オペラのハイエンドモデルとして不動の地位を築く「レオナルド」。09年、満を持してリリースされたのは、レオナルドを昇華する"スーパー"レオナルドだ。そのテイスティなデザインは他とは一味違う輝きを放つ。

オペラ・スーパーレオナルドオペラ・スーパーレオナルド (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp

ピナレロのプレミアムブランドとしての存在意義



ダウンチューブはボリュームある三角形断面ダウンチューブはボリュームある三角形断面 1997年、ピナレロ社はオリジナルの「ピナレロ」に加えまったく新しいブランド「オペラ」を創りだす。ピナレロとならび、カリスマティックなブランドとしてその地位を確立せんとするオペラ。ピナレロ以上に大胆で画期的なラインナップに目を奪われる。

それもそのはず、オペラは、優れていながらもピナレロブランドで採用されなかった技術や造形、斬新的なアイデアを惜しげなく投入するブランドとして誕生したのだ。



新型のオーパス・カーボンフォーク新型のオーパス・カーボンフォーク 設計とデザイン、生産管理はすべてピナレロ社によっておこなわれており、その品質もピナレロ社によって保証される。ピナレロクオリティの兄弟ブランド。ピナレロファンに提示する新たな選択肢。それがオペラだ。

バイクの名称には偉大なアーティストの名を冠している。それは偉人たちの功績がオペラを作り上げる上で大きなインスピレーションを受けているからだという。

その造形、スペックはレオナルドの名に恥じない

躍動感があるダイナミックなフレームデザイン、スペシャルなカーボンチューブ形状。そしてインパクトある美しいグラフィック。美と運動能力を良質にしたそのスペックは、レオナルドの名に恥じない名品と呼ばれ、語り継がれることになるだろう。





新型のオーパス・カーボンバックステー新型のオーパス・カーボンバックステー フレーム素材には46HM3Kカーボンを使用する。日本の東レ製カーボンファイバーを使った高級素材だ。造形技術はカーボンモノコック構造となり、ピナレロブランドのプリンスカーボンやFPシリーズのテクノロジーを継承している。無論、その斬新な形状も同様だ。

その形状から生み出されるのは、なにも心に与えるインパクトだけではない。スプリンターの爆発的パワーをダイレクトにスピードへ変換する剛性、そしてエアロ効果。さらにハイスピードコーナリングでも優れた安定性を発揮する新型オーパス・フロントフォーク。ヘッド付近の剛性も呼応しダウンヒル時のハードブレーキングにもレスポンス良く反応するという。

理想に近いイントロダクション。さて、そのデザインフルなフレーム形状はどのように走りに影響するのだろうか。


インプレッション


より斬新なデザインが特徴的


浅見和洋(なるしまフレンド)



「スピードを追求したロングライドに向きそうだ」(浅見和洋)「スピードを追求したロングライドに向きそうだ」(浅見和洋) 特徴的なデザインはピナレロ・プリンスに通じるが、より斬新な形状はオペラならではだ。
その外観からは運動性能が予想もつかない。

走り出してみると、瞬間的な加速性はややマイルドだが、スピードの伸びはよく、高速巡航性能は優れているだろう。おそらく瞬間的な加速力というよりも、巡航時の安定感やスピード持続性に主眼を置いているのだと思われる。そういった背景もあり、振動吸収性はそれなりに高い。

あくまでもコンペティティブロードであり、振動吸収性の面から考察するとフロント周りの突き上げはある。フォーク剛性は運動性能の「要」であり、レースを想定するならば一向に気にならない。ロングライド的な走りでもスピードを求めるのなら、路面からのインフォーメーションを的確に伝えるので利点と言えるだろう。

レーシングスペックながら、ロングライド向きの安定感と質感をもっている。サイクリングを楽しむような人に向いているだろうか。あくまでもスピードを追求した「ロングライド」が、このフレームの価値を見いだせる走り方だろう。ラグジュアリーなビジュアルも所有欲を満たしてくれる。週末のサイクリングが楽しみになるはずだ。


まさにグランツーリスモな乗り味


山本健一(バイクジャーナリスト)



「逆オフセット形状のフォークがダウンヒル時に不思議な粘り性能を発揮する」(山本健一)「逆オフセット形状のフォークがダウンヒル時に不思議な粘り性能を発揮する」(山本健一) 思ったよりもしっとりとした踏みだし。プリンスのような硬質なイメージではなく、緩やかに加速していく雰囲気があるものの、スピードが増し、ペダルに込める踏力が高まってもフレーム剛性は衰えることなく推進力に変換されていくようだ。

巡航性能はかなり高いが、重量による慣性が働いているわけでもなく、ホイールもいたってノーマル(高級モデルながら)であった。イーブンペース時の走行感は比較的優れているだろう。

ハンドリングはややピーキーな仕上がり。従来とは一線を画すフォーク形状によるものと思われるが、推測する「たわみ方」が一般的なフォークと異なる印象。違和感を覚えるほどではないが、挙動が新鮮だった。一方、振動吸収性は高め。剛性を確保しながらも振動を減衰するような仕掛けに思われる。

フレーム全体の剛性レベルはかなり高めだろうが、それを表面に出さずに乗り味を快適にしようとする努力がみられる。

とはいっても、運動性能は前述のようにハイレベル。ヒルクライムなどパワーライド系にもよく反応してくれる。

峠越えやダウンヒルが楽しくなるグランツーリスモなモデルといえるだろう。その頼もしい躯体とともに、ロングライドでヒルクライムやダウンヒルを楽しみたい。

オペラ・スーパーレオナルドオペラ・スーパーレオナルド (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp

フレームスペック


フレームマテリアル 46HM3Kハイモジュラスカーボン
フロントフォーク OPUS CARBON 46HM3K
カラー レッド、ホワイト×レッド
サイズ 43、46、49、51cm
希望小売価格 398,000円(フレームセット)

インプレライダーのプロフィール


浅見和洋(なるしまフレンド)浅見和洋(なるしまフレンド) 浅見和洋(なるしまフレンド)
プロショップ「なるしまフレンド原宿店」スタッフ。身長175cm、体重65kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質は厳しい上りがあるコースでの活躍が目立つクライマータイプだ。ダンシングでパワフルに走るのが得意。最近の嗜好は日帰りロングランにあり、例えば東京から伊豆といった、距離にして300kmオーバーをクラブ員らと楽しんでいる。
なるしまフレンド
山本健一(バイクジャーナリスト)山本健一(バイクジャーナリスト) 山本健一(バイクジャーナリスト)
身長187cm、体重68kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質はどちらかといえばスピードマンタイプで上りは苦手。1000mタイムトライアル1分10秒(10年前のベストタイム)がプチ自慢。インプレッションはじめ製品レビューなどがライフワーク的になっている。インプレ本のバイブル、ロードバイクインプレッション2009(エイ出版社)の統括エディターもつとめる。




text:山本健一
edit&photo:綾野 真
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