Jプロツアー初開催の那須塩原駅前クリテは飲食ブースも充実して大盛況。P1クラスタは逃げ集団からアタックした岡篤志(宇都宮ブリッツェン)とホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)の戦いをホセ・ビセンテが制しルビーレッドジャージに今シーズン初めて袖を通した。



決勝は100人のレース決勝は100人のレース photo:Hideaki TAKAGI
6月10日(土)、栃木県那須塩原市のJR那須塩原駅前で行われたクリテリウムはJBCFとして初開催のもので、駅前の片側2車線道路を利用した1周2.3kmがそのコース。市の中心駅周辺道路を交通規制しクリテリウムのほか各種出店やイベントも行われ、観戦の家族連れなど多くの観客がイベントを楽しんだ。

P1クラスタは予選2組を勝ち抜いた各50人計100人が参戦した23周52.9kmのレース。序盤から宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、シマノレーシング、愛三工業レーシングチーム、ブリヂストンアンカーなど各チームがアタックを繰り出すが、ことごとくマトリックスパワータグがこれを吸収する展開。マトリックスパワータグは吉田隼人でのスプリント勝負に持ち込む考えだ。

序盤は各チームの攻撃をマトリックスパワータグが抑える展開序盤は各チームの攻撃をマトリックスパワータグが抑える展開 photo:Hideaki TAKAGI前半はマトリックスパワータグが主導権を握る前半はマトリックスパワータグが主導権を握る photo:Hideaki TAKAGI
会場はJR那須塩原駅前。各チームが攻撃を仕掛ける会場はJR那須塩原駅前。各チームが攻撃を仕掛ける photo:Hideaki TAKAGI
やがて中盤には宇都宮ブリッツェンが組織だってマトリックスパワータグに対して攻撃を仕掛ける。そして中盤過ぎた14周目に阿部嵩之、雨沢毅明、岡篤志の宇都宮ブリッツェン主導で9人、やがて8人の逃げができる。メンバーはほかにホセ・ビセンテ、アイラン・フェルナンデスのマトリックス勢、大久保陣(ブリヂストンアンカー)、渡邊翔太郎(愛三工業レーシングチーム)そして秋田琢磨(シマノレーシング)。

宇都宮ブリッツェンは逃げることに積極的だがメイン集団でも勝負できる。マトリックスパワータグはこの逃げをつぶしたい。先頭は主に阿部と雨澤が引くが強力で、メイン集団のマトリックスパワータグ勢は追走に切り替えるがその差は縮まらない。

レースは次第にマトリックスパワータグと宇都宮ブリッツェンの戦いにレースは次第にマトリックスパワータグと宇都宮ブリッツェンの戦いに photo:Hideaki TAKAGI中盤過ぎにできた9人の逃げ中盤過ぎにできた9人の逃げ photo:Hideaki TAKAGI
20周目周回賞のタイミングでアタックした岡篤志(宇都宮ブリッツェン)20周目周回賞のタイミングでアタックした岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki TAKAGIラスト2周後半、ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)がアタックするラスト2周後半、ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)がアタックする photo:Hideaki TAKAGI

20周目の周回賞のタイミングで岡が8人からアタックするが1周弱かけてホセ・ビセンテが追いつき岡をマークする。メイン集団の吉田で勝負するためだ。だがラスト2周でその吉田がメイン集団から離れるのを確認するとホセ・ビセンテがアタックする。岡も数秒差を懸命に追うがその差が縮まらず、ホセ・ビセンテが逃げ切り優勝した。

勝負所はラスト3周だった。残り距離を独走する意思で岡が抜け出したがホセ・ビセンテがこれに追いついた。しかしマトリックス安原監督はメイン集団の吉田で勝負するため、ホセ・ビセンテに攻撃しないよう指示しホセ・ビセンテは岡の後ろに付いた。ラスト2周になって吉田が離れたことから攻撃の指示を出しここでアタック。これが決まった。

ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が初開催のクリテリウムを制するホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が初開催のクリテリウムを制する photo:Hideaki TAKAGI
メイン集団は小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)先頭でフィニッシュメイン集団は小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)先頭でフィニッシュ photo:Hideaki TAKAGIJプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)、U23リーダー 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)に移動するJプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)、U23リーダー 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)に移動する photo:Hideaki TAKAGI

岡も牽制してよかったが「逃げ切ってスプリント勝負することだけを考えていた」と攻撃の姿勢を崩さなかった。「メイン集団は(小野寺)玲が取っているので、今になって冷静に考えれば戻っても良かった」と岡。岡は2位となったがその強さを十分にアピールしたレースだった。
結果 P1クラスタ 52.9km
1位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) 1時間11分46秒
2位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +03秒
3位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +13秒
4位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +14秒
5位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
6位 入部正太朗(シマノレーシング)
7位 土井雪広(マトリックスパワータグ) +15秒
8位 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
9位 田窪賢次(マトリックスパワータグ)
10位 岸崇仁(那須ブラーゼン)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)



■Jフェミニンツアー

F 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が主導権を握るF 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が主導権を握る photo:Hideaki TAKAGIF 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が独走でフィニッシュを目指すF 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が独走でフィニッシュを目指す photo:Hideaki TAKAGI
F 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝F 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
1周目からシスターローズジャージを着る唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が先頭固定で走ると中原恭恵(JBCF J-FEMININ)だけが付くことができる。いったんは集団に吸収されたがふたたび唐見がアタックし中原がそれを追う。唐見は中原を振り切るとそのまま独走して圧勝した。
結果 F 27.6km
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) 43分18秒
2位 中原恭恵(JBCF J-FEMININ) +1分27秒
3位 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE) +1分28秒
Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)



■Jエリートツアー

E1 武井裕(アーティファクトレーシングチーム)が優勝E1 武井裕(アーティファクトレーシングチーム)が優勝 photo:Hideaki TAKAGIE2 鈴木快彰(YOKOSUKA UNO RACING)が優勝E2 鈴木快彰(YOKOSUKA UNO RACING)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
結果 E1 34.5km
1位 武井裕(アーティファクトレーシングチーム) 48分38秒
2位 松木健治(VC VELOCE)
3位 半澤雄高(LinkTOHOKU) +01秒
4位 今井勇太(Team UKYO Reve)
5位 岩崎晶雲(グランペールサイクリングチーム)
6位 鴨下拓弥(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) +02秒
Jエリートツアーリーダー 福田圭晃(横浜高校自転車競技部)



photo&text:高木秀彰
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