イタリアのガゼッタ紙が伝えたところによると、2009年のジロ・デ・イタリア期間中のドーピング違反が発覚したダニーロ・ディルーカ(イタリア)に対し、CONI(イタリア五輪委員会)は2月1日、2年間の出場停止処分を与え、28万ユーロの罰金を課した。ディルーカはCAS(スポーツ仲裁裁判所)に控訴する予定だ。

2009年ジロで総合2位に入ったダニーロ・ディルーカ(イタリア、当時LPRブレークス)2009年ジロで総合2位に入ったダニーロ・ディルーカ(イタリア、当時LPRブレークス) photo:Kei.Tsuji2009年のジロ・デ・イタリアで総合2位に入り、主役としてレースを大きく盛り上げたディルーカ。しかし大会期間中の5月20日と28日に行なわれたドーピング検査でCERA(第3世代EPO)の陽性が発覚し、後のBサンプル再検査で陽性が確定した。

12月の時点でCONIの検察はディルーカに対して3年間の出場停止処分を要請。その内訳は、基本処分期間の2年間と、WADA(世界アンチドーピング機関)が2009年1月1日に採択した新規定を適用した1年間。CONIの裁決機関が最終審議を行なっていた。

今回CONIが出した判決は、2年間の出場停止処分。これでディルーカの処分が確定したことになる。加えてCONIは「ドーピング違反者は年俸の70%を支払わなければならない」というUCI(国際自転車競技連合)の倫理規定に則って28万ユーロ(約3500万円)の罰金と、ドーピング検査等の経費2040ユーロ(約26万円)の支払いをディルーカに命じている。

ディルーカ本人はドーピング陽性が発覚した当初から無罪を訴え続けている。今回の判決を受けてもディルーカはその姿勢を崩していない。

「今からCAS(スポーツ仲裁裁判所)に訴える。まだまだ闘いは終わっていない。まだロードレースにサヨナラを言うのには早すぎる。まだやり残していることがあるんだ。2年間の出場停止処分が明ける前にロードレースに戻ってくるよ」。

ディルーカの出場停止処分は2011年7月21日に明ける予定。その時ディルーカは35歳だ。

text&photo:Kei Tsuji