フォーカスのタイムトライアルフレーム「IZALCO CHRONO」を紹介しよう。このエアロダイナミクスを意識したタイムトライアルフレームは、スイスにWALSER SPORTという工房を構えるフレームビルダー、アンドレアス・ヴァルサー氏との共同開発によるものだ。ヴァルサー氏はタイムトライアルフレームを創り出すスペシャリストである。

フォーカス IZALCO CHRONOフォーカス IZALCO CHRONO (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
そのフレームの性能は各界のトップライダーから認められており、ツール・ド・フランスをはじめとするビッグレースでも名を伏せて密かに使われてきた。かつてのツール・ド・フランス総合優勝候補、ドイツ圏のスター選手、プロチームなども好んで使われてきたのは、メカ通なら御存知の通り。

そのヴァルサー氏のノウハウと、フォーカスというジャーマンエンジニアリングが融合し誕生した夢のようなフレームがイザルコ・クロノなのだ。


大迫力のエアロフレーム

イザルコ・クロノは、とにかく空気抵抗を削ることに主眼をおいた攻撃的フォルムが特徴だ。ヘッドチューブはできる限り細く、前面投影面積を限界まで小さく抑えている。さらにダウンチューブのがヘッドチューブを包み込むくらい太い。これほどまでの翼状断面チューブはあまりお目にかかれない。

刀のようなダウンチューブ。かなり太い!刀のようなダウンチューブ。かなり太い! シートピンも空気抵抗増になるので、このような内蔵式にシートピンも空気抵抗増になるので、このような内蔵式に

ヘッドチューブは限りなく細身に作られる。ダウンチューブの太さは圧倒的ヘッドチューブは限りなく細身に作られる。ダウンチューブの太さは圧倒的 リアホイールを包みこみ乱気流の発生を最小限に抑えるリアホイールを包みこみ乱気流の発生を最小限に抑える


この構造によって、ヘッドチューブが細くともパワフルな剛性を確保。タイムトライアル時の高出力にも耐える設計だ。もちろんカーボンファイバーを多用したチューブの剛性はかなりのものだという。ハンガー周り、シート集合部のボリューム、フィン加工は見事な完成度だ。

リアエンドも正ツメ(ピストエンド)に近いデザイン。リアホイールの着脱には少々手こずるが、この形状によってシートステーとチェーンステーを確実にジョイントし、マッシヴな剛性を手に入れている。

投影面積を最優先したフォルム投影面積を最優先したフォルム ブレード状に縦扁平したシートステー。エアロフローを最適化するブレード状に縦扁平したシートステー。エアロフローを最適化する 整流効果向上を目的とした翼状断面形状整流効果向上を目的とした翼状断面形状


しかもそれだけのバックボーンを持ちながら、日本での販売価格は35万円台(フレームセット)だ。高価なものが多いハイエンドのタイムトライアル用フレームのなかにあって、これだけの造りでこの価格はかなりお買い得に感じてしまう価格設定だ。トライアスロン用としてもオススメだろう。


フォーカス IZALCO CHRONOフォーカス IZALCO CHRONO (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp

FOCUS IZALCO CHRONO

フレームセット¥355,950
サイズ 52cm
カラー カーボン×ホワイト
フレーム フォーカス タイムトライアルカーボン
フォーク 3T フンダプロカーボン
ピラー エアロタイムトライアル


text:山本 健一
photo:綾野 真