平均勾配12.8%の急勾配が用意されたフィニッシュ前。アルデンヌクラシックさながらのルクセンブルク第2ステージを制したのはフィリップ・ジルベールだった。



集団をコントロールしたBMCレーシング集団をコントロールしたBMCレーシング photo:CorVos残り300mでアレックス・キルシュ(ルクセンブルク、ストルティングサービスグループ)がスプリントを開始残り300mでアレックス・キルシュ(ルクセンブルク、ストルティングサービスグループ)がスプリントを開始 photo:CorVosマウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)を抑えるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)マウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)を抑えるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) photo:CorVosリーダージャージに袖を通すマウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)リーダージャージに袖を通すマウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン) photo:CorVosツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.HC)は大会3日目。ドイツ国境の街ロスポールから南東へ向かい、フランス国境に近いシフランジュを目指す162.8km。基本的には山岳の無い丘がち基調のレースだが、フィニッシュは平均勾配12.83%の急勾配を登った先に設定されているため、その様子はさながらアルデンヌクラシックだ。

この日序盤にレースを作ったのは山岳賞ジャージを着用するトーマス・デルット(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)ら7名。しかしタイム差は4分以上拡大せず、残り40km地点の2級山岳を超えてから集団はスピードアップ。最後まで逃げていた4名の抵抗むなしく残り4km地点でキャッチされ、そこからゴールに向けての勝負が始まった。

12%〜15%ほどにまでせり上がる勾配を駆け上がる中、集団前方では選手同士が絡んだことによる落車が発生。総合首位のジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)はここに巻き込まれ、結果的にタイムを落とし首位から陥落してしまう。

均衡を破って残り300m手前からスプリントを開始したのはアレックス・キルシュ(ルクセンブルク、ストルティングサービスグループ)。マルコ・マルカート(イタリア、ワンティ・グループグベルト)が失速する一方、その後方から総合2位のマウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)を従えたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が伸びた。

「ドラッカーが足止めされたことは無線で聞いていたが、自分のスプリントに集中した。最後はコーナーの手前で2番手につけて一気に加速。我慢強くタイミングを待ったことが功を奏した」と振り返るジルベールは、そのままラメルティンクを抑えてガッツポーズ。クラシックハンターの本領を発揮する余裕の勝利だった。

リーダージャージのドラッカーが遅れたため、総合首位にはラメルティンクが浮上。ラメルティンクは1990年生まれの25歳で、2013年にはヴァカンソレイユのメンバーとしてジロ・デ・イタリアを完走した経験を持つクラシックレーサー。9秒差の総合2位につけるジルベールは「彼(ラメルティンク)がスマートに走り切れば総合優勝するはず」と語っている。



ツール・ド・ルクセンブルク2016第2ステージ結果
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
2位 マウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)
3位 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク、ストルティングサービスグループ)
4位 ロメン・ハーディ(フランス、コフィディス)
5位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)
6位 ピーター・ヴァンスピイブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
7位 ラスムス・グルドハマー(デンマーク、ストルティングサービスグループ)
8位 ディオン・スミス(オーストラリア、ワンプロサイクリング)
9位 セバスティアン・デフロッシュ(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)
10位 アントニー・テュルジ(フランス、コフィディス)
3h55’59”


+03”



+06”




個人総合成績
1位 マウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)
2位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
3位 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク、ストルティングサービスグループ)
4位 ピーター・ヴァンスピイブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
5位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 アレクサンダー・クレーガー(ドイツ、レオパードプロサイクリング)
7位 マルコ・マルカート(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
8位 ガエタン・ビール(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
9位 フーブ・デュジン(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)
10位 アントニー・テュルジ(フランス、コフィディス)
8h13’23”
+09”

+11”
+16”

+23”

+24”
+26


ポイント
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)

山岳賞
1位 トーマス・デルット(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)

ヤングライダー賞
1位 マウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)

チーム総合成績
1位 オリカ・グリーンエッジ

text:So.Isobe
photo:CorVos