェザーレ・ベネディッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、マティア・カッタネオ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ネーリソットリ・セッライタリア・KTM)ら9名が先行する形でラスト1周回の鐘を聞く。

マティア・カッタネオ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)を下したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)マティア・カッタネオ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)を下したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
強力な逃げグループだったが、ミヒャエル・アルバジーニ(スイス)擁するミッチェルトン・スコットの牽引によってメイン集団が最後のサン・バロントでキャッチ。アンドローニジョカトリ・シデルメクが攻撃の主導権を握ると、ゴール10kmを残してカッタネオとマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が飛び出した。

最大勾配17%を誇るサン・バロント頂上をおよそ20秒リードでクリアした2人。背後の集団は人数を揃えていたものの、危険なウェットコーナーが続くダウンヒルは逃げる2人に味方する。リードを維持したまま一騎打ちに持ち込まれ、カッタネオのスプリントをリードアウトに使ったシャフマンが先着した。

GPインダストリア&アルティジアナート2019表彰台GPインダストリア&アルティジアナート2019表彰台 (c)CorVos
「昨日のストラーデ・ビアンケではパンクに見舞われフィニッシュでは足が攣ってしまったけれど、そこから上手くリカバリーできた。今日は雨で落車が頻発する難しいレースだったものの、最後のクライマー勢のアタック合戦をフォローする余裕があったんだ。昨日落胆したぶん喜びは大きいよ」と、地元イタリア勢を打破したシャフマンは言う。2年在籍したクイックステップからボーラ・ハンスグローエに移籍した25歳にとって移籍後初勝利となった。

また、初山と小林はDNF。完走人数は全体の約半分、90名というサバイバルレースだった。
GPインダストリア&アルティジアナート2019結果
1位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 4h40'01"
2位 マティア・カッタネオ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
3位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) +14"
4位 パオロ・トト(イタリア、サンジェミニ・トレビジャーニ・MG.クヴィス)
5位 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、イタリアナショナルチーム)
6位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ネーリソットリ・セッライタリア・KTM)
7位 エフゲニー・シャルノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)
8位 マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
9位 エドゥアルド・プラデス(スペイン、モビスター)
10位 ルーカス・エリクソン(スウェーデン、リワル・レディーネス)
text:So.Isobe
photo:CorVos

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