2018年のロード世界選手権はオーストリアのインスブルックで開催される。獲得標高差4,670mというクライマー向きのコースが設定されているが、エリート男子ロード3連覇を果たしたばかりのペテル・サガン(スロバキア)は「不可能なことはなにもない」と語っている。


2009年にインスブルックの町をスタートしたジロ・デ・イタリア第7ステージ2009年にインスブルックの町をスタートしたジロ・デ・イタリア第7ステージ photo:Kei Tsuji
エリート男子ロードレースエリート男子ロードレース image: innsbruck-tirol2018.com/

エリート男子ロードレース周回コースエリート男子ロードレース周回コース image: innsbruck-tirol2018.com/オーストリア・チロル州の州都インスブルックで開催される2018年のロード世界選手権。アルプスの山々に囲まれた標高600m弱の町(人口13万人)で2018年度の世界チャンピオンが決まる。

チームタイムトライアルを含む合計12種目が行われ、インスブルック中心地に引かれたフィニッシュラインは全種目共通。ロードレースはすべて「グナーデンヴァルト(長さ2.6km/平均10.5%)」をこなした後にインスブルックの小周回(23.9km)に入る。「イグルス(長さ7.9km/平均5.7%)」を含むこの小周回をジュニア女子は1周、ジュニア男子は2周、U23男子は4周、エリート女子は3周する。

エリート男子は「グナーデンヴァルト」を含む90.6kmを走行後、「イグルス」を含む小周回(23.9km)を6周し、最後に「イグルス」と「グラマルトボデン(長さ2.8km/平均11.5%)」を含む大周回(31km)を1周してフィニッシュを迎える。ニュートラルゾーンを含むと走行距離は265kmで、1日の獲得標高差は4,670mだ。最大勾配が25%に達する「グラマルトボデン」からフィニッシュまでは8.1kmしかなく、険しい山岳コースで絞られた集団の中からこの激坂で飛び出した選手がアルカンシェルを獲得する可能性が高い。

スプリンターには不向きな山岳コースであり、クライマーが幅を利かすことは想像にたやすい。ノルウェー・ベルゲンで大会3連覇を果たしたサガンは苦戦が予想されるが、本人は大会4連覇の望みを捨てていない。

ガゼッタ紙のインタビューの中でサガンは「今は体重が80kg近くある。73〜74kgあるという話もあるけど実際は78〜79kgぐらい。この体重のまま山岳レースで勝つことは難しいけど、今年の世界選手権の獲得標高差は3,600mだったから(4,670mは)そう遠くない数字であり、不可能なことはなにもない。過去にヴィンチェンツォ・ニーバリらとティレーノ〜アドリアティコの山岳ステージで勝負したこともあるし、正しく準備を行えば勝負に残ることは可能だと思う」と語っている。

エリート男子ロードレースエリート男子ロードレース image: innsbruck-tirol2018.com/エリート男子ロードレース周回コース(オレンジが小周回、赤色が大周回)エリート男子ロードレース周回コース(オレンジが小周回、赤色が大周回) image: innsbruck-tirol2018.com/


エリート男子タイムトライアルは「グナーデンヴァルト」の登りを含む厳しいもの。また、エリート男子チームタイムトライアルは「アクサムス(長さ4.6km/平均5.7%)」を含み、全長は62.1kmに達する。

エリート男子タイムトライアルエリート男子タイムトライアル image: innsbruck-tirol2018.com/
エリート男子チームタイムトライアルエリート男子チームタイムトライアル image: innsbruck-tirol2018.com/

text:Kei Tsuji
ロード世界選手権2018スケジュール