3級山岳クリア後にフィニッシュが引かれたサンフアン第2ステージで、独走に持ち込んだジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利。中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が10位に入る健闘を見せた。
青い水を湛えるプンタネグラダムの堤防を走る (c)CorVos
アルゼンチンを舞台に開催中のブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)は2日目。サンフアン北部の街チンバスをスタートし、プンタネグラダムを目指す130.3kmで争われた。
当初は160.2kmのコースが予定されていたものの、この日は気温が37度まで上昇したことを受け、主催者はコース短縮を決定。3級山岳を含む28.1kmの周回コースを3周回(当初は4周回)し、最後の山岳ポイントを通過したすぐ先にフィニッシュラインが設けられた。
この日はハミッシュ・シュルーズ(ニュージーランド、イスラエルサイクリングアカデミー)が単独逃げを決めたため、メイン集団は約4分のリードを与えてコントロール。ドゥクーニンク・クイックステップなどワールドツアーチーム勢を中心に、地元南米勢もペースメイクに加わって残り距離を減らしていく。
荒々しい風景の中を進む集団 (c)CorVos
単独で逃げ続けたハミッシュ・シュルーズ(ニュージーランド、イスラエルサイクリングアカデミー) (c)CorVos
落車したマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
プンタネグラダムの堤防へと登る3級山岳。登坂距離1100m、平均勾配は8.2% (c)CorVos
残り10kmを切ると粘り強く逃げていたシュルーズは引き戻され、ここからフィニッシュに向けての動きが活性化する。距離1100m、平均勾配8.2%の登坂を駆け上がる集団先頭を固めたのはナイロ・キンタナ(コロンビア)擁するモビスターだった。
ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)の牽引で集団が急激に縮小する中、頂上手前で仕掛けたのはジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)。ここにキンタナ、そしてティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)が飛びつき3名が飛び出す形となった。
ワールドツアー所属選手3名が、およそ30名強の集団から数秒差でエスケープ。しかしローテーションが回らず、これを嫌ったアラフィリップの単独先行に切り替わる。下ハンドルを握って逃げるアラフィリップは、ベノートとキンタナを飲み込んだ集団を背に独走を続けた。
集団有利のダム湖外周道路を飛ばし、急速に距離を詰めてくる集団を振り切ったアラフィリップが独走勝利。タイム差ゼロでなだれ込んだ集団の先頭はシモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)で、チームのアシストを受けた中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が10位に入った。
独走を成功させたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
0秒差の集団先頭はシモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos
アラフィリップの勝利を喜ぶレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
「チームの素晴らしい働きもあってモチベーションは高かったけれど、アタックした時は独走勝利できるなんて思ってもみなかった。自分自身に驚いたという他ないよ。オフシーズンのトレーニングが上手くいった証にもなったし本当にハッピーだ」と驚きをコメントするアラフィリップ。集団とのタイム差が0秒だったため、登りで苦しみつつも12位に食い込んだフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が3秒差でリーダージャージを守っている。
また、10位に食い込んだ中根は総合成績で7位と同タイムの26位にジャンプアップ。「風が強かったので周回コースでは上りでも平坦でも集団内はかなりナーバスだったけど、チーマ兄弟のアシストが完璧過ぎた。信頼してくれてありがとう。ただ最後、まだ力も経験も不足していた。次はこうしようああしようと改善すればもっと上に行けるはず。明後日もみんなで頑張ってきます」と自身のTwitterにコメントしている。
また、注目のネオプロ、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)はステージ15位に入りヤングライダー賞首位に浮上している。
翌日の第3ステージは一直線の平坦路を往復する12kmの短距離個人タイムトライアルだ。

