欧州ロードレースシーズン最終戦、伝統と格式あるパリ〜トゥールでマッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)が勝利。チームメイトを含む3名の逃げ勝負を制し、大成功のシーズンを締めくくった。
フランス中部の平野部で開催された第111回パリ〜トゥール photo:CorVos
パリ〜トゥール2017コースプロフィール (c)A.S.O.
パリ〜トゥール2017 ラスト10kmで2つの丘を越える (c)A.S.O.今年で111回目を迎えたヨーロッパ最終戦、伝統のパリ〜トゥール(UCI1.HC)がフランス中部の平野部で開催された。このレースの醍醐味は、何と言っても最終盤に用意されたアップダウンで抜け出したアタッカーと集団の追走劇。
コースプロフィールこそ完全なるスプリンター向きのクラシックだが、ラスト10km地点で「ボーソレイユ」の登りをクリアし、休む間もなくラスト7km地点で「レパン」が登場。いずれもスプリンターがパワーで乗り切れる短い登りだが、毎年ここで堰を切ったようにアタックが掛かる。トゥール郊外特有の曲がりくねった細いコースが、少人数の逃げグループに味方する。
今年はロンバルディアと同じ週末に開催されたが、かつて長くワールドツアーカレンダーに組み込まれていた格式高い大会だけに9のUCIワールドチームが参戦。昨年覇者フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)らトップスプリンターに加え、各チームはアタックの打ち合いに耐えうるメンツをラインアップした。
中でも登坂力と爆発力を兼ね備えるブエルタ・ア・エスパーニャ区間4勝のマッテーオ・トレンティン(イタリア)や、同じくブエルタで独走勝利を飾ったイヴ・ランパールト(ベルギー)、独走力に秀でるニキ・テルプストラ(オランダ)、元シクロクロス世界王者ゼネク・スティバル(チェコ)など層の厚さはクイックステップフロアーズが圧倒的だ。
クイックステップフロアーズやロット・ソウダルが集団前方に陣取る photo:CorVos
序盤から逃げた5名。リードは4分から広がらなかった photo:CorVos
230kmオーバーのスピードレースは5名の逃げで幕開ける。プロコンチネンタルチーム中心の逃げはクイックステップフロアーズの徹底コントロールで常にリードを3〜4分ほどで抑え込まれる。終盤になってアージェードゥーゼルやロット・ソウダル、ディメンションデータらがペースアップに協力したことで逃げとの差は急激に縮小していった。
残り20kmを切ると、雨に濡れた右コーナーでガビリアが単独落車。大きな怪我なくバイクに戻った前回覇者だったが、曲がったハンドルを直すためにストップしたことで集団との距離を開けてしまう。必至の単独追走の末に集団に戻ったものの、既に勝負に向けてのゴングは鳴らされた後。クイックステップフロアーズはガビリアではなく、アタックでレースを絞り込むべくカードを切った。
ボーソレイユでアタックするマッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos
レパンで抜け出すソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)とマッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos
下りで合流したニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)が逃げグループを牽く photo:CorVos
最後まで逃げたメンバーをボーソレイユ(登坂距離700m、平均勾配5.4%)で捕まえる直前、トレンティンがアタック。ここにソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)やジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)らが食らいつき、続くレパン(登坂距離400m、平均勾配4.9%)でアンデルセンとトレンティンが抜け出す。下りを経てテルプストラが合流し、3名が10秒差を確保して5km先のフィニッシュラインを目指した。
後続ではグライペルやベルギー王者オリヴァー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル)らが入った10名ほどが必至に追走を試みるが、主にテルプストラが牽く先頭集団との距離は思うように縮まらない。若干の牽制を入れつつ、3名は大観衆が詰めかけたグラモン大通りに姿を表した。
ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)を下したマッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos
後続グループの追い上げは届かず、200m看板の手前からトレンティンがスプリント。アンデルセンが並びかけるも、やはり分があったのはトレンティン。来季オリカ・スコットへと移籍する28歳が、プロ入りから6シーズンを過ごした現チームへの感謝を表しながらフィニッシュラインを切った。
2015年大会と同じ、逃げからのスプリント勝負を制したトレンティンは「今日は作戦が完璧に機能して、ニキは信じられない働きを見せてくれた。こんな形でシーズンを終えられるなんてファンタスティックだ。長く所属したチームに感謝したい。メンバーとして走れて名誉だと感じているし、こうして最終戦で勝利できたことを誇りに思う」とコメントし、キャリア17勝中の7勝と大成功に終わった2017シーズンを総括した。
パリ〜トゥール2017表彰台 photo:CorVos



