アスタナを含むプロツアー5チームのライセンス更新が保留の状態。10月22日、UCI(国際自転車競技連合)は2010年シーズンに向けて必要申請書類が揃っていない5チームを発表した。UCIの規定により、アルベルト・コンタドール(スペイン)はチームを離れる可能性が高くなった。

アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Makoto AyanoUCIのプレスリリースによると、ライセンスの保有期間に関係なく、全てのプロツアーチームは毎年10月までに翌シーズンのチーム予算やスポンサー契約、銀行による保証体制、12名以上の契約選手についての確認書類をUCIに提出する義務がある。

UCIは書類審査の結果、13チームのライセンス更新/ライセンス取得を承認した。

そのチームリスト(下記参照)に含まれていなかったのが、アスタナ、ケースデパーニュ、エウスカルテル、サクソバンク、そして新生チームスカイを加えた5チーム。11月20日までに必要書類が全て揃わない場合はライセンスが更新されない。サクソバンクに関しては、後日UCIからライセンス更新の確認を得たとチーム公式サイトの中で伝えている。

UCIが定めたチーム・選手間の契約に関する規定によると、10月20日までに翌シーズンのライセンス更新の手続きを済ませていないプロツアーチームの選手は、損害を避けるため、事前通知なしにチームとの契約を解除する権利がある。つまり、コンタドールのアスタナ離脱が法的に認められた。

コンタドールの移籍に関しては、アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)のチーム復帰以降、数々の噂が飛び交っている。本来アスタナとの契約が2010年末まで残っていたため、チーム残留が濃厚と見られていたが、今回のUCIの発表によってコンタドールのチーム移籍話が再燃。まだ具体的な話は出ていないが、移籍先としてケースデパーニュ、ガーミン、そしてクイックステップが有力視されている。

ランス・アームストロング(アメリカ)やリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)らのチーム離脱によって戦力ダウンしたアスタナは、コンタドールのツール連覇を支えるため、パオロ・ティラロンゴ(イタリア)やダビ・デラフエンテ(スペイン)、ゴラツド・スタンゲリ(スロベニア)らを新たに獲得。ヨハン・ブリュイネール監督に代わって、かつてマルコ・パンターニやダミアーノ・クネゴを指揮していたジュゼッペ・マルティネッリ氏が監督に就任することが決まっている。

プロツアーライセンス更新が承認された13チーム
アージェードゥーゼル
フランセーズデジュー
フートン・セルヴェット(フジ・セルヴェット)
ガーミン・スリップストリーム
ランプレ
リクイガス
クイックステップ
ラボバンク
レディオシャック
オメガファーマ・ロット(サイレンス・ロット)
チームコロンビア・HTC
カチューシャ
ミルラム

text:Kei Tsuji
photo:Makoto Ayano

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