各国に一足先駆けて、アメリカで先週末にかけてロードナショナル選手権が開催された。ロードでは21歳のグレゴリー・ダニエルが金星、個人TTではテイラー・フィニー(BMCレーシング)が圧勝した。



後続を5秒引き離してフィニッシュするグレゴリー・ダニエル(アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)後続を5秒引き離してフィニッシュするグレゴリー・ダニエル(アクセオン・ハーゲンス・ベルマン) photo:www.usacycling.org
星条旗ジャージをまとったグレゴリー・ダニエル(アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)星条旗ジャージをまとったグレゴリー・ダニエル(アクセオン・ハーゲンス・ベルマン) photo:www.usacycling.org個人タイムトライアル トップタイムをマークしたテイラー・フィニー(BMCレーシング)個人タイムトライアル トップタイムをマークしたテイラー・フィニー(BMCレーシング) photo:www.usacycling.org個人タイムトライアル表彰台 テイラー・フィニー(BMCレーシング)が中央に立つ個人タイムトライアル表彰台 テイラー・フィニー(BMCレーシング)が中央に立つ photo:www.usacycling.org今年のスターズ&ストライプスジャージを決める地は、ノースカロライナ州中北部の都市ウィンストン・セーラム。通常ツール・ド・フランス直前の6月半ば〜後半に開催される各国ナショナル選手権だが、アメリカでは一足早く開催されるのが通例だ。

日曜日に開催された男子エリートロードレースは、郊外に設定された1周15.4kmのアップダウンコースを12周回する187kmで、昨年はマシュー・ブッシュ(現ユナイテッドヘルスケア)がジョー・ドンブロウスキー(キャノンデール)を下して優勝していた。

高速で進んだレースは終盤にかけて人数を絞り込み、最終周回突入と同時に2名がアタック。15秒ほどのリードを得て逃げ続けたがゴールまでは届かず、次いでグレゴリー・ダニエル(アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)やエヴァン・ハフマン(ラリーサイクリング)ら、ツアー・オブ・カリフォルニアで積極的な走りを見せた若手が飛び出した。

追いかける集団はペースが上がらず、先頭グループの逃げ切りが決定的に。すると「最後の登りで誰も仕掛けなかったので、きっと全員疲れているんだと思った。脚の調子を見るべくアタックし、単独になったので全開で踏んだ」と言うダニエルが先行を開始する。

一気に追走を引き離したダニエルの勢いは最後までついえず、結局5秒差を維持したままフィニッシュ。先のカリフォルニアで敢闘賞を獲得するなど、目立つ走りをしていた21歳が大金星を掴みとった。

昨年アンダー23カテゴリーで優勝し、エリート初挑戦にして栄冠を手にしたダニエル。昨年からアクセル・メルクス氏が監督を務め若手育成を目的とした同チームに合流しており、今回がプロ初勝利。先だって行われた個人タイムトライアルでは9位に入っていた。(ダニエルのSTRAVAデータはこちら

個人タイムトライアルでは、過去に優勝経験のあるトム・ザーベル(ラリーサイクリング)らを1分以上引き離す圧勝でテイラー・フィニー(BMCレーシング)が優勝。2位にザーベル、3位にロットNLユンボのアレクセイ・フェレメレンと続いた。



全米選手権2016ロードレース結果
1位 グレゴリー・ダニエル(アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)
2位 アレックス・ハウズ(キャノンデール)
3位 トラヴィス・カマベー(ホロウェスコ)
4位 チャド・ベイヤー(ルーパスレーシング)
5位 エヴァン・ハフマン(ラリーサイクリング)
4h21’34”
+05”


+06”


全米選手権2016個人タイムトライアル結果
11位 テイラー・フィニー(BMCレーシング)
2位 トム・ザーベル(ラリーサイクリング)
3位 アレクセイ・フェレメレン(ロットNLユンボ)
4位 ブレント・ブックウォルター(BMCレーシング)
5位 エヴァン・ハフマン(ラリーサイクリング)
1h02’45”
+1’10”
+1’12”
+1’36”
+1’52”


text:So.Isobe