冷たい雨の中、4つの3級山岳を含む200kmオーバーの厳しいコースで行なわれたヴォルタ・アン・アルガルヴェ第2ステージ。ゴール200m手前から始まる最大15%の上りで飛び出したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)が、今シーズン6勝目を飾った。

雨のポルトガルをレインジャケットを着込んだ選手たちが走る雨のポルトガルをレインジャケットを着込んだ選手たちが走る photo:Cor Vos今大会最長207.5kmのロングコースが設定された第2ステージ。中盤にかけて標高500mクラスの3級山岳が4つ設定されており、ゴール地点も上り坂に設置されている。暖かな太陽に包まれた第1ステージとは打って変わって、冷たい雨が降るタフステージとなった。

レースは序盤からダヴィド・ヴィトリア(スイス、フットオン・セルヴェット)やジェレミー・ハント(イギリス、サーヴェロ・テストチーム)ら5名が飛び出し、雨の中をエスケープ。最大12分のアドバンテージを得た。

逃げグループを積極的に牽くダヴィド・ヴィトリア( スイス、フットオン・セルヴェット)逃げグループを積極的に牽くダヴィド・ヴィトリア( スイス、フットオン・セルヴェット) photo:Cor Vosメイン集団はフランセーズデジューがコントロール。やがてゴールまで30kmを残して、先頭ではヴィトリアの独走が始まる。メイン集団はサムエル・サンチェス(スペイン)擁するエウスカルテルが牽引し、ゴールに向けてヴィトリアを追った。

先頭ヴィトリアはラスト1kmのアーチを独走のまま通過し、ラスト200mから始まる上りに突入。しかしヴィトリアは最大15%のこの上りで失速し、後続に追い抜かれてしまう。

集団内で走るリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)とアンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)集団内で走るリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)とアンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) photo:Cor Vosヴィトリアはレース後「悔しい気持ちでいっぱいだ。ラスト3〜4kmで落車してしまった。あの落車が無ければ逃げ切れていたと思う。最後の上りに差し掛かった時、あまりの急な勾配に脚が止まってしまった。ベストを尽くしたよ。これがロードレースだ」と悔しいコメントを残している。

ヴィトリアの吸収後、集団から飛び出したのはグライペル。ツアー・ダウンアンダーでステージ3勝&総合優勝を飾ったグライペルが、ダウンアンダー新人賞のユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)を振り切ってゴールを駆け抜けた。

最大勾配15%の上りスプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)最大勾配15%の上りスプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:Cor Vos「ずっとチームメイトに『諦めるな』と鼓舞されながら走ったんだ。調子が悪かったから、何度も諦めかけた。ゴール前の上りで最後の逃げ(ヴィトリア)が捕まったのを見てスプリントしたんだ」とグライペルはレースを振り返る。

「山岳でもっとアタックが掛かるだろうと予想していたけど、この悪天候でみんな黙り込んでいた。最後まで集団に食らいついて走れるとは思ってなかったよ。これは自慢したくなるようなスペシャルな勝利だ」と語るグライペル。ボーナスタイムにより、同時に総合トップに立っている。

ラスト120mで吸収され、失意のダヴィド・ヴィトリア( スイス、フットオン・セルヴェット)ラスト120mで吸収され、失意のダヴィド・ヴィトリア( スイス、フットオン・セルヴェット) photo:Cor Vosしかしグライペルの総合首位の座は短命になると予想される。翌第3ステージは2級の頂上ゴールが設定された今大会最難関の山岳ステージ。アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)やリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)らの山岳バトルに注目だ。

レース展開や選手コメントはチームHTC・コロンビア公式サイト、フットオン・セルヴェット公式サイトより。


ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2010第2ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)      6h06'39"
2位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)           +04"
4位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)           +06"
5位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ)
6位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
8位 ヨハン・クーネン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
9位 ブノワ・ヴォグルナール(フランス、フランセーズデジュー)
10位 フランチェスコ・レーダ(イタリア、クイックステップ)

個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)      10h17'12"
2位 ブノワ・ヴォグルナール(フランス、フランセーズデジュー)        +05"
3位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)        +08"
4位 ホアン・オラク(スペイン、カチューシャ)                +12"
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)            +14"
6位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)            +20"
7位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
8位 マチュー・ラダニュ(フランス、フランセーズデジュー)
9位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ)
10位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)

ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)

山岳賞
ジェローム・バウニーズ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)

チーム総合成績
チームHTC・コロンビア

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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