1月11日、暑さの厳しい南オーストラリア州でサントス・ウィメンズツアー・ダウンアンダー(UCI2.1)が開幕。地元アデレード出身のアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)が初日を白星で終えた。萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)は体調不良によりスタートしなかった。


午前11時、気温35度前後の暑さの中スタート午前11時、気温35度前後の暑さの中スタート photo:Kei Tsuji / TDWsport
カンガルーを抱く中原恭恵と牧瀬翼(マースランドスターインターナショナル)カンガルーを抱く中原恭恵と牧瀬翼(マースランドスターインターナショナル) photo:Kei Tsuji / TDWsportスタート前にローラー台でアップする與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)スタート前にローラー台でアップする與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
キャニオン・スラム所属のティファニー・クロムウェル(オーストラリア、UniSAオーストラリア)はディスクブレーキを投入キャニオン・スラム所属のティファニー・クロムウェル(オーストラリア、UniSAオーストラリア)はディスクブレーキを投入 photo:Kei Tsuji / TDWsport上昇し続ける気温の中、スタートを待つ上昇し続ける気温の中、スタートを待つ photo:Kei Tsuji / TDWsport

2018年シーズンが開幕。サントス・ウィメンズツアー・ダウンアンダーの第1ステージが丘陵地帯「アデレードヒルズ」の田舎町ガメラチャを発着する115.7kmで行われた。この日の最高気温は36度を記録している。

伝染性単核球症によって2017年4月から戦線を離脱していた萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)はオーストラリアでシーズン初戦を迎える予定だったが、体調不良によって出場を取りやめた。当日朝から嘔吐を伴う不調に見舞われた萩原はスタート地点のチームカーでぎりぎりまで回復を待ったが、チームスタッフとの相談ののちにDNSを決めている。

レースは逃げという逃げが生まれないまま、100名の集団が一塊となって進んで行く展開に。レース中にバルーン式のフィニッシュゲートがトラックに連れ去られるという珍事が起こったが、幸いレースへの影響やけが人は出なかった。

トレック・ドロップスが積極的にメイン集団のペースを作るトレック・ドロップスが積極的にメイン集団のペースを作る photo:Kei Tsuji / TDWsport
オーストラリアチャンピオンのシャノン・マンシード(オーストラリア、ティブコSVB)オーストラリアチャンピオンのシャノン・マンシード(オーストラリア、ティブコSVB) photo:Kei Tsuji / TDWsport集団前方に位置するアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)やアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)集団前方に位置するアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)やアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsport
撮影者を発見する與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)撮影者を発見する與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

終盤のアップダウン区間で動いたのはレイチェル・ネイラン(オーストラリア、UniSAオーストラリア)。オリカ・スコットからモビスターに移籍したオーストラリアのベテランは単独で1分半のタイム差を稼ぎ出すことに成功する。ミッチェルトン・スコットとウィグル・ハイファイブを中心に追撃が組織された結果、集団が70名ほどに絞られるとともにネイランは吸収された。

最終コーナーで発生した落車をかいくぐり、先頭で始まった最終スプリント。地元アデレード出身のアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)がジョルジャ・ブロンジーニ(イタリア、サイレンス・プロサイクリング)を振り切った。

勝利したエドモンソンはオーストラリア選手権男子エリートで勝利したアレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)の姉にあたる。弟と同様にロードレースとトラックレースを掛け持ちし、2015年トラック世界選手権では団体追い抜きとオムニアムで金メダルを獲得している。

「ネイランの強力な逃げをミッチェルトン・スコットと協力して吸収し、チームメイトに導かれてポジションをキープし、最後はUniSAのトレインに飛び乗った。混沌とした展開だったけどチームメイトの働きに応えるには勝つしかなかった」と、地元で勝利を収めたエドモンソンは語る。

スプリントで先行するアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)スプリントで先行するアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
集団スプリントで勝利したアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)集団スプリントで勝利したアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
與那嶺恵理と喜ぶアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)與那嶺恵理と喜ぶアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージトップ3の選手たちが表彰台に上るステージトップ3の選手たちが表彰台に上る photo:Kei Tsuji / TDWsport
リーダージャージに袖を通したアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)リーダージャージに袖を通したアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

フィニッシュ後にエドモンソンが抱き寄せるチームメイトの中には與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)の姿も。「実はチームで勝つの始めてだったので、ああ、こんな感じなんだあって実感しました。メンバーの誰が何をするかっていうのは決まってたので、その結果ステージを取れたので良かった」と與那嶺はチームの勝利を喜んだ。「でもラスト100mでクラッシュしたメイシー・スチュアートが頭を打ってしまったたので、今日でレースを下りることになったのがすごく残念です」。

急遽チームから招集がかかって渡豪し、スタート前に「今日は苦しむことになると思います」と語っていた牧瀬翼(マースランドスターインターナショナル)は後半に集団から脱落。フィニッシュにたどり着いたがタイムオーバー扱いとなった。「0度から36度の気温差に身体が順応できなかった。明日は動きそうなんですが、もう明日はない」と悔しさをにじませている。

チームメイトの中原恭恵(マースランドスターインターナショナル)は1分15秒遅れでフィニッシュ。「レース後半、ボトルを6本も前と後ろに抱えて運ぶというアシストの鬼地獄を経験しました。そこからとにかくチームメイトのいる前方までボトルを運ぶことに必死だった。相当ビビってスタートしましたが、思った以上にレースとチームワークに対応することができました」と、初の海外UCIレースを終えた中原は語った。
ステージ成績
1位 アネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ) 3:08:53
2位 ジョルジャ・ブロンジーニ(イタリア、サイレンス・プロサイクリング)
3位 ローレッタ・ハンソン(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
4位 サラ・ローイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
5位 エミリー・モベルグ(ノルウェー、ヴィルトゥサイクリング)
6位 クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)
7位 マリアヴィットリア・スペロット(イタリア、ビーピンク)
8位 クリスティーナ・クローナン(オーストラリア、TISレーシング)
9位 バルバラ・グアリスキ(イタリア、ヴィルトゥサイクリング)
10位 ジョルジャ・ベーカー(オーストラリア、TISレーシング)
39位 與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)
71位 中原恭恵(マースランドスターインターナショナル) 0:01:15
OTL 牧瀬翼(マースランドスターインターナショナル)
DNS 萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)
個人総合成績
1位 アネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ) 3:08:41
2位 ジョルジャ・ブロンジーニ(イタリア、サイレンス・プロサイクリング) 0:00:06
3位 ローレッタ・ハンソン(オーストラリア、UniSAオーストラリア) 0:00:08
4位 クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) 0:00:09
5位 エミリー・モベルグ(ノルウェー、ヴィルトゥサイクリング) 0:00:11
6位 サラ・ローイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 0:00:12
text&photo:Kei Tsuji

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