2月13日に第9回ツアー・オブ・オマーンが開幕した。中東3連戦の中でクライマーにチャンスがある6日間の戦いは、ツール欠場が決まっているブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト)のスプリント勝利で幕開けている。
スタートしていく選手たち photo:A.S.O.
ツアー・オブ・オマーン2018第1ステージ photo:A.S.O.2017年にツアー・オブ・カタールが中止されたことで、ツール・ド・フランス主催者A.S.O.(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)が手がける唯一の中東レースとなったツアー・オブ・オマーン。カタールが砂漠のレースであるのに対し、オマーンは山のレース。UCIクラスは超級で、その山がちな地形からグランツールで上位に絡むようなオールラウンダーたちを集める。
2018年の第9回大会に出場したのはUCIワールドチームが9チーム(BMCレーシング、UAEチームエミレーツ、バーレーン・メリダ、アスタナ、ディメンションデータ、サンウェブ、トレック・セガフレード、クイックステップフロアーズ、カチューシャ・アルペシン)に、UCIプロコンチネンタルが9チーム。RCSスポルトがUAE(アラブ首長国連邦)で主催するドバイツアーとアブダビツアーに開催時期が挟まれており、連戦で出場する選手も多い。
第1ステージは内陸のニズワから首都マスカット近郊のサルタン・カブース大学を目指す162.5kmで行われた。スタート直後にファーストアタックを決めたのは、ドバイツアーでも積極的に逃げていたコノール・デューン(アイルランド、アクアブルースポート)。身長204cmの大柄なデューンにはマキシム・ファラジン(ベルギー、スポートフラーンデレン)とブラム・ウェルテン(オランダ、フォルトゥネオ・サムシック)、ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)が追い付いた。
幅広い幹線道路を逃げる4名 photo:A.S.O.
内陸のニズワから海岸線に向かって北上を続ける photo:A.S.O.
山岳地帯を抜け、平野を目指す162.5km photo:A.S.O.
最大4分30秒のリードを得ながら逃げた4名に対し、メイン集団ではコフィディスとサンウェブが先頭に立ってスプリントへの意思表示。2つのスプリントポイントを先頭通過したペリションは中間スプリント賞トップに立つとともにボーナスタイム合計6秒を得ている。
スプリンターチームによって逃げは残り8km地点で吸収。クイックステップフロアーズやディメンションデータもポジション争いに加わりながら大集団が幹線道路を高速巡航する。しかしドバイツアーと比べてどのチームもリードアウトを築けない。混戦の中から人数を揃えるヴィタルコンセプトが隊列を組んで残り1km地点を駆け抜けた。
最終ストレートに入り、サンウェブのエドワード・トゥーンス(ベルギー)がマックス・ヴァルシャイド(ドイツ)のために最後のリードアウト。残り200mで先頭に出てしまったヴァルシャイドが腰を上げ、その後ろにジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)、ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)の並びでスプリントが始まった。
真っ先にニッツォーロが先頭を奪うも、コカールとカヴェンディッシュが並んで追い抜く。「ポジションが後ろ過ぎた」というカヴェンディッシュを、ハイケイデンスでもがき続けたコカールが振り切った。
スプリントで先着したブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) photo:A.S.O.
今シーズン初勝利を飾ったブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) photo:A.S.O.
「いつもチームメイトが最高のポジションに連れていってくれていたのに勝てていなかった。ASOの初招待レースで結果を残せて嬉しい」。今シーズンすでにトップ3フィニッシュを4回経験しているコカールが今シーズン初勝利を喜んだ。ディレクトエネルジーでエーススプリンターを担っていたコカールは、今年ジェローム・ピノーが立ち上げたUCIプロコンチネンタルチームのヴィタルコンセプトに移籍。しかし新生フランスチームはツール・ド・フランスへの出場を逃している。
「今日は残り3kmからの長い直線路で集団の前に出て、良いポジションで残り1200mの最終コーナーをクリアすることが必須条件。チームメイトたちが完璧なお膳立てをしてくれた。残り500mでサンウェブが被せてきた時、今日が誕生日のクリス(ボックマンス)に導かれてヴァルシャイドの番手をキープ。タイミングを待って、残り100mからの加速にすべてをぶつけた」とコカール。総合首位に立ったものの、翌日の第2ステージはフィニッシュ手前に登りが設定された決してスプリンター向きではないレイアウト。「登りをクリアできるかどうかわからないけど、最大限の力で食らいついてみせる」と語っている。
新チームに初勝利をもたらしたブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) photo:A.S.O.


