セラミックスピードのオーバーサイズプーリーに、スラムのフロントシングルコンポーネントに最適化された「OSPW X」がついに登場。Force 1/Rival 1のリアディレイラーに適合した、シクロクロスバイクやグラベルロードのチューンアップパーツを紹介しよう。



スラムの1×コンポーネントに最適化された世界初のビッグプーリーキット「OSPW X」スラムの1×コンポーネントに最適化された世界初のビッグプーリーキット「OSPW X」 (c)ceramicspeed
セラミックスピード OSPW Xセラミックスピード OSPW X (c)ceramicspeedチェーンの駆動抵抗を減らしパワー節約を叶えるチューンアップパーツとして人気のビッグプーリー。今や様々なブランドが趣向を凝らし開発を進めているが、その中でも過去アージェードゥーゼールやディメンションデータ、アスタナなどのワールドチームに選ばれてきたのがセラミックスピードである。機材トラブルを嫌ってか純正プーリーを使うチームが多い中、唯一信頼性を勝ち取ってきたメーカーとも言えるだろう。

ブランド名にもある通りセラミックベアリングに定評のある同社は、BBやハブなど回転系カスタムパーツの最高峰として多くのプロチームも採用しているほど。コンマ数秒を争うタイムトライアルでは特殊なコーティングを施したUFOチェーンも度々投入されてきた。

そんなセラミックスピードが誇るビッグプーリーキットが、”Oversized Pulley Wheel”の頭文字を取った「OSPW」である。プーリー自体にセラミックベアリングを採用しスムーズな回転を実現するとともに、超大径プーリーによって回転数を抑えパワーロスを低減。またチェーンの屈折度合いを抑えることで摩擦抵抗も低減してくれる。

ロードレースの世界で十分な結果を残してきたOSPWの次なる一歩として開発されたのが、今回登場した「OSPW X」だ。オフロードの機材にもビッグプーリーのメリットを提供するべく、シクロクロスU23世界王者のトーマス・ピッドコック、サクソバンク等で活躍した元プロロードレーサーのマッズ・クリステンセンとともに昨年夏からテストを繰り返してきたのだという。

OSPW Xを装着したトーマス・ピッドコックのバイクOSPW Xを装着したトーマス・ピッドコックのバイク photo:Nobuhiko.Tanabe
シクロクロスやグラベルバイクではフロントシングルコンポーネントも多用される昨今。OSPW Xはスラムの1×コンポーネントである、Force 1とRival 1(ともにType 3)のリアディレイラーに最適化された世界初のビッグプーリーキットとして生み出された。一般的にクラッチ式のリアディレイラーは、構造上通常モデルよりもシフトやチェーン駆動時の抵抗が大きくなってしまうが、このOSPW Xは純正パーツに比べ30~40%も摩擦抵抗を抑えることに成功している。

Type 3のクラッチ機構を持つリアディレイラーのみに適合するType 3のクラッチ機構を持つリアディレイラーのみに適合する (c)ceramicspeedチェーン暴れを抑えるクラッチ機構による高いスプリングテンションに耐えるため、ロードモデルよりもケージを太くすることで強度を確保。ビッグプーリーとしての効果を最大化しつつ、シフティング精度も煮詰めた結果、上側14T/下側18Tという歯数が採用されている。またオフロードモデルとして、プーリーの歯先はナローワイド設計としチェーンの保持力を高めている。

ケージロックのデザインが異なるためApex 1には適合しない点には注意が必要。またType 2.1のクラッチ機構を持つ旧型ディレイラーにも不適合だ(ケージロックボタンが5時ではなく8時の方向に付いているディレイラーのみに対応)。

高品質なセラミックスピードのベアリングを搭載することで純正プーリーよりも3~5倍の長寿命を発揮。セラミックベアリング専用の潤滑オイルも付属する。価格はスタンダード仕様で67,000円(税抜)、より滑らかな回転を実現するコーティングベアリング仕様で78,000円(税抜)だ。取り扱いはトライスポーツ。




セラミックスピード OSPW X
素材:ケージ/カーボン強化ポリアミド、プーリー/アルミ
適合モデル:スラムForce 1x11 / Rival 1x11 Type3
※Apex 1には不適合
プーリーサイズ:上14T、下18T
最大スプロケット歯数:42T
価格:
スタンダードベアリング 67,000円(税抜)
コーティングベアリング 78,000円(税抜)


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