5月20日から27日にかけて開催される日本最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の記者発表会が、東京都内で開催された。各ステージの詳細や出場チーム、新たなスポンサーの発表もされた。



東京・恵比寿の「スバル・スター・スクエア」で開催されたツアー・オブ・ジャパン公式記者発表会東京・恵比寿の「スバル・スター・スクエア」で開催されたツアー・オブ・ジャパン公式記者発表会 photo:Satoru Kato
21回目の開催となる今年のツアー・オブ・ジャパン。2013年からUCI2.1クラスのステージレースとなり、規模だけでなくクラスも国内最高のステージレースとして開催されている。今年も大阪をスタートし、東京のフィニッシュまで8日間8ステージのレースが行われる。

昨年に続きベアリングメーカーのNTN株式会社が大会の冠スポンサーを務め、大会名は「NTN presents 2018ツアー・オブ・ジャパン」となる。昨年は各ステージで「NTN回る学校」と題する課外授業を開催し、2000人が参加した。今年も、ベアリングを通して環境問題を考えるワークショップや、ベアリング組み立て体験などが各ステージで催される。

新たに大会スポンサーとなる「ウルフ・ブラス」のワイン新たに大会スポンサーとなる「ウルフ・ブラス」のワイン photo:Satoru Kato今年のツアー・オブ・ジャパンのリーダージャージを囲むNTN株式会社の大橋啓二 常務取締役、ツアー・オブ・ジャパン組織委員会の石黒克巳会長、栗村修・大会ディレクター今年のツアー・オブ・ジャパンのリーダージャージを囲むNTN株式会社の大橋啓二 常務取締役、ツアー・オブ・ジャパン組織委員会の石黒克巳会長、栗村修・大会ディレクター photo:Satoru Kato

さらに今年は、オーストラリアのワインブランド「ウルフ・ブラス」が加わることも発表された。ウルフ・ブラスは1966年に設立されたワインブランド。これまでに9200以上のメダルやトロフィーを獲得し、国際的に評価の高いワインを造る。

また、後援として自転車活用推進本部が新たにつくことが決まった。これは昨年5月に施行された「自転車活用促進法」により国土交通省に設置された部署で、大会ディレクターの栗村修氏によれば、5月の自転車月間を象徴するイベントとしてツアー・オブ・ジャパンが開催されると言う。

堺ステージと富士山ステージに変更あり

8ステージの開催地は変わらず。5月20日に堺での個人タイムトライアルでスタートし、京都、いなべ、美濃、南信州、富士山、伊豆と東に進み、東京にフィニッシュする。各ステージの開催日は以下の通り。

5月20日 第1ステージ 堺(大阪府)
5月21日 第2ステージ 京都(京都府)
5月22日 第3ステージ いなべ(三重県)
5月23日 第4ステージ 美濃(岐阜県)
5月24日 第5ステージ 南信州(長野県)
5月25日 第6ステージ 富士山(静岡県)
5月26日 第7ステージ 伊豆(静岡県)
5月27日 第8ステージ 東京(東京都)

堺ステージの個人タイムトライアルはスタート・フィニッシュの位置が変更になる堺ステージの個人タイムトライアルはスタート・フィニッシュの位置が変更になる photo:Satoru Katoふじあざみラインで行われる富士山ステージふじあざみラインで行われる富士山ステージ (c)TOJ

堺ステージと富士山ステージはコースに変更が加えられる。

個人タイムトライアルとなる大阪ステージは、これまで仁徳御陵古墳前をスタート・フィニッシュとしていたが、スタート地点をコースの南側(これまでの第2コーナーの先)に移動し、フィニッシュ地点をその手前(これまでの第2コーナー)とする。これにより距離が少し短くなり、2.6kmのタイムトライアルとなる。

富士山ステージは大きく変わる予定だ。これまではふじあざみラインの11.4kmのみでのヒルクライムだったが、その前の区間でレースが出来るように現在調整中で、詳細は決まり次第発表される。工学院大学が制作したソーラーカーが伊豆ステージのパレードで走る工学院大学が制作したソーラーカーが伊豆ステージのパレードで走る photo:Satoru Katoただし、ふじあざみラインは3月5日に起きた土石流が馬返し付近を横断している状態で、4月の冬季通行止め解除が遅れる可能性がある。復旧状況によっては更なる変更の可能性もある。

また、伊豆ステージは修善寺駅前からのパレードが復活し、工学院大学が制作したソーラーカーが走る。このソーラーカーは、オーストラリアで開催された「2017ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」に出場したもので、3021kmを走破し、チャレンジャークラス7位という結果を出している。今回、特別に許可を受けて走ることになった。

海外8チーム+国内8チーム 計16チームが出場
昨年はヨン・イラストルサ(バーレーン・メリダ)が東京ステージで優勝昨年はヨン・イラストルサ(バーレーン・メリダ)が東京ステージで優勝 photo:Satoru.Kato出場チームは、ワールドツアーチームのバーレーン・メリダをはじめとする海外8チームと、国内8チームの計16チーム。

・UCIワールドツアーチーム
バーレーン・メリダ(バーレーン)

・UCIプロコンチネンタルチーム
イスラエル・サイクリング・アカデミー(イスラエル)
NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ(イタリア)昨年はステージ3勝を挙げたマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)昨年はステージ3勝を挙げたマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Satoru.Kato

・UCIコンチネンタルチーム
ベネロング・スイスウェルネス・サイクリングチーム(オーストラリア)
HKSIプロ・サイクリングチーム(香港)
JLTコンドール(イギリス)
LXサイクリングチーム(韓国)
チームイルミネート(アメリカ)

・国内チーム
チーム右京
キナンサイクリングチーム
宇都宮ブリッツェン
マトリックスパワータグオスカル・プジョル(チーム右京)の3連覇はあるのか?オスカル・プジョル(チーム右京)の3連覇はあるのか? photo:Satoru.Kato
愛三工業レーシングチーム
シマノレーシングチーム
チームブリヂストンサイクリング
日本ナショナルチーム

出場選手については今後の発表になる。同時期に開催されるジロ・デ・イタリアとの兼ね合いもあるが、大物選手の出場も期待したいところだ。

「スポーツブル」が全ステージライブ中継
大会の模様はBS日テレが6月下旬に総集編を放送。また、「スポーツブル」が全ステージをライブ中継する。レース終了後はまるごとアーカイブされるほか、事前告知番組も放送される予定だ。視聴は無料。詳細は下記にリンクを記しているのでご参照を。

スバル・レヴォーグの前でTOJキッズと写真に収まる栗村修大会ディレクター、小野寺玲、窪木一茂スバル・レヴォーグの前でTOJキッズと写真に収まる栗村修大会ディレクター、小野寺玲、窪木一茂 photo:Satoru KatoNTNのブースでコマを回すTOJキッズNTNのブースでコマを回すTOJキッズ photo:Satoru Kato

ALLEZ!Tシャツを着て壇上で記念撮影に収まる一般参加の皆さんALLEZ!Tシャツを着て壇上で記念撮影に収まる一般参加の皆さん photo:Satoru Kato
窪木一茂、小野寺玲を交えてのトークショー窪木一茂、小野寺玲を交えてのトークショー photo:Satoru KatoNTNのブースでコマを回すTOJキッズNTNのブースでコマを回すTOJキッズ photo:Satoru Kato

大会ディレクターの栗村氏は、ツアー・オブ・ジャパンは「アジアで一番厳しいレース」を目指すと言う。新たな試みも始まる今年のツアー・オブ・ジャパンに期待しよう。

text&photo:Satoru Kato