アルゼンチンを舞台に開催中のブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)は2日目。サンフアン北部の街チンバスをスタートし、プンタネグラダムを目指す130.3kmで争われた。
当初は160.2kmのコースが予定されていたものの、この日は気温が37度まで上昇したことを受け、主催者はコース短縮を決定。3級山岳を含む28.1kmの周回コースを3周回(当初は4周回)し、最後の山岳ポイントを通過したすぐ先にフィニッシュラインが設けられた。
この日はハミッシュ・シュルーズ(ニュージーランド、イスラエルサイクリングアカデミー)が単独逃げを決めたため、メイン集団は約4分のリードを与えてコントロール。ドゥクーニンク・クイックステップなどワールドツアーチーム勢を中心に、地元南米勢もペースメイクに加わって残り距離を減らしていく。




残り10kmを切ると粘り強く逃げていたシュルーズは引き戻され、ここからフィニッシュに向けての動きが活性化する。距離1100m、平均勾配8.2%の登坂を駆け上がる集団先頭を固めたのはナイロ・キンタナ(コロンビア)擁するモビスターだった。
ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)の牽引で集団が急激に縮小する中、頂上手前で仕掛けたのはジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)。ここにキンタナ、そしてティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)が飛びつき3名が飛び出す形となった。
ワールドツアー所属選手3名が、およそ30名強の集団から数秒差でエスケープ。しかしローテーションが回らず、これを嫌ったアラフィリップの単独先行に切り替わる。下ハンドルを握って逃げるアラフィリップは、ベノートとキンタナを飲み込んだ集団を背に独走を続けた。
集団有利のダム湖外周道路を飛ばし、急速に距離を詰めてくる集団を振り切ったアラフィリップが独走勝利。タイム差ゼロでなだれ込んだ集団の先頭はシモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)で、チームのアシストを受けた中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が10位に入った。



「チームの素晴らしい働きもあってモチベーションは高かったけれど、アタックした時は独走勝利できるなんて思ってもみなかった。自分自身に驚いたという他ないよ。オフシーズンのトレーニングが上手くいった証にもなったし本当にハッピーだ」と驚きをコメントするアラフィリップ。集団とのタイム差が0秒だったため、登りで苦しみつつも12位に食い込んだフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が3秒差でリーダージャージを守っている。
また、10位に食い込んだ中根は総合成績で7位と同タイムの26位にジャンプアップ。「風が強かったので周回コースでは上りでも平坦でも集団内はかなりナーバスだったけど、チーマ兄弟のアシストが完璧過ぎた。信頼してくれてありがとう。ただ最後、まだ力も経験も不足していた。次はこうしようああしようと改善すればもっと上に行けるはず。明後日もみんなで頑張ってきます」と自身のTwitterにコメントしている。
また、注目のネオプロ、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)はステージ15位に入りヤングライダー賞首位に浮上している。
翌日の第3ステージは一直線の平坦路を往復する12kmの短距離個人タイムトライアルだ。
ブエルタ・ア・サンフアン2019第2ステージ結果
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3h11'33" |
2位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
5位 | ダニエル・ザモラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) | |
6位 | カルロス・バルベロ(スペイン、モビスター) | |
7位 | リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) | |
8位 | ニコラス・テヴァニ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) | |
9位 | フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
10位 | 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) |
個人総合成績
1位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 7h01'32" |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +03" |
3位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | +07" |
4位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | +09" |
5位 | ミゲール・ガメロ(ペルー、ペルーナショナルチーム) | +12" |
6位 | リカルド・エスケーラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) | +13" |
7位 | ニコラス・テヴァニ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) | |
8位 | アレクサンドル・グリゴーリェフ(ロシア、ポルトガルスポーツクラブティバラ)) | |
9位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | ローレアノ・ロサス(アルゼンチン、アソシアシオンシビルマルダン) |
山岳賞
1位 | ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 9ots |
2位 | ダニエル・ザモラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) | 7pts |
3位 | ハミッシュ・シュルーズ(ニュージーランド、イスラエルサイクリングアカデミー) | 5pts |
ヤングライダー賞
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 7h01'45" |
2位 | ジーノ・マーダー(スイス、ディメンションデータ) | |
3位 | アレクサンドル・カスタノ(コロンビア、ベルトラミTsa) |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 21h05'15" |
2位 | ボーラ・ハンスグローエ | |
3位 | モビスター |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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