コースプロフィールこそ完全なるスプリンター向きのクラシックだが、ラスト10km地点で「ボーソレイユ」の登りをクリアし、休む間もなくラスト7km地点で「レパン」が登場。いずれもスプリンターがパワーで乗り切れる短い登りだが、毎年ここで堰を切ったようにアタックが掛かる。トゥール郊外特有の曲がりくねった細いコースが、少人数の逃げグループに味方する。
今年はロンバルディアと同じ週末に開催されたが、かつて長くワールドツアーカレンダーに組み込まれていた格式高い大会だけに9のUCIワールドチームが参戦。昨年覇者フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)らトップスプリンターに加え、各チームはアタックの打ち合いに耐えうるメンツをラインアップした。
中でも登坂力と爆発力を兼ね備えるブエルタ・ア・エスパーニャ区間4勝のマッテーオ・トレンティン(イタリア)や、同じくブエルタで独走勝利を飾ったイヴ・ランパールト(ベルギー)、独走力に秀でるニキ・テルプストラ(オランダ)、元シクロクロス世界王者ゼネク・スティバル(チェコ)など層の厚さはクイックステップフロアーズが圧倒的だ。


230kmオーバーのスピードレースは5名の逃げで幕開ける。プロコンチネンタルチーム中心の逃げはクイックステップフロアーズの徹底コントロールで常にリードを3〜4分ほどで抑え込まれる。終盤になってアージェードゥーゼルやロット・ソウダル、ディメンションデータらがペースアップに協力したことで逃げとの差は急激に縮小していった。
残り20kmを切ると、雨に濡れた右コーナーでガビリアが単独落車。大きな怪我なくバイクに戻った前回覇者だったが、曲がったハンドルを直すためにストップしたことで集団との距離を開けてしまう。必至の単独追走の末に集団に戻ったものの、既に勝負に向けてのゴングは鳴らされた後。クイックステップフロアーズはガビリアではなく、アタックでレースを絞り込むべくカードを切った。



最後まで逃げたメンバーをボーソレイユ(登坂距離700m、平均勾配5.4%)で捕まえる直前、トレンティンがアタック。ここにソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)やジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)らが食らいつき、続くレパン(登坂距離400m、平均勾配4.9%)でアンデルセンとトレンティンが抜け出す。下りを経てテルプストラが合流し、3名が10秒差を確保して5km先のフィニッシュラインを目指した。
後続ではグライペルやベルギー王者オリヴァー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル)らが入った10名ほどが必至に追走を試みるが、主にテルプストラが牽く先頭集団との距離は思うように縮まらない。若干の牽制を入れつつ、3名は大観衆が詰めかけたグラモン大通りに姿を表した。

後続グループの追い上げは届かず、200m看板の手前からトレンティンがスプリント。アンデルセンが並びかけるも、やはり分があったのはトレンティン。来季オリカ・スコットへと移籍する28歳が、プロ入りから6シーズンを過ごした現チームへの感謝を表しながらフィニッシュラインを切った。
2015年大会と同じ、逃げからのスプリント勝負を制したトレンティンは「今日は作戦が完璧に機能して、ニキは信じられない働きを見せてくれた。こんな形でシーズンを終えられるなんてファンタスティックだ。長く所属したチームに感謝したい。メンバーとして走れて名誉だと感じているし、こうして最終戦で勝利できたことを誇りに思う」とコメントし、キャリア17勝中の7勝と大成功に終わった2017シーズンを総括した。

パリ〜トゥール2017
1位 | マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 5h22’51” |
2位 | ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ) | |
3位 | ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ) | +01” |
4位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) | +07” |
5位 | マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ) | |
6位 | オリヴァー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル) | |
7位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | |
8位 | アンドレア・パスカロン(イタリア、ワンティ・グループグベルト) | |
9位 | マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ) | |
10位 | ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング) |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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