2018年の第9回大会に出場したのはUCIワールドチームが9チーム(BMCレーシング、UAEチームエミレーツ、バーレーン・メリダ、アスタナ、ディメンションデータ、サンウェブ、トレック・セガフレード、クイックステップフロアーズ、カチューシャ・アルペシン)に、UCIプロコンチネンタルが9チーム。RCSスポルトがUAE(アラブ首長国連邦)で主催するドバイツアーとアブダビツアーに開催時期が挟まれており、連戦で出場する選手も多い。
第1ステージは内陸のニズワから首都マスカット近郊のサルタン・カブース大学を目指す162.5kmで行われた。スタート直後にファーストアタックを決めたのは、ドバイツアーでも積極的に逃げていたコノール・デューン(アイルランド、アクアブルースポート)。身長204cmの大柄なデューンにはマキシム・ファラジン(ベルギー、スポートフラーンデレン)とブラム・ウェルテン(オランダ、フォルトゥネオ・サムシック)、ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)が追い付いた。



最大4分30秒のリードを得ながら逃げた4名に対し、メイン集団ではコフィディスとサンウェブが先頭に立ってスプリントへの意思表示。2つのスプリントポイントを先頭通過したペリションは中間スプリント賞トップに立つとともにボーナスタイム合計6秒を得ている。
スプリンターチームによって逃げは残り8km地点で吸収。クイックステップフロアーズやディメンションデータもポジション争いに加わりながら大集団が幹線道路を高速巡航する。しかしドバイツアーと比べてどのチームもリードアウトを築けない。混戦の中から人数を揃えるヴィタルコンセプトが隊列を組んで残り1km地点を駆け抜けた。
最終ストレートに入り、サンウェブのエドワード・トゥーンス(ベルギー)がマックス・ヴァルシャイド(ドイツ)のために最後のリードアウト。残り200mで先頭に出てしまったヴァルシャイドが腰を上げ、その後ろにジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)、ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)の並びでスプリントが始まった。
真っ先にニッツォーロが先頭を奪うも、コカールとカヴェンディッシュが並んで追い抜く。「ポジションが後ろ過ぎた」というカヴェンディッシュを、ハイケイデンスでもがき続けたコカールが振り切った。


「いつもチームメイトが最高のポジションに連れていってくれていたのに勝てていなかった。ASOの初招待レースで結果を残せて嬉しい」。今シーズンすでにトップ3フィニッシュを4回経験しているコカールが今シーズン初勝利を喜んだ。ディレクトエネルジーでエーススプリンターを担っていたコカールは、今年ジェローム・ピノーが立ち上げたUCIプロコンチネンタルチームのヴィタルコンセプトに移籍。しかし新生フランスチームはツール・ド・フランスへの出場を逃している。
「今日は残り3kmからの長い直線路で集団の前に出て、良いポジションで残り1200mの最終コーナーをクリアすることが必須条件。チームメイトたちが完璧なお膳立てをしてくれた。残り500mでサンウェブが被せてきた時、今日が誕生日のクリス(ボックマンス)に導かれてヴァルシャイドの番手をキープ。タイミングを待って、残り100mからの加速にすべてをぶつけた」とコカール。総合首位に立ったものの、翌日の第2ステージはフィニッシュ手前に登りが設定された決してスプリンター向きではないレイアウト。「登りをクリアできるかどうかわからないけど、最大限の力で食らいついてみせる」と語っている。

ツアー・オブ・オマーン2018第1ステージ結果
1位 | ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) | 3:58:41 |
2位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) | |
3位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
4位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | |
5位 | マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | |
6位 | アダム・ブライス(イギリス、アクアブルースポート) | |
7位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | ブラム・ウェルテン(オランダ、フォルトゥネオ・サムシック) | |
9位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | |
10位 | ボリス・ヴァレー(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) |
個人総合成績
1位 | ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) | 3:58:31 |
2位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) | 0:00:04 |
3位 | ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) | |
4位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:00:06 |
5位 | マキシム・ファラジン(ベルギー、スポートフラーンデレン) | 0:00:08 |
6位 | ブライアン・ファンフーテン(オランダ、ルームポット) | |
7位 | コノール・デューン(アイルランド、アクアブルースポート) | |
8位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | 0:00:10 |
9位 | マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | |
10位 | アダム・ブライス(イギリス、アクアブルースポート) |
ポイント賞
1位 | ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) | 15pts |
2位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) | 12pts |
3位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | 9pts |
ヤングライダー賞
1位 | マキシム・ファラジン(ベルギー、スポートフラーンデレン) | 3:58:39 |
2位 | マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | 0:00:02 |
3位 | ブラム・ウェルテン(オランダ、フォルトゥネオ・サムシック) |
チーム総合成績
1位 | カチューシャ・アルペシン | 11:56:03 |
2位 | スポートフラーンデレン | |
3位 | アクアブルースポート |
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