山岳地帯で開催されたチャレンジマヨルカ第2戦で、ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)との一騎打ちを制したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が勝利。終始アタックを繰り返したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)は3位に入り復調をアピールした。



マヨルカ島北西部の山岳地帯を走るトロフェオ・セッラデトラムンターナマヨルカ島北西部の山岳地帯を走るトロフェオ・セッラデトラムンターナ (c)vueltamallorca.com
温暖なマヨルカ島で開催されているチャレンジマヨルカの第2戦は、山岳地帯が広がる島北西部を舞台にしたトロフェオ・セッラデトラムンターナ(UCI1.1)。スタート直後から2級、3級、2級、2級、2級、3級と終始カテゴリー山岳が連続するアップダウンコースであり、各チームが昨日からメンバーを多少入れ替えつつスタートラインに並んだ。

アタッカーにもチャンスがあるコースに向けて激しいアタック合戦が繰り返されたが、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)擁するモビスターが徹底的に集団をコントロールして潰しに掛かる。イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)が含まれた逃げも10秒程度のリードを得るに留まり、45km地点でソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イスラエルサイクリングアカデミー)が単独逃げに持ち込んだことでようやく落ち着きを見せた。

序盤から出入りの激しい展開が繰り返された序盤から出入りの激しい展開が繰り返された (c)vueltamallorca.com集団から抜け出すソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イスラエルサイクリングアカデミー)集団から抜け出すソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イスラエルサイクリングアカデミー) (c)CorVos

40km以上を残してアタックしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)40km以上を残してアタックしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)CorVos
前日の集団スプリントで2位に入ったホルストエンゲルは快調に逃げ続け、集団まで4分、追走グループまで1分30秒のアドバンテージを得る。しかしモビスターやロット・スーダルが率いる集団は終盤に向けてペースを上げ、フィニッシュまで距離を残してホルストエンゲルを飲み込んだ。

この日は晴れと雨が目まぐるしく入れ替わり、ツイスティなダウンヒルで落車が頻発した。モビスターは数名を失ったにも関わらずテンポを上げ続け、ゴールまで40km以上を残してバルベルデがアタック。ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)、遅れてグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)とジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)が合流し、5名の勝ち逃げが生まれる。

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)に2名が追走を掛けるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)に2名が追走を掛ける (c)CorVos登りで抜け出しを試みるティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)登りで抜け出しを試みるティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos

ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)を下したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が2年連続勝利ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)を下したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が2年連続勝利 (c)vueltamallorca.com
バルベルデのペースアップにミュールベルガーとブランビッラは都度遅れるも、下りで復帰。2級山岳プイグマヨール峠からアタックの打ち合いが始まり、濡れたダウンヒルで仕掛けるモスコンとウェレンス、そしてヒルクライム力に長けるバルベルデと言う戦いの末にバルベルデは脱落。横並びのスプリントでウェレンスがモスコンを下し今季1勝目を挙げた。

昨年のツール・ド・フランスでアレルギー性の発熱に苦しみながら、TUE申請によるコルチゾン服用を拒みリタイアしたことで話題を呼んだ26歳にとっては、昨年に続く2年連続のセッラデトラムンターナ勝利。「こんなに早いタイミングで勝利できて嬉しい。昨日もジャスパー(デブイスト)が3位に入っているし、チームに嬉しい結果が続いているよ。今日は登りでバルベルデが手強かったので、リスクを冒しつつ下りでアタックすることにした。モスコンと協力してバルベルデにプレッシャーを掛けたことが上手くいった。最後は男と男の勝負だった。明日は難易度が低くなるけれど、もう一度チャンスを狙っていきたい」と振り返っている。

3位でフィニッシュするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)3位でフィニッシュするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)vueltamallorca.comチャレンジマヨルカ2018 トロフェオ・セッラデトラムンターナ表彰台チャレンジマヨルカ2018 トロフェオ・セッラデトラムンターナ表彰台 (c)vueltamallorca.com


一方、勝利には届かずともレースを作ったバルベルデは「今日は膝の回復具合を確認する実践テストだったけれど、実際何も問題は感じなかった。雨と寒さ、危険なダウンヒルと様々な要素を含めてスムーズに走りきれた。チームメイトも数人落車し、不安もあったし、ダウンヒルでリスクを選びたくなかった。3位に入ったこと、落車しなかった結果が自分にとっての勝利だ」と好感触を得た模様。

翌日に開催されるトロフェオ・リュセタは、中盤に3級山岳を超えた後は細かいアップダウンが続く175.6km。よりパンチャー系の選手に活躍の光が当たるはずだ。
チャレンジマヨルカ2018 トロフェオ・セッラデトラムンターナ結果
1位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) 3h45’52”
2位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +24”
4位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) +27”
5位 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +37”
6位 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +5’06”
7位 ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)
8位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
9位 ピム・リヒハルト(オランダ、ルームポット・ネデランセロテリ)
10位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
text:So.Isobe
photo:CorVos,vueltamallorca.com

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