ツール・ド・フランスを走ったバイク特集も第10弾。今回はツール直前にルックからBHにサプライヤー変更を行ったフォルトゥネオ・サムシックを紹介。爽やかなチームカラーを纏うULTRALIGHT EVOとAerolightにフォーカスします。



ワレン・バルギル(フランス)のULTRALIGHT EVOワレン・バルギル(フランス)のULTRALIGHT EVO photo:Makoto.AYANO
バルギルはゼロオフセットのSL-Kシートポストを使用するバルギルはゼロオフセットのSL-Kシートポストを使用する photo:Makoto.AYANOカーボンステムとアルミハンドルという一風変わった組み合わせカーボンステムとアルミハンドルという一風変わった組み合わせ photo:Makoto.AYANO

セラミックスピードのオーバーサイズプーリーケージを使用。ツール前に準備された模様だセラミックスピードのオーバーサイズプーリーケージを使用。ツール前に準備された模様だ photo:Makoto.AYANOクランクセットはFSAのPOWERBOX。バルギルは52-36Tと比較的コンパクトな歯数をチョイスクランクセットはFSAのPOWERBOX。バルギルは52-36Tと比較的コンパクトな歯数をチョイス photo:Makoto.AYANO


それまで使用していたルックから急遽、ツール開幕直前の6月27日にBHへの機材変更をアナウンスしたフォルトゥネオ・サムシック。バイクに慣れる間もなく開幕ステージを迎えたものの、積極的に逃げに乗ったケヴィン・ルダノワ(フランス)が序盤に山岳賞ジャージを着用するなど一定以上の活躍を収めていた。

今ツールから使用されているメインバイクは、軽量オールラウンダーのULTRALIGHT EVOだ。エアロロードのG7やディスクブレーキモデルは使われず、パヴェステージも含め全てのロードステージをこのバイクで通した。なお用意が間に合わなかったためか、スペアバイクはグレーと蛍光オレンジの市販モデル。TTバイクは鮮やかなレッド一色のAerolightだ。

コンポーネントは少数派のスラムで、ハイエンドグレードのRED eTapを全選手が使用中。ただしFSAとの結び付きが強いチームだけにクランクセットはPOWER2MAXがオリジナルとするPOWER BOX。メインバイクのみリアディレイラーはセラミックスピードのオーバーサイズプーリーケージで回転性能をチューンアップ(ツール以前のレースでは採用されていなかった模様)されていた。なお、チームリーダーを務めたワレン・バルギル(フランス)は52-36Tとプロ選手としてはコンパクトなチェーンリングを使用していた。

タイヤはヴィットリアのCORSA。スタンダードな25mmを使用し、グレーサイドモデルも使われていたタイヤはヴィットリアのCORSA。スタンダードな25mmを使用し、グレーサイドモデルも使われていた photo:Makoto.AYANOホイールはコリマ。カーボンハブのSシリーズをメインとし、バルギルは勝負どころでMCCホイールはコリマ。カーボンハブのSシリーズをメインとし、バルギルは勝負どころでMCC"S+"を選んでいた photo:Makoto.AYANO

20ステージを前にアップする選手たち。ノーマルバイクにTTハンドルを取り付けたセットアップが見える20ステージを前にアップする選手たち。ノーマルバイクにTTハンドルを取り付けたセットアップが見える photo:Makoto.AYANOスペアバイクとして用意されたULTRALIGHT EVOは市販カラーで、ビックプーリーケージも未装備スペアバイクとして用意されたULTRALIGHT EVOは市販カラーで、ビックプーリーケージも未装備 photo:Makoto.AYANO


ホイールは継続してコリマだが、アルミハブのWSシリーズをメインとするアスタナとは異なり、カーボンハブ仕様のSシリーズがメイン。山岳コースでは32mm、平坦コースでは47mmとリムハイトを変えていたほか、バルギルはここ一番の勝負どころで前後12本カーボンスポーク仕様のMCC"S+"を使用していた。

なお第3ステージのチームタイムトライアルではTTバイクの前輪に3バトンホイール、後輪にディスクホイールを使用していたが、20ステージではTTバーを取り付けたノーマルバイクに前後58mmハイトのS+ホイールで望む選手も少なくなかった。組み合わせるタイヤはヴィットリアのCORSA(25mm)だ。

蛍光レッド眩しいTTバイク、Aerolight。UCIのスタッフがメカニカルドーピングのチェック中蛍光レッド眩しいTTバイク、Aerolight。UCIのスタッフがメカニカルドーピングのチェック中 photo:Makoto.AYANO
FSAのエアロチェーンリングを組み合わせているFSAのエアロチェーンリングを組み合わせている photo:Makoto.AYANOTTバイクのハンドルはヴィジョンで揃えられていたTTバイクのハンドルはヴィジョンで揃えられていた photo:Makoto.AYANO


また、バルギルはカーボンステム(OS 99-CSI)にアルミハンドル(ENERGY)と、一風変わった組み合わせを選んでいることが特徴。シートポストはゼロセットバックのK-FORCEだ。

また、BHへの機材変更に伴い、コンピュータもガーミンからワフーへと切り替わっている。ルックはペダルサプライヤーとして残っている模様で、バルギルのバイクにはツール・ド・フランスエディションのペダルが投入されていた。

text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO