前年度の覇者不在のマイヨロホ争い。ツール・ド・フランスで苦汁をなめたニバリやポート、キンタナ、イェーツ兄弟や、ジロ・デ・イタリアに続く出場となるロペス、アル、ピノら、ブエルタ・ア・エスパーニャの総合優勝候補を紹介します。


スペインの情熱を表す真っ赤なリーダージャージ

総合リーダーの証である真っ赤なマイヨロホ総合リーダーの証である真っ赤なマイヨロホ photo:Tim de Waele / TDWsportレッドジャージを意味するマイヨロホはブエルタ・ア・エスパーニャ最高の栄誉。長年にわたって金色のマイヨオロが採用されていたが、2010年にツール・ド・フランス主催者のASOがブエルタ主催者Unipublicに資本参入を開始したことを受け、黄色いマイヨジョーヌとの混同を避けるためにスペインのナショナルカラーである赤色に変更された。

ツールのマイヨジョーヌ、ジロのマリアローザにあたる個人総合成績のリーダージャージであり、毎日のステージ成績を積算し、その最も少ない選手が翌日のステージでマイヨロホを着る。つまり最終日を終えた時点でマイヨロホを着ている選手がブエルタ総合優勝の栄冠に輝く。2013年からジャージスポンサーを務めるのは売り上げ世界2位のスーパーマーケットチェーン「カルフール」だ。

ボーナスタイムは2018年も健在。ブエルタでは個人TTを除く各ステージの上位3名(1位10秒、2位6秒、3位4秒)と中間スプリントポイント上位3名(1位3秒、2位2秒、3位1秒)にボーナスタイムが与えられるため、山頂フィニッシュで活躍する選手が加速度的に総合リードを広げることになる。



2017年大会 総合1位クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)、総合2位ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、総合3位イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)2017年大会 総合1位クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)、総合2位ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、総合3位イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) photo:CorVos


ディフェンディングチャンピオン不在 絶対的候補不在のマイヨロホ争い

第73回大会に出場する176名のうち、総合優勝経験があるのは4名。2009年大会の覇者アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)と2016年大会の覇者ナイロ・キンタナ(コロンビア)が揃うモビスターにとって、地元スペインのブエルタは決して落とすことのできないタイトルだ。ツールでバルベルデとキンタナとともにモビスターの三銃士を担ったミケル・ランダ(スペイン)は落車の影響で欠場するが、山岳ステージの比率が高いブエルタはモビスター向き。ツール総合10位に終わったキンタナが、ジロ・デ・イタリアでブレイクしたリチャル・カラパス(エクアドル)らのサポートを得る。

2010年大会の覇者で、2017年大会総合2位のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)はゼッケン1を付けての出場。ツールでは総合4位で走りながらもラルプデュエズの落車でリタイアを余儀なくされた。ツール以降レースに出場していないためコンディションは未知数だが、再びイサギレ兄弟(スペイン)とタッグを組む。グランツール最終戦で輝きを取り戻すことができるだろうか。

ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:Luca Bettiniナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Luca Bettini

ニバリと同様に、ツールを落車でリタイアしたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)にとってもブエルタは再起をかけた場所になる。ポートは2012年大会に出場して総合68位。グランツールではまだ総合表彰台に上ったことがないが、ローハン・デニス(オーストラリア)やディラン・トゥーンス(ベルギー)のアシストを受けるポートをマイヨロホ候補に挙げる声は強い。

2017年大会で総合3位に入ったイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)や、総合4位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)は再び総合争いに絡んでくるはず。ジロとツールをスキップしたケルデルマンはブエルタで巻き返しを図る。オランダ勢としては、ツール総合5位のステフェン・クライスヴァイク(ロットNLユンボ)やバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)も揃う。クライスヴァイクはジロ総合8位のジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)とダブルエース体制で挑むことになるだろう。

リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsujiウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) photo:CorVos

ミッチェルトン・スコットのエースを担うのはジロで13日間マリアローザを着たサイモン・イェーツ(イギリス)。さらに、双子の兄弟で、ツールでエースをになったアダム・イェーツ(イギリス)も出場する。ともにグランツールで2回総合トップ10フィニッシュしている瓜二つの2人が、2015年のツールと2017年のブエルタに続く3回目のグランツール兄弟出場を果たす。

ジロを総合3位で終え、マリアビアンカを獲得したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)は、ジロ総合6位ペリョ・ビルバオ(スペイン)のサポートを受けての出場。2017年のブエルタでステージ2勝を飾って総合8位に入った24歳のコロンビアンクライマーは直前のブエルタ・ア・ブルゴスを総合2位で終えている。

コロンビア勢としては、ツール途中リタイアのリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)の名前も。ウランは2017年ブエルタで総合7位に入ったマイケル・ウッズ(カナダ)とダブルエースを組むことになりそうだ。

サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsujiミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:Kei Tsuji

失意のジロとその後の沈黙期間を経てファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)が復活。2015年ブエルタの総合優勝者アルは、直前のツール・ド・ポローニュを総合10位で終えている。チームからはツールを総合10位で終えたダニエル・マーティン(アイルランド)も出場。アルと同様にジロで精彩を欠いたティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)もツールをスキップしてブエルタに照準を合わせている。

現在グランツール4連勝中なのがイギリスのチームスカイ。ジロ覇者フルームとツール覇者トーマスは揃って同時期開催のツアー・オブ・ブリテンに出場する。二大巨頭を欠いたチームでエースを担うのはブエルタ・ア・ブルゴス総合3位のダビ・デラクルス(スペイン)とツール・ド・ポローニュ総合優勝のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)だ。平均年齢27歳という若いメンバー構成でタイトル防衛に挑むことになる。

ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:Kei Tsujiダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ)ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ) photo:A.S.O.



ブエルタ・ア・エスパーニャ2017総合成績
1位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)       82h30'02"
2位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)     +2'15"
3位 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)      +2'51"
4位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)           +3'15"
5位 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)    +3'18"
6位 ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)             +6'59"
7位 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)       +8'27"
8位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)           +9'13"
9位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)     +11'18"
10位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)    +15'50"



ブエルタ歴代総合優勝者
2017年 クリストファー・フルーム(イギリス)
2016年 ナイロ・キンタナ(コロンビア)
2015年 ファビオ・アル(イタリア)
2014年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2013年 クリストファー・ホーナー(アメリカ)
2012年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2011年 ファンホセ・コーボ(スペイン)
2010年 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)
2009年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2008年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2007年 デニス・メンショフ(ロシア)
2006年 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)
2005年 デニス・メンショフ(ロシア)
2004年 ロベルト・エラス(スペイン)
2003年 ロベルト・エラス(スペイン)
2002年 アイトール・ゴンザレス(スペイン)
2001年 アンヘル・カセロ(スペイン)
2000年 ロベルト・エラス(スペイン)
1999年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ)
1998年 アブラハム・オラーノ(スペイン)
1997年 アレックス・ツェーレ(スイス)
1996年 アレックス・ツェーレ(スイス)
1995年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1994年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1993年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1992年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1991年 メルチョル・マウリ(スペイン)
1990年 マルコ・ジョヴァネッティ(イタリア)

text:Kei Tsuji
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